第2章 7話
彩月の電話が鳴り、ディスプレイを見たら弥生だった。弥生は昴に気を遣い「ちょっと親からの電話だから席を外すね」と言い席を立った。席を立った本当の理由はピアノのBGMが流れているバーだったから昴の居場所を気付かせたくないと気遣いでバーの外に出た。バーから出てピアノのBGMが聞こえなくなったところで「もしもし、彩月だけど」と言って電話を出た。
「昴、見つけられた? 心配して彩月に電話しちゃった」と心配そうな声で言ってきたから、「昴、なかなか落ち着かなくてやっと二人がかりで落ち着かせたところ」と弥生に言ったら、弥生が「二人がかり?」と不思議そうに聞き返してきた。「私が行く前にもう榊部長さんが来てて、昴と話していた」と言ったら「良かった。安心した」と自分の事よりも昴の事を心配していた。
「昴の事よりも自分の事心配したら」と彩月が弥生の事を心配して言ったら、「そうだけど、やっぱり昴の事が好きだから」と答えたから、彩月はもうやれやれと表情をしていた。
弥生はやはり星口さんの事が気になり彩月に「やっぱり昴と星口さんと本当に何があったの? 彩月、友達だから教えてよ」と聞いてきたが、彩月はこれは弥生と昴自身で解決しないと気まずくなると思ったから、心の中で弥生にごめんと言いながら「今回ばかりは、私からは何も言えない」と弥生に言った。
弥生はさすがに声を荒げて「何でよ。友達だったら教えてよ」と言ってきたから、弥生の心の中も乱れているなと彩月は感じていた。余計に言えないと思って、二人の幸せになってほしいと思ったから、弥生に嫌われても良いと思って「さすがに友達だからこそ言えない。直接昴から聞いて。逆に弥生が幸せ者で羨ましいよ。こんなに想ってくれる人はなかなか居ないよ」と弥生の心をフォローしつつはっきりと言った。
「ありがとう。彩月」と涙が出そうな声で言ってきたから、やはり昴と弥生は似た者同士だから、昴と弥生は結婚しないのかなと思って、弥生に「弥生、昴と結婚とかの話あるの?」と冗談っぽく聞いた。
「さっき同じ事、海翔にも聞かれたよ。私はそろそろ考えているだけど昴と一緒に居ると素直になれないと言うか言えない。多分昴からは言ってこないと思う。昴にはそういう度胸が無いから」
弥生が話していて、それを聞いていた彩月はやはり二人は結ばれるべきと思って「今は無理と思うけど、これが落ち着いたら話してみれば」
「そうだな。言ってみようかな」と言いつつも、昴に今すぐ会いたいと想ったから「昴は今どこなの? 教えてよ」と彩月に聞いた。
彩月は弥生の真剣な声に負けて、「私達が泊まっているホテルの一階にあるバーに居るよ」とつい昴の居場所を言ってしまった。それを聞いて「分かった。今から向かうね」と言って電話を切った。




