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超コミュ障の僕はいつの間にかモテまくっていた  作者: 草ったミカン
第0章 プロローグ
4/18

メアリー・スーン 中編

 電柱の影でメアリーは悶えていた。

(っつ…なんなのよあいつら…)

 その視線の先には涼太達がいた。

(かれこれ30分はもう追っているわ…なのになんで…一言も喋らないのよ!)

 メアリーはそのもどかしさに怒りも感じていた。

 

(結局何も分からずじまい…)

 メアリーはあの後何もせずに帰った。

(本当どうなってんの!?滋賀に友達…)

 メアリーは麗華の様子を思い出した。

(いや…あれはそういう雰囲気じゃなかったわね…となると問題は…)

 メアリーはメモ帳を取り出す。

(私が滋賀を省いている糞女にいつでもなりえること…!)

 メアリーは自分の似顔絵と滋賀の似顔絵を描く。

(私が彼をほっといた理由は彼がゴーストだから…ほっといても問題ない生物だから…)

 滋賀を黒く塗る。

(だが、もし麗華が彼をlove…好きな場合…あいつは間違いなく滋賀に話しかけまくる。)

 滋賀の隣に麗華の似顔絵を追加する。

(麗華は私と同じく人気…中心グループの一人…これがきっかけで何が起きるか分からない…)

 滋賀の周りに色んな似顔絵も追加する。

(もしこうなった時…ハブってる私はどうなる…?色んな人と友達になっといてこいつだけハブっている私は…?)

 滋賀の黒い部分が手の形となってメアリーに襲い掛かってきた。

「早く何とかしなければ!」

 メアリーはガタッと立ち上がり決意を固めた。


 

(さて…プランAをとりあえず決行しますか…。)

 メアリーは登校しながら作戦を整理していた。

(プランA シャッター大作戦!)

 シャッター大作戦とは

1.涼太には麗華以外近づかせない

2.麗華の恋を冷めさせる

3.麗華は涼太に近づかなくなる

4.ゴースト状態存続

 という別に特別要素はないシンプルな作戦だ。

(つまり彼がゴーストのままなら今まで通りでいいし楽なのよね。さー麗華にはいい男紹介してやろ。)

 とメアリーはウキウキで歩いていた。

(ん?)

 目の前にメアリーの悩みの種、滋賀 涼太がいた。

(滋賀…悪いがあんたのモテ期終わらせるわ…)

 メアリーはニヤッと笑った。

「よ、ゴースト!」

 だがその声が聞こえ笑みがなくなる。

(…れ、霊感強い人が霊と話しているんだろうな…。)

 メアリーは思わず現実逃避する。だが

「ありがとねこの前は!」

 と言って女子が涼太の肩を組んだ。

「これあんときのタオル…」

 女子はそのまま話し出す。

(は!?)

 メアリーは途中から聞いていなかったが。

 勿論目の前の女子は麗華ではない。

 よってシャッター大作戦は1から終わったのであった。

(嘘でしょ…しかも霧島 恵理じゃない…)

 恵理はその可愛さから男子にもモテていてメアリーもその事実を知っていた。

(宮野麗華に霧島恵理…あいつのモテ期めちゃくちゃレベル高いじゃない…。)

 メアリーは少し絶望していた。

 簡単だと思っていた敵が思ったより強敵だったことに気づいたからだ。

「てことでじゃーね!」

 恵理はそのままどっかへ行った。

(…いいでしょ…滋賀 涼太…色々考えていた作戦を全て破棄…というより考えていなかったのだけど。)

 メアリーは拳をぐっと握る。

(あんたと友達になるわ!正々堂々真っ向勝負!)

 



 火曜日。午前の授業のチャイムが鳴る時、メアリーは作戦に決行する。

(まずは一緒に食事をとる…これが意外と重要なのよね…)

 メアリーは弁当を持って後ろのほうにある涼太の席へ向かおうとする。だが

(さて…!?…いない…だと…)

 その時にはすでに涼太は涼太の席にいなかった。

(そんな…私はただカバンから弁当を取り出しだけ…。そんなに時間は…。!?)

 メアリーは目に入った。同じく弁当を持って涼太の席を見るもののガッカリする麗華の姿を。

(そういえば…志賀君クラスに授業中以外いないしって麗華言ってたような…まさか本当だったの!?)

