nAmBAr.10「鬼が出るか蛇が出るか」
「あのさ、さっきの虫とかの話なんだけど」
「ん?」
「あちきってどっちかと言うとそう言う残酷さを自覚しない残酷さみたいな幼い時期の記憶が色濃いのよね。イバに見初められてからも大元の少女はオトナ階段を上り続けただろうけど、あちきはそこから動かずそのまま」
私はなんとなくローニャの言いたい事はこの辺かなと当たりを付けて返答した。
「まあそりゃしょうがないだろ、強制的にこの異世界の一員としてのスカウトが有った様なもんなんだろ? 俺にしたって自分の人生らしい人生なんて何にも語る術は無い、記憶喪失とかそう言う事では無く一個の人間としての経験値自体が無いんだ。そこからするとまだ地球での実感が伴う語りが出来るだけ俺にはローニャが羨ましいよ。だからさ、変に落ち込まないでくれよ、そう言う明け透けな部分ひっくるめて眩しく思ってるから」
「うんありがと、変に抱え込まず話して正解だったかも。あーしにはあーしの登るべき階段が有る。納得行かない今が有るんであれば次のステップを頭の中の数字と一緒に踏み出せばいいだけの事、そうなんだよね」
「ははっ、疲れてる俺に励まされてる様じゃローニャもまだまだろーにゃんだな」
「あ、ろーにゃん呼びしたなあ、難易度高いって言ってたのに」
「幼さや弱い素振りを見せたらろーにゃんで十分だろ。あとこっちとしてはあちきとあーしをもうちょっと一センテンスの中で入り乱せられると面白いかもな。慌てふためく人生の迷い猫感強調されるし」
「うむぅ、安易に人生相談持ち掛けたあーしがバカだったか、虫さんばりに弄りに弄られてしまったよん」
「さていい休憩になった、もうゴールは近そうだ、それ!」
私は立ち上がると洞窟の通り道造りに精を出す事にした。風の感覚がもう大分濃い目に感じられる。私が休憩をと持ち出されてそれに同意したのはゴール、つまりここを抜け出てそれと引き換えの新たな異常現象のスタートが待ち構えて居ないとは限らないからこその物であった。何が待っているにしても一筋縄では行かないのは目に見えている、これと言って襲って来る物の無かったこの洞窟での一連の流れが平穏無事な物だったと振り返る事が出来る程度には。
「あ、段々と光が入り込んで来ているみたいだね…あーしの明かりのアシストもそろそろ意味を失いそう」
「まあこの後だよこの後。鬼が出るか蛇が出るか。ともかく風の感覚だけじゃ立ち行かなかったろうからローニャは自信を持ってくれ」
「そうやって女の子褒めまくって丸め込もうとしてるんでしょーあーやだやだ鬼や蛇以前に狼が一匹居るよお母さーん」
「そんな返答が出来る位なら俺の人生相談役も少しは上手く行ったのかもな」
ちょっと段階が前に行っている様な絵ですがまあ二人の近い未来とでも




