ある王女の物語
ある所にとても嫉妬深い王妃様がおりました。
彼女は王様との間に子供ができませんでした。
見かねた臣下が、ある少女を王様に紹介しました。
王様と少女は恋に落ちました。
しばらくして、少女は王様の子供を孕りました。
その出来事をきっかけに、とうとう、王妃様の嫉妬心が爆発してしまいます。
王妃様は少女に幾度も暗殺者を贈りました。しかし、どれも失敗に終わります。
王様がこうなる事を予想して、少女に護衛を付けていたからです。
少女は元気な双子の兄妹を産みました。
兄妹は王様譲りの美しい緑髪と少女譲りの緑眼を持っていました。
王子と王女はすくすくと成長し、あっと言う間に九年の歳月が過ぎました。
双子が十歳の誕生日を迎える、その前日。
少女が、死んでしまいました。
王妃様が少女の食事に毒を盛ったのです。しかし、これは推測に過ぎず、王妃様がやったという証拠は何処にもありませんでした。
その数ヶ月後。
今度は、双子の食事に毒が入っていました。毒味役が先に飲んでいた為、双子は無事でした。
王様は双子に多くの護衛を付けました。
にも関わらず、最悪の事態が起こってしまいます。
兄が妹を守り、暗殺者の毒矢を身に受けてしまったのです。
とうとう決定的な証拠が見つかりました。双子の暗殺を依頼する文書が見つかったのです。
王妃様は病気の為として、離宮に閉じ込められました。
生き残った双子の妹が次期王太子候補筆頭となりました。しかし、側室の子である彼女には決定的な後ろ盾がいません。
彼女は無事に王太子となり、王座に座ることができるのか。女王となれるのか。