ある部屋に置かれた時計
チクタク……。チクタク……。
時を刻んでいる。悠久の時の中で私はずっとこの部屋にいた。
ある者は泣きわめき、またある者は許しを請い、天井を仰ぐ。
壁面には様々な処刑器具が立ち並ぶこの部屋は、領主が戯れに設置したものだ。
チクタク……。チクタク……。
時に、女を、時に農夫を、時に少女を……。年端もいかない少年もいた。異端だとされた者はひとりの例外もなく処刑された。
チクタク……。チクタク……。
私は全てを見てきた。人が人を殺すさまを。
やがて領主が亡くなり、この部屋は閉鎖された。
私も深い眠りに着いた。
願わくば、誰もこの部屋を誰も見つけぬよう願い、私は沈黙した。
チクタク……。チクタク……。