第2章 15話
数時間後、弥生のまぶたが動いたのをめぐみが気付いて「織田さん、弥生ちゃんが目を覚まそうだからお医者さん呼んできて」と言い海翔はナースステーションの方へ向かった。しばらくすると、お医者さんが来て弥生の事を診て、弥生の足とか触ったが全く感覚が無かった。弥生に「足を動かしてください」と言われ、弥生は足を動かそうとするが、足の上に荷物が載せられている感じで重たくて動かない。いくら弥生が力を入れても「おかしいな、足が全く動かないよ」と一生懸命動かそうとしていた。それを診たお医者さんが「下半身に障害が残っていますね。車椅子生活になると思いますので覚悟しといてください」と言い弥生は急に涙を溢れてきた。めぐみと海翔と彩月は黙って弥生を見るしか無かった。
彩月がこんな時昴が居てくれたら弥生になんて声をかけるだろうと思った。彩月は昴を呼ぼうと思ったが、昴は弥生の手術の間私達は交代で休んでいたが、昴は手術室の前でずっと詰めていたから昴も休ませなあかんと思いあえて昴を呼ばないでいようと思った。
弥生が病室を見回して昴が居ない事に気付き「昴はどこに居るの?」と彩月達に聞いた。その直後、弥生の声が聞こえたかように昴がふらふらしながら病室に入った。病室に入るとバランスを崩しそうになってこけかけたが、海翔がとっさに支えて「大丈夫?」と聞いた。「大丈夫、大丈夫」と言いながらも体はふらふらでめぐみがとっさに「岡さん、どうぞ」と言い椅子から立ち上がって昴に譲って「ありがとうございます」と言い椅子に座った。昴とめぐみの関係を知っている彩月は、めぐみのとっさの昴に対する言葉遣いを黙って見ていた。
「弥生、本当に生きていて良かった」と昴は安心した表情で言うと、弥生は「ありがとう」と言うが、なんだかしっくりとしていなかった。昴は周りを見ると海翔も彩月も暗い顔していたから昴が「みんなどうしたの? 弥生の意識が戻ってるのに何でくらい顔しているの?」と聞いても誰も答えようとはしなかった。
「黙ってないで答えてよ」と何回も言いながら海翔と彩月に当たるように睨んだ。「昴、落ち着いて」と昴をなだめた。
「弥生」と言い弥生の方を向くと弥生が泣き出しそうだった。「どうしたの?弥生。僕なんか悪い事言った」と慌てて聞いた。「何でも無いよ」と言い弥生はもう歩けない事を言おうと思ってもなかなか言い出せなかった。弥生は黙っていたら何も伝わらないし、今までだって昴に対して思い切りぶつかっていたから今回も昴に受け入れられると思い「実は、もう私歩けないだよ」
「弥生、嘘言わないでよ」と弥生の言葉が信じられなかった。「本当だよ。足ほとんど感覚が無い」と真剣な表情で言うと現実を受け入れなかった。急に椅子から立ち上がり逃げるように病室を出てしまった。三人は追いかける事は出来なくて、弥生も心配した表情をして、天井を見ながら昴大丈夫かなと思うのであった。




