バクト=フローサの戦い(中)
丘陵側……つまり敵軍の方に濃霧が立ち込めていた。
「どう見る、サロモン卿」
皇帝軍の魔法兵部隊三千の指揮を任せているサロモン・ド・バルベトルテ。彼を隣に呼び寄せ、俺は目の前の霧について訊ねる。
「魔法によるものの可能性が高いかと」
「やはりか……全軍、警戒態勢に入れ。いつ開戦となってもいいようにな」
さっそく敵が仕掛けてきた。魔法によって霧を発生させ、こちらの視界を奪うことで自軍の動きを悟らせないようにしている。連合軍側からは敵の動きは全く分からなくなった。効果的な魔法の使い方と言えるだろう。
「魔法で霧を払うことはできるか?」
「可能ではありますが、この広さでこの濃さは、完了するまで時間がかかります」
「構わない。やってくれ」
少し霧が薄くなるだけでも効果はある。あと何より、霧は俺の【炎の光線】の天敵だ。俺自身も魔法を使わなければいけないくらい追い込まれたら、この霧は俺の命も危険にするかもしれない。
「しかし空気中の魔力はそれほど減ってないように感じるんだが……卿の見解はどうだ」
「そもそもこの規模で、この展開速度は異常です。おそらく、自然に霧が生まれやすい季節、時間、場所が整っていたのかと」
つまりゼロから霧を生んでいるのではなく、自然発生する霧を強化している訳だ。まぁ、この戦場を設定したのは相手だ。当然、これも想定内なのだろう。
「さて、これで敵はどう出てくるか」
それからさほど時間を空けず、まだ霧が完全に払えていない中、次の報告が飛び込んでくる。
「左翼より報告! 敵騎兵の突撃を受けており、大きく押されている模様! 騎兵戦力の増援を求めています」
……うわぁ、陽動くせぇ。
それにこの要請は、崩れそうだからヤバいっていう救援要請ではない。ただ騎兵の突撃を受けているから、追い返すためにこちらも騎兵を送ってくれって要請だ。
とはいえ、これが陽動ではなく主攻である可能性もある。未だに霧で敵の軍勢の正確な確認は難しい。
「サロモン卿。敵は霧を維持しようとしているか」
「いえ、抵抗は無いと見てよいかと。気温や湿度の関係で、こちらの霧払いに時間が掛かっているだけです」
……つまり、敵のこの攻撃の規模について、何が何でも隠したいという訳ではなさそうだ。となると、やはり陽動か。
「では黙殺するのであるか」
同じく、陽動と勘づいたジュストー・ド・ゼーフェが訊ねてくる。
「……いや、出そう。敵の狙い通りに動くのは癪だが、左翼は同盟国の軍だからな」
無視すれば今後に響く。政治的観点から、援軍を出さざるを得ない。それに同盟国軍は、各国が各々少数の騎兵を連れてきているからな。全体でまとまって反撃などは難しいだろう。追い返すためには、どのみち皇帝軍から騎兵部隊を送る必要がある。
……そこまで計算してるんだろうな、ローデリヒは。
「とはいえ、ただ敵の思惑に乗っかるだけでは後々苦しくなる」
できれば相手の思惑から外れたい。それが最善手では無かったとしても。これはちょっとした賭けだが、敵の思惑から外れるためには必要だな。
「エタエク侯の重騎兵連隊を向かわせろ。ただし、左翼軍を立て直し、敵騎兵を追い払った後は、そのまま最左翼に展開するように伝えよ」
貴重な五千の騎兵戦力だが、死蔵するより使った方がマシだ。何より、彼女は自分で状況を判断して決断できる指揮官だ。ある程度自由に動ける場所に展開させた方が効果的に動くかもしれない。
こうして、この日の戦いは左翼の同盟諸国軍から始まった。
