自分の自転車が異世界で魔王を倒してきたらしい
前回までのあらすじ ポリスメンに停められた
家に戻ってから純正とは別の速度計を取り付け検証してみた。
自分が乗ると、目玉アシストが発動、
純正の速度計表示が実際の1/2になり、
結果今までの2倍のスピードが出せるようになる。
他人が乗った場合目玉アシストは働かず、
純正と後付けの速度表示も同じらしい。
そもそも『力が欲しいか?ならばくれてやろう』など
自分以外は誰も聴こえてないらしい・・・
その後、どうしようかと悩んだが結局そのままで乗っている。
目玉アシストを使っても無双と言う訳でなく、
所詮はアシスト、人間がペダルを廻さねば進まないし、
調子に乗って飛ばしても直ぐに人間がバテるのである。
バッテリーも2倍の勢いで充電が減るので
結局、今までのルートをポリスメンに注意しながら、
原付を運転する心構えで安全運転に徹して乗っている。
手紙の内容を読み返しているうちに気が付いたことがある。
たどたどしい日本語で書かれていたので最初気が付かなかったが、
『ゆしゃ』→よしゅぁ=勇者、
『でんぇもん』→でぇーもん→DEMON=魔王
のことではないか?
あの時、目の前で光が舞って異世界召喚寸前だったけど、
ジジイのプリヌスが突っ込んできたのを避けた所為で、
自分は召喚を逃れ、自転車だけ異世界に行ったのでは無いかと。
アラフィフで異世界召喚など死んでも御免なので、
プリヌスのジジイには感謝している。
当時は、『クソッ、ジジイ死ねばいいのに』と思ったが
人間とは本当に勝手なものである。
目玉アシストを効かせてシャカリキに走ると、
今までより運動量が増えている様で
自分のメタボもほんの少しだが改善に向かっているようだ。
これにて自分のE-Bikeの話を終わりにしようと思う。
運転免許証(ゴールド免許)が冒険者ギルド金級冒険者証の扱いに、
スマホのマップのストリートビューが異世界版になっていたのは別の話