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レイシーのぼうけん  作者: 偶像兎
第三章 少女と魔法のがっこう
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新たなる出会いってコト? Ⅴ

あけましておめでとうございます。本年は無理なく更新を続けていきたいと考えています。よろしくおねがいいたします。

「ヴァレリオン家……って、地方領主だよね。どうして……」


「あ~ら! あなたがルーランド執政官のご子息様ね! 噂に違わぬ凜々しさだわ!」


「姉さん、言葉遣いが失礼だよ! それはともかく、私達の力がご必要ならいつでも仰ってくださいな。これでも王都には顔が利く方でございますのよ」


「何を、あなたこそ妹のくせに姉の私に敬語を使いなさいよ! コルベスのやつ、何が王都に王子の連中を入れないだよ。あっさり入れてしまって! それに引き換え、この屋敷は丈夫そうで良いわ!」


「いくら姉さんだからって人前でそんなことを! だいいち、コルベスと手を結んだのは姉さんのアイデアでしょう!」


「何を! あんたこそコルベスがやられた時は怖がって、私から離れなかったくせに!」


「そもそもここに頼ろうと考えたのはあたしのアイデアでしょ! 姉さんはそれに乗っかっているだけのくせに!」


「言いたい放題言って! あんたなんてコルベスといっしょに裁かれればよかったのよ!」


「むきーっ、いくら姉さんだからってもう許さないわ!」


「どうかね、僕の人脈は?」


「どうって……うるささ8倍増しってカンジ」


 ゴウラの説明に寄れば、二人ともそれなりの貴族らしいがあまりに品性がない。金髪の女は微妙な劇を見せられているときのような、複雑そうな表情を浮かべていた。


「……で、これでどうやってトウタを倒すの? ぶっちゃけ、ちょっと難しいと思うけど」


「聞いて驚け、この方々は今度王立魔法学院に編入するのだ。クラスは3だ」


「え? この人たち、そんなに魔法うまいの? ゴーちゃんはクラス5だし下だけど、普通はクラス3ってまあまあだけど……」


「そんなわけないだろう。コネというやつだ。職員にも顔が利くのだよ」


「……それでいいのかなあ、この学校」


「何事も一枚岩では無いという事だな。お前もボクの伴侶を目指しているのなら覚えておけ。それよりも、次の作戦だ! ボクは今度、あのにっくきトウタに決闘を申し込む」


「え!? 唐突すぎるよ……! それに決闘だなんて! 怪我だってまだ治ってないのに、もう危ないことは……」


「大丈夫だ。これは野蛮な喧嘩ではなく決闘だ。つまり、こちらからルールを指定できると言うことだ!」


「この前道ばたでその喧嘩をしてたの、ゴーちゃんじゃん……で、どういうルールなの?」


 彼女は知っている。こうなってしまったゴウラは止められない。せいぜいやりたいようにやらせて、満足させるしかないのだと。


 二人が話している間も、女二人のやかましさが途絶えることはなかった。




 レイシーは食堂に来ていた。

 隣にはトウタとレトリー。別々の授業を受けていても、三人で合流して昼食をとるのにも慣れてきたところだ。


「レイシーちゃんとトウタくんは、昼からは魔法実践の授業があるんだよね。どんなことやってるの?」


「ああ。俺の場合は各属性魔法を使う先生がいつも4人くらいで見てくれるんだが……先生同士で喧嘩をすることも多くて、授業が止まることも多いよ。ちゃんと授業が進んでいれば、いろんな使い方や応用を聞けてためにはなるんだけどな。レイシーは?」


「わたしは……なんていうか、格闘技、かな。トルーデ先生と一対一」


「あの先生と一対一なんだ……厳しそうだね、お疲れさま。本当に疲れてたら、無理しなくて良いからね!」


「ありがとうレトリー。本当に駄目そうだったら、夕食とかレトリーにお願いしようかな……そうそう、レトリーの方はどんなことやってるの?」


「俺も気になるな。何せ、二人ともクラス0だからな」


「ええーと、私達はねえ。理論で学んだことを活かして、実際に魔法を発現させる練習をしてるよ。私はまだトウタみたいに炎は出せないけど、この前ちょっとだけ石を温められたんだ」


「ほんと!? レトリー、すごい!」


「ありがとう、レイシーちゃん。……私、強くなるね。今度は私がみんなを守れるように」

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