霧が徐々に薄まっていき、左翼に攻撃を仕掛けている敵も少しだけ確認できた。予想通り、敵は騎兵部隊のみの突撃……主攻ではない。
こちらの対応も早かったお陰で、左翼もそれほど被害は出していない。
「陛下」
そんな中、偵察兵の管轄を任せている宮中伯から報告が入る。
「エボックス村から煙が上がっているそうです」
左翼正面の村から煙? 狼煙……はないな。なら失火? いや、霧が出るようなこの湿度では可能性が低い。となると……煙幕か。
「敵の騎兵部隊は退くつもりかもしれない」
……まぁ、それが分かったところで今はこちらからできることは無いんだけど。
またしばらくして、続報が入ってくる。
「陛下。左翼が敵を撃退したとのことです」
やっぱりな。撃退っていうか、後退しただけだろう。
「陛下! 霧は完全に晴らしました……ですが今度は煙で視界が悪く」
サロモンが俺にそう報告する。気温が上がってきて霧ができづらくなったら、今度は煙による煙幕か……次から次へ仕掛けてくるな。
ちなみに、霧は空気中の水分を強制的に集めて水にしたり、あるいは凍らせて氷にすることで晴らしている。これが一番魔力消費が少なくて済むらしい。
「風の方向は分かるか」
「右翼方向へ煙が流され、ここから正面は全く見えません」
そうティモナが報告する。随分と敵に都合のいい風……いや、この場合は。
「これも敵の魔法か」
「可能性は十二分にあります」
敵は魔法兵の使い方が本当に上手い。
「対応しますか」
続けてそう訊ねるサロモンに、俺は首を横に振る。
「いや、いい。それより、卿はもう連隊に戻れ……そろそろくるぞ」
騎兵部隊を後退させるためだけの煙幕に見せかけているが、わざわざ風でこちらの右翼方向に流している。つまり……。
「次は右翼に攻撃がくる」
俺がサロモンを連隊に戻して数分後。
「敵軍、右翼軍に接近! 猛烈な勢いです!!」
そう言って俺の下に、焦った様子の伝令が飛び込んできた。ニコライ・エアハルトの下から派遣されてきたらしい。
「報告は正確にするのである。敵の兵数は? 騎馬兵か、歩兵か?」
俺の代わりに訊ねるジュストー・ド・ゼーフェに対し、伝令は曖昧な表現を続ける。
「分かりません! ですが、多勢であることは確実です!」
「……煙幕で見えぬのであるか」
いいや、違う。煙幕はあくまで皇帝軍……俺の目を遮るためだ。右翼軍にまでは届いていない。
「いえ、そうでは。ただ視界を覆うほどの敵軍が真っすぐ向かってきていて……一先ず行けと言われたので……」
やれやれ……今のところ、戦況は完全に敵の狙い通りに進んでいるな。
「伝令の意味が無いのである」
「伝える情報の取捨選択もできないんだろう」
まぁ、自分の力量を妄信して前線に出てきた罰だ。いい勉強になるだろう……生き残れればの話だけど。
「皇帝軍全軍に通達。縦隊に陣形を変え、緩やかに前進。チャムノ軍と左翼軍にも前進するよう伝えよ」
俺がそう言うと、ジュストー・ド・ゼーフェが……めんどくさいな、老ゼーフェと呼ぶか。彼が訊ねてくる。
「右翼に向かうのであるか」
「いいや。この場で布陣だけ変える……両翼の銃兵連隊は砲兵連隊の前に出せ!」
俺がそう指示したタイミングで、右翼軍から次の伝令が飛び込んできる。
「伝令! 右翼軍、敵部隊と衝突! 既に混戦状態にあります!」
前の伝令がきてから数分と空いてない。敵は全速力で右翼軍に殴り掛かっている。
「これは……本命のようであるな」
