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身勝手な願いの結末は、幸せか不幸か  作者: 氷雫月
第一章 それぞれの"物語"
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ある冒険者の物語

ある冬の日。

冒険者キルド本部の正面玄関を黒いローブ姿の者が潜りました。

フードを被った者は、冒険者登録がしたい。そう言いました。

声からして、男の人であると分かります。

彼には、左腕がありませんでした。

そんな異質な彼に、大柄な男が言いました。

此処は遊び場じゃねえ、と。

彼は男を無視しました。

それにキレた男は、彼に掴みかかろうとしました。

そう。掴みかかろうとしましたが、ヒラリとかわされてしまいました。それには周囲も笑いを漏らしました。男の方は赤っ恥です。

顔を赤くした男は、腰に挿していた大振りな剣を抜きました。そして、彼に向かって勢いよく、振り下ろしました。

そこからは、目で認識できた者は僅かでしょう。

男の剣は床に落ちました。剣を振り下ろした体制のまま、男は動きません。

数秒後、男の身体はズレていきました。

ゆっくりと、頭から首、胸から腰、股間から尻と赤く滲んでいきました。それは、切り口の跡。

男は、残酷なほどに美しく、両断されました。

よく見れば、彼の腰に鞘が挿してあります。

彼の右手には両刃の剣が握られています。彼は血ぶりするように剣を薙くと鞘に戻しました。

そして、男の死体を見て何を思ったのか。右の掌を男に向け、言いました。

------------燃えろ、と。



これが、後にSランク冒険者となる彼の最初の目撃例となりました。




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