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超コミュ障の僕はいつの間にかモテまくっていた  作者: 草ったミカン
第1章 一年一学期編
9/18

熱愛記事騒動 ③

このままだとまただいぶ遅くなりそうなので今回は二話連続で上げます。

「滋賀涼太君…君にはどうやら考えがあるようだねぇ…。」

 新藤はニヤリと笑う。

「涼太?あいつ急にどうしたの?」

 恵理は涼太を信用していなかった。

「…よく分からないけど行けそうだわ。」

 メアリーは自分がやったかのようなどや顔をした。

「さてぇ…どういうことか説明してもらおうかぁ…。」

「…。」

 涼太は黙りだす。

「…滋賀君…?」

 流石の新藤も困惑する。

「まさか…考えを話すほどの力が無いとか…そういうんじゃないだろうねぇ…。」

 新藤が言うと

「……!」

 汗がダラダラと出始めた。

「分かりやすいですねぇ…。」

「…ねーメアリー…よく分からないけど…なんだって?」

「これは無理ね。間違いなく。」

 恵理とメアリーは呆れかえってた。

「…ねー滋賀君。」

 麗華は滋賀の背中をポンと叩く。

「大丈夫だよ。滋賀君がああ言った瞬間ね、彼あんな余裕そうにしてるけど少し冷や汗出したんだ。多分、滋賀君の言ってることは合ってるんだと思う。」

 麗華は滋賀の耳元でボソボソ話し始めた。

「それにこの記事、メアリーさんを攻撃してるけど滋賀君にも飛び火かかってるの。だから滋賀君が解決する権利は絶対あるよ。」

 麗華は例の新聞を表に返して涼太に見せつけた。

「!…新藤さん…この記事を書いた人を教えてください…。」

 すると涼太はゆっくりとだが喋り始めた。

「おおっと…急に喋り始めたから驚いたよ…。」

 新藤が大袈裟に驚いた体制を取るが涼太は無言で訴える。

 新藤は話を逸らすのは無理と悟り本題に戻す。

「んー…教えないつもりでいるかなぁ…私としては彼女を出すわけにはいかないしね。」

「ん?てか張本人ってどういうこと?こいつ部長だしこいつが悪いんじゃないの?」

 恵理は涼太に聞く。

「…彼も大分悪いけど…あの記事を書いたのはこの人じゃないよ…。」

「えっと…どうして…?」

 恵理がそれを聞くと

「…あいつ自身がそう言ってるからね。」

 メアリーがそう答える。

「え、言ってたっけ?」

 恵理が分からないようだったのでメアリーは新聞をとって説明する。

「あいつの言う③が意味ない理由はなんだっけ?」

「えっと…あ!」

「そう。私を攻撃した人だけが得すると言っていたでしょ。それにさっきから彼はこの記事に対しては他人事だった。」

「えっと…つまり…。」

「彼は恐らく誰かが作った記事を面白がって出したってとこでしょうね。違う?」

 メアリーは新藤に問いかける。

「えぇ…そうですよぉ…。まぁその存在がいることに関しては別に隠すことでもないですけどねぇ…。」

 新藤は認める。

「…そしてその女子と話したい…それが一番の解決に繋がるから…。」

 涼太は話す。

「…ふふそういえば彼女って更ッと言いましたねぇ…よく覚えてましたねぇ…。」

 新藤は少し笑う。

「悪いですけど彼女の事は秘密にさせていただきます…私たちとしては本人出さないでの自然消滅を求めているのでねぇ…。」

 新藤は再びニヤリとしながら答える。

「あんたねー!?」

 恵理は怒ろうとするが

「…悪いですけど…それは無理ですよ…。」

 涼太は平然と答える。

「ほう…どうしてですかぁ…?」

 新藤は問う。

「…もし彼女の事を言わないのなら。」

 涼太は笑う。

「…先生に言いますから。」

 それを聞いた新藤は目を丸くする。

「…はは…ははははは!」

 そして新藤は腹を抱えて大笑いする。

「はー…そうですね。それなら言わなきゃ駄目ですね。」

 新藤はお腹を抑えながら答える。

「…あれ?なんか喋り方が普通…?」

 麗華が疑問に思うと

「別に普段からあんな話し方しませんよ。にしても滋賀君は面白いですね。」

 と爽やかに答える。

「そうなんですよ。所詮生徒の問題なんて先生に言われてしまえば終わりなんですよ。今回に関してはこっちが全面的に悪い上に新聞部の存在すら危うくなりますからね。なのにチクるのはダサいとかその後が怖いとかそういう理由で言わない人が多いんですよね。いやーやられた。」

 新藤は涼太をほめる。

「…ありがとうございます。」

 涼太はボソッと答える。

「いいよ。教える。」

 新藤は胸ポケットからメモ帳を取り出し書いて一枚破る。

「名前は瀬川 裕子。クラスは2-4。あ、そうだ。ついでに顔写真もあげよっと。これオマケね。」

 そう言って新藤は近くの机の引き出しから写真を取り出して涼太に渡す。

「にしても気になるな。何が君をここまで動かしたのか。」

 新藤は涼太に問いかける。

「…あの記事を見たら腹が立ったんですよ。」

 涼太は普通の声で話す。

 それは涼太にとっては大声だった。

「へー。メアリーさんと付き合うのが嫌なの?」

「え!?あんた私の事そこまで嫌ってるの!?」

 新藤は冗談を言うがメアリーはショックを受ける。

「そうじゃないですよ。こういう記事を面白おかしく書いてるのが腹立ったんですよ。」

 涼太は涼太にとっての大声を続ける。

「へー。意外と正義感あるんだね。」

「だって…メアリーさんは…。」

 涼太は頭に血が上っていた。

「宮野さんが好きなんだから。」

 こういう事を言ってしまうぐらいには。

「…は?」

 メアリーはそれ聞いて困惑する。

「なのに別の人とホテル行ったとかそういうのは酷いと思うんだ。」

「ウェイウェイウェイりょーた。」

 涼太は熱弁を続けようとするがメアリーは止める。

「私が麗華好きってどういうこと?どっから来たの?」

「え…違うの…?」

「当たり前でしょうが!?むしろ何で本気で驚いてんだよ!?」

 メアリーは思わず素が出るほど驚いた。

「えーと…メアリーの気持ちは嬉しいんだけど今私好きな人が…」

「知っとるわ!!てか何で女子にフラれないけないの!?」

 麗華に対しツッコむメアリー。

「あんたが男をフり続ける理由ってそんなんだったのね。」

「違うから!?てかあたしの話聞いて!?」

 恵理も悪ふざけに乗る。

「滋賀君。その話もう少し詳しく!」

「あんたもあんたでメモ取ろうとすんなぁ!!」

 新藤も乗る。

「あーもう!!とりあえず瀬川ってやつのとこ行くわよ!!」

 メアリーの叫びは外にまで響き渡った。




「にしても滋賀君か…ノータッチだったけど意外と面白い存在だったな。」

 窓際でコーヒーを飲みながら新藤は独り言を呟いた。

「俺が作ったギスギスした空気も全てぶち壊してくれたし。ふー俺は完全に負けたっぽいな。」

 新藤は言葉では悔しがるが、心から笑っていた。

「さて、こっから解決できるのか、見物だね。」


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