流石に経験豊富なだけあり、老ゼーフェの見解もこの攻撃が敵の主攻と判断したようだ。
「あぁ。敵はほぼ全軍だろう」
さっき撤退した騎兵隊と、丘陵に伏せていると思われる敵砲兵部隊。あとはその援護に多少の部隊は残っているかもしれないが……逆に言えば、それ例外の部隊は、全てこの右翼軍に対する攻撃と見ていい。
「全軍……? これだけの大軍同士の戦場で、初日に全軍突撃など聞いたことないのである」
突撃はリスクのある攻撃だ。これだけの大軍の指揮ともなれば、そう簡単に決断できるものじゃない。
「だからこそだろう。予想もしてない一手ほどよく効くものはない」
しかし、本当によく決断できたな、ローデリヒは。いくら右翼軍の帝国貴族が戦慣れしていないとはいえ、戦ったことの無い敵のはずだが。
……いや、違うな。この戦場にくる前の進軍の際、俺は右翼軍に渡河の為に迂回するよう指示した。その時の機動の緩慢さで、練度の低さを見切られたか。
迂回中に敵が逆に渡河攻撃してきた場合を考え、まだ戦力として信用できる左翼軍の方を残したんだが……裏目に出たか。
「右翼はどれほど持つであろうか」
老ゼーフェがそう呟く。もうその声色からして、自分でも薄々分かってるだろ。
「さぁな」
たぶん、どれほども持たないんじゃないか?
それから十分くらい経っただろうか。続いて入ってきた報告は、幸いにも右翼からのものでは無かった。ティモナが報告する。
「陛下、両銃兵連隊が砲兵連隊より前に移動しました。次の御命令を」
おぉ……予想以上に早い。やはり十分な訓練時間を取れただけあるな。
「アルブー連隊はさらに前進。ゼーフェ連隊はその場で待機」
それから俺は、傍で静かに控えている宮中伯に命令を出す。
「宮中伯、偵察は暫く必要ない。これから皇帝軍の指揮に集中するから、皇帝軍以外からの伝令の取次ぎを頼む」
「かしこまりました」
これで皇帝軍以外からの報告は宮中伯が、皇帝軍内の報告はティモナが担ってくれる。
「ティモナ、ペテル・パールに伝令。軽騎兵連隊は重歩兵連隊の後方に回り、右翼方向に進め」
あとは……と、俺がこの後の展開に向け、深く考えている時だった。少し離れた場所で伝令とやり取りをしていた宮中伯が報告を持ってやってきた。
「陛下……右翼より伝令が」
そうか、きたか。
「内容は?」
「右翼軍、敵の攻撃を受け敗走」
……うん、知ってた。
***
「右翼軍……総崩れです」
宮中伯の報告に、老ゼーフェが信じられないといった様子で驚きを見せる。
「馬鹿な。まだ交戦から半刻も経ってないのである」
一時間どころか三十分も持たないとはね。歴史に残る潰走ぶりだ。
さてはまともに戦わずに逃げたな。まぁ、領地などが得られるか分からない防衛戦争には兵力を出さず、侵略戦争になった途端、甘い蜜を吸おうと穴倉から出てきた地方貴族が指揮官。その下には傭兵を雇っただけの下級貴族や代官貴族が並んでいた。
実戦経験も碌にない、指揮系統も一本化してない、お飾りのはずの指揮官、ニコライ・エアハルトが出しゃばる。そんな軍がまともに戦えるはずがない。
「皇帝軍、戦闘用意! 右翼軍を突破してきた敵を迎撃する!」
「……それでこの陣形であるか」
老ゼーフェは既に皇帝軍が迎撃可能な布陣に変わっていることに気がついたようだ。銃兵連隊を砲兵の前に出し、軽騎兵連隊を最後尾に下げ、皇帝軍は開戦前は敵軍正面だった丘陵方向に対し、縦長の陣形へと変化している。それはつまり、右翼軍を崩壊させた敵軍……皇帝軍の側面に回り込んでくる敵に対して、火力を発揮できる横陣に変形できていることを意味する。
