回想
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昴と付き合い始めてのある日、弥生はめぐみの所に髪を切りに来ていたら、弥生のスマホがミックス92の「嬉しい夢を……」の着信メロディーがなった。
「ごめん、めぐみちゃんスマホを取ってくれる?」と頼んだら「良いよ」と弥生のスマホを取って弥生に渡した。弥生はメールの相手が分かっているような表情でメールを見てすぐ返信を返そうとメールを打ち始めた。
めぐみはメールの差出人が岡昴と見えてしまったから、まさかあの昴君なのかなと思ったが、確か昴君は京丹後に居て弥生はずっと京都に居るって言っていたからあの昴君に会う事は無いと思いたかった。だけれど、めぐみはどうしても気になって聞かなくて良いのについ気になって「岡昴って書いてあって今のメールは彼氏?」と明るく聞いてしまった。
弥生は顔を赤くなりつつも「そうだよ。彼氏からだよ。中学校からの付き合いだけど、高校から別々になってなかなか会えなかったが、やっと四年前にあるきっかけで少しずつお互いの気持ちに気付いて恋人になれた」と笑顔で答えた。
めぐみは「そうなんだ。良かったね」と言いつつ、まだあの昴君と確信を持てなかった。弥生に昴君の事が忘れられないと口が裂けても言えないなと思いつつ、あの昴君、違ったらいいのになと思いながら聞かなくても良いのに友達だから気になってつい突っ込んで「どんな彼氏なの?」聞いてしまった。
弥生は照れて「頼りないが信念があって、自分の事よりも人の事で気にしている人だよ。私が支えないと」と顔が赤くなりながら恥ずかしそうに答えた。
それを聞いためぐみは、あの事故の時も私の事を一番に考えて言ってくれた事を思い出し、それであの昴君だと確信を持って、弥生に昴君を取られたと嫉妬を覚えたが、もう昴君には会えないと思い表情には出さずに心の中に無理矢理しまい込んだ。
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