 メアリーはがっくりとした。

 それから涼太を探そうとしたが友達に誘われため、行けなかった。



 水曜日、メアリーは今度こそ、食事を一緒に取ろうと思った。

(今度は目を離さない…絶対に…!)

 メアリーは今度は準備万端で挑んでいた。

 まず弁当は、机の中にしまい、いつでも出せるようにした。

 そして手鏡で後ろの滋賀の様子を常にチェック。

 これなら大丈夫、そう思った。

「じゃあ今日の授業はここまでだ。中間も近づいてきたから復習しとけよ。」

 先生がそう言い、チャイムが鳴り響く。

 号令もちゃんと行い鏡を見る。

(さー今度こそ)

 だがその時外からの光が丁度鏡に反射する。

「キャッ!」

 メアリーはまぶしくて思わず目をつぶってしまう。

「ハッ!いけない!」

 油断してしまった。そう反省しバッと後ろを向く。

 だがそこに涼太の姿はなかった。

(嘘でしょ…神が私よりあいつを味方しているとでも言うの!?)

 そう思うような奇跡に悔しさを感じずにはいられなかった。



 木曜日。メアリーは友達の話を聞いていた。

「…えっと?どういうこと?」

 メアリーはその話の意味が分からず困惑していた。

「だからね…まず私はメアリーに頼まれた通りにゴーストを見張っていたの…。」

 メアリーはうんと相槌を打つ。

「そして授業が終わった後、隣に座るゴーストに話しかけようと横を向いたの。」

 メアリーの友人は唾をゴクッと飲む。

「…そこに彼の姿は無かった。」

「いやごめん待って。」

 メアリーはそこで話を区切る。

「つまり…隣にいる人が、横向いてる一瞬のスキをついて消えたってこと…?」

「そういうことよ。」

「いやいや、それもう忍者か何かじゃないの!?ありえないって!?」

 メアリーは思わず驚愕を超えて尊敬しはじめていた。

「てかメアリーどうしたの?いつになくそんな熱くなって…?」

「え…?あ、あははは、私ったらどうしたんだろー?あははは。」

 メアリーは熱くなりすぎて、演技を忘れていた。

(本当に…どうしたんだろ…あんなに大切にしていたことを忘れるなんて。)

 メアリーは自分の心境の変化に戸惑いを感じていた。

(にしても…こうなったらあの手しかない…。)




 金曜日。メアリーは最終手段に出ていた。

 メアリーはクラスのグループラインを開く。

『皆、そろそろ準備いい?』

『OKよ!』

『本当に消えるってなら捕まえてやりたいぜ』

『面白そう!ゴースト捕獲』

 それはクラスの全員で見張ることだった。

 流石に全員でかかれば、どんなに消えても一人は見つけられるはず。

 そう考えたメアリーは昨日の友人とゴースト捕獲を依頼した。

(さー…今日こそ終わりよ…。)

 メアリーは少し目的を忘れていた。

 ちなみに麗華も自分のために参加していた。

「では今日の授業はここまでです。ありがとうございました。」

(来た!)

 メアリーはグッと拳を握りしめる。

 やっと彼に勝てるんだと心から喜んでいた。

「てめぇふざけんじゃねーよ!」

 だが突然廊下からそんな怒声が飛んできた。

 その後、窓が割れたようなガシャーンという音も聞こえた。

 更には悲鳴も響き渡り、教室中の皆が声の方向を見た。

「なんの騒ぎですか!」

 さっきまで授業していた先生も急いで教室を飛び出す。

「あれ、稲木の声だったよな?」「なんだなんだ?」「怖い…。」

 そんな声が教室中に飛び交う。

(喧嘩かしら?本当に男子って元気ね…。)

 メアリーは鼻で笑う。

「あ!」

 一人の男子が指をさして大声を上げる。

「ゴーストがいねぇ!?」

 その指先には、既にだれもいない涼太の席があった。

「え、ええええええええ!?」

 クラスの皆が思わず大袈裟に驚く。

「嘘だろ!?」「この騒ぎのうちに!?」「本当に誰一人見てないの?」

 次は別の理由でクラスに声が飛び交う。

(…滋賀涼太…本当にあなたは神が味方についているとでもいうの…。)

 メアリーは胸を押さえた。

 張り裂けそうなぐらいの大きな心音を感じ取っていた。

(なんで…悔しいのに…むかつくのに…こんなに楽しいの!)

まだ、終わらない…長く作りすぎた…。

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