「軽騎兵連隊は重歩兵連隊の側背を援護。絶対に後ろに回り込ませるな!」
軽騎兵連隊は、つまるところペテル・パールの指揮するアトゥールル騎兵だ。いつも通り、その機動力を生かして後退しながら騎上から弓矢で一方的に攻撃する。とはいえ、彼らは接近戦ができない訳じゃない。上手いことやってくれるだろう。
「重歩兵連隊はその場を死守! 後退はしていいが絶対に敵を突破させるなと伝えろ!」
普通、後退を許可すると際限なく後退してしまい、結果的に敗走になったりする。だがレイジー・クロームならその辺りの意図も理解できるだろう。
皇帝軍はとにかく突破さえされなければいい。皇帝軍で敵を抑えている間に、他の軍で優位を確保する。
「チャムノ公に伝令! 前進し、時計回りに機動。右翼を突破した敵の退路を断て!」
俺の命令に、宮中伯が五本の指を出す。すると五人の伝令が一斉に飛び出した。
「次、同盟諸国軍に伝令! 同じく敵主力の退路を脅かしつつ、バクト丘陵を奪取せよ! エタエク侯の重騎兵連隊もバクト丘陵を攻撃!」
同じく五人の伝令が飛び出す。これが一人だけだと、たどり着かず命令を伝えられない可能性があるからだ。多いに越したことは無い。
「皇帝軍は迎撃しつつ緩やかに後退! 敵の衝撃を受け流せ!」
こうして、皇帝軍の長い一日が始まった。
右翼軍を潰走させた敵軍は、皇帝軍に大挙して押し寄せた。正確な数も、敵がどれくらい消耗しているかも分からないが、皇帝軍は約二倍の敵軍の突撃を、一身に受けている。
「陛下、所々で敵部隊が敗走していると」
ティモナの報告は、皇帝軍内の部隊から上がってくる報告だ。
「いや。後退して陣形を立て直すだけだろう」
敵は右翼軍を潰走させ、その勢いのまま皇帝軍に襲い掛かってきた。そのため、陣形や足並みの乱れた状態だった。
実際、こちらが迎撃の準備を整えられていなかったらマズかっただろう。戦場において、勢いというのはそのまま脅威となる。練度の低い徴兵部隊なら、その勢いに気おされて敗走していたかもしれない。
だが皇帝軍は十分な訓練と、迎撃用の布陣を敷き直し、突撃を待ち構えることができた。
「こちらも緩やかに後退。軽騎兵連隊を除いた皇帝軍全体でだ」
つまり、皇帝軍は敵の勢いを殺し、初撃を防ぐことに成功した。それを見て、勢いで押し切れないと判断した敵は、すぐに後退して陣形を整えだした。流石に隙がないな。
「追撃はするな! 絶対に足並みを乱すな」
そしてこの皇帝軍の目的は遅滞戦闘。時間を稼ぎ、敵の猛攻を凌ぎ、その間に別の軍で有利を得るのが目標だ。これで前に飛び出す部隊がいたら最悪だ。とにかく、全体で足並みを乱さない。これを徹底する。
「……重歩兵連隊に組み付いた敵が離れていないのである。増援を送ってやるべきなのである」
老ゼーフェが俺にそう意見する。確かに、遠距離攻撃のない重歩兵連隊だと敵と距離を離すのが難しいか。そして重歩兵連隊の機動力では、皇帝軍全体の足並みに合わせて、戦闘しながら後退……ってのは難しいか。早めに増援を送ってやるのはアリだ。
「……銃兵一個中隊をレイジー・クロームのとこへ増援に遅れ」
「では第四中隊を送ります」
すぐにティモナが、一番重歩兵連隊に近い部隊に右の戦場へ増援へ向かうよう指示を出す。
すると間髪入れずに老ゼーフェは提案する。
「敵が離れた今のうちに、魔法兵連隊を下げ、予備を確保するべきなのである」
