メタボE-Bikeを買う
運良くアブク銭を手にすることができ、
メタボなので運動しようとE-Bikeを買った。
E-Bikeとは、昨今普及しつつある、
ママチャリ型の電動アシスト自転車と一線を画す、
MTBやロードバイク型の
スポーツ用途を目的とした電動アシスト自転車である。
購入した機種は ミヤタ クルーザー と言う、
強力な電動アシストユニットを搭載している反面、
コストダウンの為、他の構成部品は低グレードが使われた
少々アンバランスな車体のCROSSBIKEだ。
明らかに安物のサドルやタイヤを自分好みの物に交換すれば
そこそこイイ感じの自転車に仕上がった。
自分が住んでいるのは東京までJRで1時間圏内ではあるが、
周囲にゴルフ場や落花生畑、水田が広がりウグイスの鳴く、
決して都市部とは言えない場所である。
週末、自宅から往復15km、1時間ちょいのルートを走っている。
その日も自分は慣れ親しんだ田舎道、
トキオジャーマンヴィレッジと言う千葉なのに東京でドイツというテーマパークと
雑誌向けの新車試乗会で有名な袖ノ下森林サーキットに挟まれた
山合のコースを走っていた。
ここは街道の抜け道から外れている為、交通量も少ないし穴場なのである。
牛舎と鶏舎の点在する集落を過ぎ、低い峠を登る山道に入る。
電動アシスト音をフォンフォン鳴らしつつ軽快に坂を進んでいると、
突然目の前が光ってキラキラと光の粒子が舞いだした。
なんだなんだと狼狽えたその時、反対方向から
ジジイの運転するプリヌスが猛スピードで突っ込んできた!!
「ウォオーッ!!」
危機一髪、横に躱して道路脇の耕作放棄地に突っ込む。
ジジイのプリヌスは坂下の養鶏場にそのまま突っ込ん行った。
ドカンとプリヌスが大破する音と鶏の鳴き声で大騒ぎである。
深い藪に突っ込んだ為、不幸中の幸いか怪我はなかったが、
自転車が無い!!藪の奥に飛んだのか?
クソッ、スマホも財布も免許も自転車のバックに収納していたので
助けの呼びようも無い…
途方に暮れたその時、目の前で光の粒子が舞って点滅したと思ったら
自分の自転車がドサッと落ちてきたのだった…
養鶏場の人が呼んだのであろう、緊急車両のサイレンを遠くに聞きながら、
『オーラロードが開かれたー』
アラフィフ世代のヲタクなら誰もが知っている
アニソンを思わず口にしていた。
'80年代に異世界召喚アニメ作ったあのTOMINOスゲー