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それから間もなく
僕はサッカー部に入部をした。
うちの高校は公立校にしては
強く県大会でベスト8もしばしば。
入部早々レギュラー陣と練習になり
注目はされていた。
「はい!スポドリ!!沢山汗かいたね!」
マネージャーの仕事をテキパキとこなす
優海に渡されたスポドリを飲む。
げ…濃すぎる…。
「お…美味しいよ!ありがとう!」
そう告げ更に汗を流す。
汗がスポドリになりそうな位の濃さだった。
そんな毎日がひと月ふた月過ぎた頃
僕はレギュラーになった。
夏の公式戦が近くなり
練習試合も頻繁に行うようになり
無理をするようになっていた。
いつも通りの優海との帰り道。
「左足大丈夫?怪我してるんでしょー」
隠していたはずの怪我に気付く彼女。
「全然大したことないよ!
それに怪我くらいで
弱音吐けないからさ!
先輩達の分も僕がやらなきゃ。」
優海は少し困り顔だったが、
すぐさまにこやかになると
「じゃあさー、私に任せて!」
そう言い早足で帰路に着く。
家に帰宅してから、
お風呂に入り、夕飯を食べて
宿題を終わらす。
二十二時を過ぎた頃に
メールをしてみた。優海は寝ていると思ったが
なんとなく、
「いつもありがとう!
優海の笑顔見ると毎日楽しいよ!」
そう綴ったメール。特に深い意味はない。
ただそう思ったから送らずにはいられなかった。
すぐさま返信音がなり
「何言ってるのー。そらくんが頑張ってる姿を
見ると応援したくなるだけだよ〜」
僕は少しだけ嬉しくなり、
眠りについていた。