確かに、今後の長期戦を考えたら予備戦力はあるに越したことは無いが。
「だがあの火力を下げるのはどうなんだ?」
「魔力が枯渇すれば穴になるのである」
……それはそうだ。まだ魔力枯渇していない今は十分な火力を出せている魔法兵連隊だが、枯渇すれば戦闘力は大幅に低下する。
もちろん、全く戦えなくなるわけじゃない。その点、サロモンは魔力枯渇になっても最低限戦えるように魔法兵に訓練を施している。だが、火力として横の部隊より見劣りするのは確実。そうなれば、敵も抵抗の少ない魔法兵連隊を狙い始める……ならいっそ早めに下げて予備に転じさせるっていうのは理にかなっている。
「その穴はどうする。砲兵連隊の足では無理だぞ」
魔法兵連隊の左隣は砲兵連隊。鈍足ながら、その圧倒的火力によって正面の敵を粉砕できている。右隣は弓兵連隊だが、ここに穴埋めさせ場合は弓兵連隊が横に広がり過ぎてしまう。
「入れ替えるのである。二個大隊もあれば足りるはずである」
……そうか、予備兵力を増やすのではなく、入れ替えろってことか。確かにレイジー・クロームと指揮する連隊を入れ替えたので、皇帝が指揮する連隊は銃兵連隊。それを予備として確保していた。魔法兵連隊をさげて、代わりに銃兵を前に出す……か。
「指揮官はどうする。卿が二個大隊の指揮をするか?」
問題は指揮官だ。別に俺が前に出たっていいが、それはリスクが高いだろう。その点、老ゼーフェは経歴に十分だが?
「吾輩はもう隠居していうのである」
……これだよ。そんなこと言ってる場合か? 頑固爺が。
戦闘が始まってから、老ゼーフェは想像以上にまともな提案をしてくる。危なくなりそうな部隊を先に見つけたりな。流石、かつて帝国の元帥や将軍を何度も任されただけはある。
性格が俺とは合わないってだけで、めんどくさいなコイツって思うだけで、軍人としてのアドバイスは本物だ。
「それに、吾輩は大隊も連隊も指揮訓練などしていないのである。むしろ適任はそこにいるのである……陛下が多忙な時に代理で指揮官役をやっておった者が」
皇帝軍では、当初重歩兵連隊が皇帝直下の連隊とされた。つまり指揮官は俺だ。だが俺は皇帝としての仕事も多く、その間別の者が皇帝代理として訓練で連隊や大隊の指揮を執っていた。
俺は老ゼーフェの視線の先にいる二人に目を向ける。
「ティモナ、バリー……それぞれ一個銃兵大隊を率い、魔法兵連隊と入れ替わってくれ」
「はっ」
すぐに返事をしたバルタザールに、俺は頷く。
「近衛も一個小隊つける。余の近衛長として、相応しい雄姿を見せてこい!」
「はっ! 必ずや。近衛第二小隊、出るぞ!」
そう言って飛び出していったバルタザール。次に俺は、改めてティモナを見る。
「余の代わりに指揮を執ってくれるか、ティモナ」
言外に、拒否するなら俺が出ると匂わせれば、ティモナは頷く。
「承知いたしました」
そう言って全く承知してない冷ややかな目で俺を見てくる。でも今回は睨むならこの爺さんだろ。
「ティモナにも近衛一個小隊を。ゼーフェ、代わりに伝令の取次ぎをやれ」
「構わないのである」
……隠居とか言ってないでそれくらいやれという意味での俺の強い口調に、その辺の変化とか全く気付いていなそうな老ゼーフェは軽く頷く。
……やっぱりコイツ苦手だ俺。
とはいえ、魔法兵連隊を下げるなら相手から一方的に魔法攻撃を受けかねない。
「……弓兵連隊の魔弓兵、魔力使用を解禁しろ」
ともかく、皇帝軍は上手いこと耐えるだけだ。




