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超コミュ障の僕はいつの間にかモテまくっていた  作者: 草ったミカン
第1章 一年一学期編
7/18

熱愛記事騒動 ①

お待たせしました。久しぶりの本編投稿です。

  テストが終わって二日後の金曜日。

 涼太はいつも通り登校していた。

 いつも通りの通学路、いつも通りの時間、だが一つだけ違和感があった。

(なんか…今日は僕の周りが騒がしいな…?)

 涼太の周りを人が囲みボソボソと隣の人と話していた。

「おい本当にあいつがメアリーと?」

「マジでか…何か意外だな。」

 この会話だけ涼太は聞き取った。

(メアリーさん?何か関係あるのか?)

 涼太はこれまでの行動を振り返ってみた。

(可能性があるとしたら…図書室での一件かな?といってもあれはよく意味が分からなかったんだけど。)

 涼太は推理したが、結局分からず仕舞いでモヤモヤした状態のまま教室にたどり着いた。

 だが、ドアに手をかけた瞬間、メアリーの大声が聞こえ全てが分かった。

「ちょっと!?私と涼太が付き合ってるってどういうことよ!?」




『アイドルとゴースト!意外な関係!?』

 そんなタイトルの見出しが学校新聞のトップ記事となっていた。

(えーと、図書室の件に+αで付け加えられている様だ。なるほど、僕らは今ラブラブということか。)

 涼太はやっと分かったとスッキリした。

「よーゴースト…お前メアリーと付き合ってるんだってな…?」

 だがその男子の声に涼太はびくっとなった。

(やべー…てことは学校のアイドルに手を出したことになるのか…?僕はどうなるんだ…?)

 涼太は最悪いじめを受けることも覚悟した。

「本当なんだな…?」

 涼太は汗ダラダラで唾を飲み込んだ。

「スゲーじゃん!お前!」

 だが反応は想像と違うものだった。

「いやーメアリー落とす奴が出ただけでも驚きなのにな。」

「それがゴーストって!意外過ぎるわ!」

「くっそー!俺が落とすつもりだったんだけどな!」

 男子達が涼太を囲んでそんな話をしていた。

 あまりに予想外でポカーンとした。

「どうやって落としたんだよ!教えろ!」

「まーお前じゃ教えてもらっても無理なんだろうけどな。」

「んだと!?」

 そう言って男子達は笑いあう。

(結構いいクラスなんだな…。)

 涼太は感動で少しほろりと涙がこぼれた。

「って付き合ってねーわ!?」

 メアリーが思わずツッコむ。

 涼太もそこでハッとなる。

(いけね雰囲気に流されてた…。)

 涼太はそうだよという意味を込めて首を縦に振った。

「てかあんたら何で平常心なの!?私と涼太よ!?」

 メアリーは男子達に聞く。

「いやだってねー。」

「メアリーって結構変な人だし。」

「ワンちゃんあるかなと?」

 男子達は平然と答える。

 実はメアリーの普段が素ではないことは結構知っている人は多かった。

「そんなわけないでしょ!てかあんたら冗談でも信じるのは止めなさい!」

 そう言ってメアリーは後ろに指を指す。

「見なさい!麗華は放心状態に!恵理はぶつぶつと何かを唱えてるじゃない!」

 指の先にはポカーンと口を開き消しゴムで机をごしごししている麗華と、どういうことだ…ありえない…とぶつぶつ呟く恵理の姿があった。

「あはは!あの二人がか。いやマジで意外だな…!?」

「嘘だろ!?…まあそういうことなら止めとくか。」

 と男子達は驚きながら記事を信じるフリは止めた。

「まーこんな記事を本気で信じる奴は少ないだろ。信じたとしてそれが長続きするとも思えんしな。」

「そうだな。唯一危ない貴田も今休んでるしな。」

 男子達はそういって解散した。

「お前ら、そろそろHRを始めるぞ。」

 担任がそう言って教室に入ってくる。

 こうしてメアリーと涼太熱愛事件は幕を閉じた。


「…なんて、こんなんで終わらせるわけないでしょ。」

 そう思われた。

「スクープは第二段階行くわ。」

 



 土日挟んで月曜日。

 学校はザワザワしていた。

「これは…流石に酷いな…。」

 新たに発行された学校新聞の見出しが酷いものだった。

『メアリーとゴースト!まさかのホテル行き!?』

 というタイトルにメアリーと涼太がホテルへ入っている写真が張ってあった。

 その写真は別のホテルへ入ってく男女の上に切り取ったメアリーと涼太を張っただけのコラ画像である。

 素人目から見てもコラ画像なのは見え見えだった。

「やっぱりな。見ろよこの画像。」

 一人の男子がスマホで画像を見せた。

 『ホテル 男女』で画像検索し上の方に出ていた画像だった。

「あー…これをコラ画像にしていた感じね…。」

 クラス中の、学校中の人がドン引きしていた。

(バレバレのコラ画像、バレバレの記事、酷い内容…間違いない、これは悪意によるものだ。)

 涼太は不思議なことに怒りが沸いていた。

「…ふざけるな!」

 恵理が立ち上がる。

「こんなのが許されるはずが無いよ!新聞部に抗議しに行ってくる!」

 恵理は早歩きで廊下に出た。

「待って恵理ちゃん!もうすぐHR始まるから席につこ!」

 麗華が腕を掴んで止める。

「止めないでよ!こんなの許されるはずが無いよ!メアリーだって元気無くなってるんだよ!」

 恵理はメアリーの方を見る。

 メアリーは新聞を何度も何度も見ていた。

 生まれつき人気者のメアリーにとってこのようなことは初めてだった。

 なのでショックは人一倍大きかった。

「私はこの最悪の記事も友達がショック失ってるのも許せない!だから行かせて!」

 麗華はそれを聞いて、スッと腕を離す。

 そして恵理は後ろを振り向き向かおうとする。

 だがまた恵理の腕がガシッと捕まれる。

「麗華!?また…え!?」

 ただし掴んだのは

「…涼太?」

 涼太だった。

「…れ、冷静になって…今行っても誰も…」

 涼太はボソボソと話した。

「誰も…あ!そっか。」

 恵理はその言葉に納得した。

 HR前に新聞部に行っても誰もいないことを。

「でもじゃあこの怒りはどうすればいいのさ!?」

 まだ冷静になりきれない恵理が涼太に当たる。

「…放課後…行こう。」

「!?」

 恵理は驚いた。

 涼太が普通に喋ったことに。

 それと同時に涼太の握力が強くなったことを。

「…そっか。あんたも許せないんだね。」

 恵理はそう言って教室に戻る。

 が、ドアを開ける前に一度立ち止まり

「麗華!涼太!放課後一緒に行こうな!」

 と言った。 

 麗華と涼太はコクリと頷く。

「ありがと。」

 恵理はボソッと一言そう言って教室に入ってった。

「…HR始めたいんだけど…青春だなぁ…。」

 陰に隠れてた先生がそう言ったのが聞こえた涼太は急いで席に戻った。

(…涼太の奴があんなになってるなんて…フフ、落ち込むのはもうやめにしなきゃ)

 メアリーは密かに笑った。




「…さてメアリー。あんたも本当に行くの?」

 恵理は新聞部部室の前でメアリーに尋ねる。

「…えぇ。私は新聞部の皆と友達なの。中にはユダがいるようだけどね。」

 メアリーはふふんとどや顔する。

「第一張本人がいないと始まらないでしょ!」

「ま、それもそうか!んじゃ行きますか!」

 恵理は新聞部のドアを開いた。


 前回宮野さんと霧島さんの名字がごっちゃになっていましたので直しておきました。

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