第1章 最終話
一日目に泊まるホテルに着いて、めぐみは部屋であの頃の昴君がなんか物静かになって、弥生が引っ張っている感じがして昴君の印象が変わったなと思った。弥生には敵わないなとベッドに横になった。
ベッドに横になっていると電話がかかってきた。スマホの画面を見たら弥生からだった。何だろうと思って電話に出てみると弥生が「私達これから箱根湯本駅の近くの焼き肉屋で焼き肉パーティーをするから、もし良かったらめぐみちゃん一緒に食べようよ」と夕食の誘いだった。
めぐみは昴と一緒に食べられるチャンスと思ったが、昴以外の弥生の友達の事が気になり、私が居る事が迷惑にならないかな思い、弥生に「弥生ちゃん、一緒にご飯食べても良いの? 弥生ちゃんの友達に迷惑にならないかな?」と確認をした。
「そんなこと。彩月と海翔は『たくさんで食べると美味しいから』と了承してくれたけど」と弥生は一呼吸し、「昴が珍しくめぐみちゃんと一緒に食べるの嫌だって言っている」と困っている声で言った。めぐみは昴君だけが嫌がっている事を聞き、もしかして私との関係が弥生にばれるのが怖くて嫌がっているとしたら、余計に行きたくなったから、バスの様子を見ていると弥生に弱いのかなと感じてたので、それを利用して弥生に「弥生ちゃんの彼氏昴さんを説得してくれるのだったら是非」と弥生に頼んだ。
「分かった。私の頼みだったら多分折れてくれると思うから、昴の事は私に任せて」と弥生の答えに昴君と一緒に食べられると嬉しい気持ちと昴君を私に気を向けさせようと含み笑みしながら「楽しみにしているね」と嬉しそうに言い電話を切った。
弥生はめぐみと電話の後すぐに昴の部屋の所へ行った。弥生が部屋のチャイムを鳴らすと「誰」と昴は少し機嫌悪そうな声で言ってきた。
「弥生だよ。ドア開けて」と言い、昴はドアを開けていつもの明るい昴では無くて少し表情が引きつっていたから、弥生は「休んでいたとこごめんね」と謝った。用は多分めぐみちゃんと一緒にご飯を食べてと頼みに来たの分かっているが、昴は意地でも弥生にめぐみとの関係をばれたく無いと思ったから、「弥生ちゃん、用は何? さっきの話だったら僕は行かないよ」と答えを返した。
「昴君が好きな焼き肉にしようと思っているのに何でなん? 彩月と海翔はすぐに承諾してくれたのに。もしかして、本当にめぐみちゃんとなんかあったの?」と言ってきた。昴はすぐに答えられなかった。少し間が開き、これ以上弥生に感づかれたく無かったから、仕方なく「星口さんと何も無いよ。分かったよ。星口さんと一緒に食べよう」と渋々と答えた。
「昴君の事を信じるね。めぐみちゃんが昴君とゆっくり喋りたそうだったからめぐみちゃん喜ぶと思うよ。後で迎えに来るね」と言って昴の部屋のドアを閉めた。
そのままドアに背もたれし深い溜め息をし昴がめぐみちゃんについてこんなに苛ついている事は、めぐみちゃんと何かあったしか考えられない。昴の事を信じなっきゃいけないのに何だか不安になってしまうよ。
いつも私の事を信じてくれていた昴に申し訳ない。今度は私が昴の事を信じないといけないのにと、自分自身に言い聞かして昴の部屋を後にし、自分の部屋へ戻った。
次回から第2章に入ります




