nAmBAr.11「美のイデア?」
まだ偵察に出たローニャは帰って来ない、ローニャとは誰なのかについては出会いの会話を振り返る事でその代弁とさせて頂く。
「あ、起きたか寝坊助君。おはよう、いい夢見れた? 言っても夢が人生の全てだったろうけど」
私は私の在り様を自分なりに定義するよりも先に彼女に答えを導かれていた。そう、私とは受精の二番手で在り、そのサブなりの位置付けとして、一番手の生命のレスキュー用予備兵として只今異界に呼び起されたのだ。とすると訳知り顔の彼女は一体…。
「あ、ああその様だな。君は?」
「あーしもあーしでさっき起きた様なもんだけどね、これから有るだろう騒がしいお祭りの準備体操に勤しんでたら二番手ニパ君の気配を察知して飛んで来たって訳。あーしはローニャって呼んで。老若男女が成人として通る儀式の年齢20。その数字に支配された異空に生まれ落ちたるあーしの名前としては相応しいと思うんだけどどうかなん?」
「ニパ君?」
「そうニパ、二番手君のあだ名。人生のコツはにぱにぱいつも笑顔で、みたいな響きだし可愛いでしょ? でもってイバが一番手君ね。どうせ我が物顔で人生威張り散らしてんでしょ、こんな異界の下支えも知らないでさ。ってな訳であーし的事象観測の結果算出された二者のあだ名よん」
なん、よんとか言うのは男女に掛けた口癖なのだろうか。あーしと言うのも大分引っ掛かるが癖の強い回答が待って居そうなので一旦は聞きたい事を優先して聞く事にする。
「一番手、二番手の事を俺同様に把握しているその様子だと、君も一番手との密接な繋がりの元に存在している様な気がするんだがその点どうなんだい?」
「あちきかぁ、あちきは多分イバが恋焦がれた初恋の人の幻影、なんだと思うんだよね~。なんて言うの、美のイデア?」
ここで私は吹き出してしまう。一見すると天女にも見えるが初恋の人の幻影、と言うだけ有って彼女の容姿はそれなりに幼い。そんな彼女が尤もらしくイデアなどとそぐわない事を言うもんだからおかしくなってしまった。
「あーそこ笑うとこじゃないよー」
「ごめんごめん、容姿が可愛らしかったからつい」
「むー、可愛いはオッケーだけどあーしだって好きでこんなちんちくりんやってるんじゃないんだからね。早いとこニパ君との試練ランデブーを終えて大人の階段上らせて貰わないと割に合わんわ…」
「あーし、あちきと落ち着きのない一人称だな」
つい釣られて聞いてしまった。彼女の返答はまた見方によっては素っ頓狂な物だった。
「なんかあちきとあーしってさ、好きなんだよね、A 地球、Earth、って響きに感じられると言うか」
「やっぱりイデアさんは考える事が斜め上を行っている様だ」
「ふふん、やっぱりそう思う? こんな世界並大抵の思考回路じゃ走者として成り立たないんだからとことんエキセントリック方面突き詰めるのも御結構コケコッコー!っよん」
世界への産声と言う事だろうか、彼女は最後の方のコケコッコーを私と言うよりはこの世界に向けて叫んでいる様にも見えた。走者と言う発想も好きだ、私は、100m走で一番手改めイバ、ローニャと一緒にクラウチングポーズを取っている自分を連想した。
最後の叫んでるシーンだそうで




