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光 第四話 魔法大国へ

はじめましての方は初めまして、そうでない方は、お久しぶりです

初の合作なのであれかもしれませんがよんでやってください


前回のあらすじ

トラウムがトーナメントに勝ち進んだ

 「エヴァルトさ~んお手紙で~す」

 見てみると裏には剣術所のスタンプが押してある。

 「…剣術所からだ」


 家に帰ってから一週間経ち、僕は畑仕事の手伝いと剣技を磨くことを続けていた。


 「…なになに……」


 「やぁイヴォ、元気かい?無事に家に帰れた事を願うよ。

 さて、今回手紙を出したのは君に言い忘れたことがあったからだ。実は魔法大国グリモワールのギルドから『実力者』を1人派遣してほしいと頼まれていてね…君に頼みたいと思うんだが、どうかい?

 君にとっても良い刺激になると思うし、世界を見ておくのは良いことだからね。

 ご両親の了承が得られたら、手紙で伝えてほしい。


 それじゃ、気をつけて。君の活躍を願うよ。



 追伸……

 お母さんによろしく!」


 差出人の名前は書いていない。

 結局おにいさんの名前を聞くの、忘れてしまった。

 今度行ったときに聞いてみよう。


 「あらイヴォ、お手紙?」

 「うん…」

 母に手紙を渡すと

 「あの人から…うふふ」

 …母さんその笑みはおかしい。

 「…そういうことらしいんだけど」

 「いいんじゃないかしら?心配だけど…」

 当然の心配だと思う。一応僕は八歳なのだ。

 「…でもイヴォが行きたいなら、いっていらっしゃい」

 「え…いいの?」

 「えぇ……この広い世界を見ておくのはいいことだわ」

 手紙と同じだ。

 おにいさんの影響なのか。それとも……

 「ほら、そうと決まったら早く行きなさい!善は急げ、よ!」

 「え?…うん」

 やけに急かすな…と思って見ていたら、母の目の端が光っていた。

 それは…そうだよね、何だか申し訳ない……

 泣かれたら困るからさっさと準備して出発しよう…


 「ふぅ…ここがグリモワールの王都…」


 流石王都だ、とても賑わっている。

 魔法大国なだけあって、杖なんかを持っている人も多い。


 「ここまで来るのに半月か~…割と速い方かな?」


 おにいさんの手紙には一ヶ月くらいと書かれていた。

 あれ?半分か…結構速い、に訂正しよう。


 「おぉ、剣持ってる人も結構いるな~…よかった」

 剣士ほぼゼロも覚悟してたけど、これなら大丈夫そうだな…


 「ギルドグリモワール王都支部へようこそ!ご用件はなんでしょうか?」

 「えと…剣術所から紹介されて…」

 手紙に同封されていた紹介状をカウンターに出す。

 「あぁ…お待ちしていましたよ、あちらのパーティーです」

 指差された方向では男女3人のパーティがソファに座って何やら話し込んでいる。

 受付のお姉さんに礼を言ってから紹介状片手にパーティに近づく。

 「ん?なんかようか?」

 (主に横に)大きい男が顔をあげる。

 「剣術所から紹介されて来ました」

 ぺこり……

 「…」

 一同、顔を見合わせる。

 「…アナタが?剣術所から?」

 (主に化粧が)濃い女が代表して口を開く。

 「はい…宜しくお願いします」

 ぺこり……

 なんだか嫌な予感がする。

 「ボクたちは実力者を頼んだんだよ?里子じゃなく…」

 これは(全体的に)細長い男のコメントである。

 「まぁ、逃亡した我が国の王子もあの年で凄い実力の才能らしいからな、こいつも剣だけでなく魔法の2、3種類くらい余裕で使えるんだろ」

 「…魔法?」

 「えっもしかして使えないで来ちゃったの?魔法の国に?」

 「…師範からは何も」

 「えー?信じらんなーい!」

 厚化粧女が甲高い感想。

 ギャルかよ…おばさんの癖に。

 「魔法が使えないガキは俺らとしては引き受けられないな、わざわざ来てもらって悪かった」

 デブ男が代表して結論を述べると、もう話すことはない、とばかりに背を向けてまた3人で会話を再開した。

 「え、ちょっ……」

 嫌な予感的中。

 なんというか……魔法が使えないってこんなに不便な事なのか…

 以前剣術所で魔法適性を調べてもらった時、検査担当の人に笑顔で0って言われたけど、まさかここまでの扱いとは…


 「…これからどうしよう…」

 とりあえず手近なソファに腰を下ろす。

 路銀を出してくれた剣術所の手前このまま帰る訳に行かないし、第一手ぶらで帰って母に事の顛末を話したりしたら…一日のうちに村中に…次の日には隣村まで…

 絶対に帰れないと確信。

 …にしてもどうしよう……どこかで住み込みで働くかな…


 「よっ、これ飲むか?美味いぞ!」


 考え込んでいつの間にか床を見詰めていた顔の前に、オレンジ色の液体が入ったグラスが差し出される。

 「え…?」

 見上げると枝を片手に持った少年がグラスを両手に太陽のような笑顔を浮かべている。

 歳は15、6だろうか……この世界ではもう大人なのかな。

 「まぁ取り敢えず飲んでみろよ!」

 と言って煽る。

 …オレンジジュース…かな?

 一口含んでみる。

 当たり前と言えばそうだけど、香料も何も使っていない果実そのままの味が口いっぱいに広がる。

 「…美味しい」

 「だろ?グラスごとに絞ってるんだってさ~」

 少年が隣に座り、またニカッと笑う。

 「行くとこないんだろ?だったら俺と組まないか?」

 唐突な申し出である。

 「俺ソロなんだけどさ~近接攻撃とか出来るやつ、探してたんだよね~」

 あ、聞かなくても答えてくれた。

 「ん~…一応中距離までなら出来なくもないけど…」

 なので聞かれなくても答えてみる。

 「おっ…それは頼もしいな~じゃあこれから宜しくなっ!」

 肯定ととらえたらしい。

 どうするか……まぁいっか、なりゆきなりゆきっと。

 「うん…僕はイヴォ、宜しく!」

 片手を差し出す。

 「あぁ…俺はソインだ、よろしくな!…魔法属性は空間と重力だ」

 グラスを差し出してくる。

 あ、乾杯か。

 カチン

 それにしても属性2つ…か、結構すごいのかな?神様が究極の剣技を授けてくれたらしいし僕は全部使えるんだろうけど…


 因みに剣技スキルの属性は魔法と同じ6つの主属性と、光、闇、音の特殊属性の9つになる

魔法よりちょっと少ない。


 「イヴォ、行くぞ?」

 「……ふぁ?あ、ごめん!」


 そういえば脱走した王子様も気になるな…後で調べてみよ……

お読みいただきありがとうございました。

誤字脱字等の指摘、感想などいつでもお待ちしています

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