nAmBAr.02「アームロック化」
「そう言うもんか、とりあえずそれは置いといて俺の状況なんだけどさ、なんか出口への風みたいな物を感じるんだよ」
優先順位的にまず状況処理方面をと私はこの試練の主体で在ろう事柄への言及をしそちらに話題を持って行こうとした。
「ん、何々?」
「こうやってさ、フン! その風の道を通してやりたいと念じながら力を籠めると、どうも洞窟の変異を生み出せるみたいでさ。ほら、今まで通れなかった細い道が立派に一つの太い道に変わっただろ? これ繰り返して行けば多分外に出られるよ」
「へぇ~それはニパ君発見御手柄だね」
「まあはっきり言ってこの重たい腕がただの重たい腕じゃ報われないからな。そこからの発想だよ、『妄想が形になった』って事なら有り得ない話じゃないなと思ってさ。
でさっきの話だけど、まあ俺は地に足の着いた生き方で今この場にいる訳じゃ無いから同意と不理解半々ってとこだな。それにしてもなんか実感が籠った様な言いぶりじゃないか、俺と比べて」
二人で次の洞窟内エリアに足を運びながら話を続ける。
「あーしはちょっとニパ君とイバの関係性とまた違う出所からこうして天女ライクな状態に至ってるからそう言う人寄りの感覚は正直ニパ君より濃いんだと思うんだよね。恋に恋する年齢に達するその時まで、あーしとイバにとっての初恋の姫君は全く同一だったと言うか。この辺はせ…ごほん、種からして全く異なるニパ君とイバとは違うんだって事は理解しておいて」
せ…の所で一瞬固まり赤面するローニャ。ちんちくりん相応のうぶな感性なのでは、と喉まで出かかったツッコミを抑えて社交辞令的に労ってみる。
「ごめんな、言いにくい事にまで触れてくれて」
「はいそうやって掘り返すのセクハラ~さっさとニパ君は洞窟を掘る掘る」
上手く行かなかった社交辞令は蔑視を伴う速攻のカウンターブローで返された。
「掘るって言うか、持ち上げて回転させてるって言うかな、はあ!」
こっちの方は上手く行っている。男の務めは労働とはよく言った物だ、私はひとまずこちらの処理に神経を研ぎ澄ます事にした。明かりを照らすローニャ、それを頼りに洞窟を動かし、回して進む道を作る私。一応分業の形にはなっているが汗をかくスピードとしては私の方が圧倒的に早い分業の内訳ではあった。
「ニパ君、そろそろ休む? 膝枕のオプションも付けるよん?」
「いや休むは休むにしてもそこまでは求めないよ…はあ疲れた」
前の時空での役割が逆転しているかの如き有様だ。私はドッカと座り込むと重たい腕も両方ひんやりとした洞窟の地面に休ませた。多分今の私の体は物理的にも重いのではないか、それが膝枕を遠慮した主たる理由の一つでもあった。
レディに寄ったり幼女に寄ったりのローニャちゃん 大元の絵が微妙な塩梅なので出力安定しないんすね




