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Un1BAss HeABo0on -20102-  作者: 篠崎彩人
Un1ty.20「老若天女」

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nAmBAr.01「異界の二番手」

挿絵(By みてみん)

本の表紙擬き

挿絵(By みてみん)

 宇宙の構造と脳の神経細胞ネットワークには無視出来ない近似性が有るらしい。そこからの連想と言う物でも無いが、”貴方の天国”とでも言えばいいか、つまり、よく言われる普遍的な死後の世界としての天国とは趣を異にする一人一人の心に宿る天国的な絶対領域と言う物に想いを馳せる事が、私にはよくあった。彼方、此方こなた、そして貴方。貴方と言う此方から観測する彼方と言う程には遠くない、たっとぶべきとうとい心通わせた他者。それは相手に宿る内心の天国の扉が此方側の人物に向けて開かれているからだ、と詩的な表現を借りるならそう言う事になる。この生き地獄とも表現される世界で、そんな他人と美しく心通わせる機会と言う物はそう多くないだろう。貴重な、茫漠たる時間の流れに飲まれて失われて行ってしまうかも知れない、記憶の片隅に留めて置いて大事にしておきたい一瞬一瞬の煌めきは星空にも準えられるか。或いは失意の闇夜を漂う道標としての切ない蛍火か。

 多分、どんな人にもその天国は在り、そして天国とは一つでは無いのなら他者のそれの蹂躙にそのベクトルが向かう事にもなる。貴方の天国を下さい、貴方の天国を奪います、貴方の天国が欲しい。この宇宙には知的生命体が我々しか居ないと言う仮説が有る。善人か、悪人かに拠らずそうやって奪い合い憎しみ合いし我々が全滅すれば、その肉体の縛りの中の天国は消滅する。そういう状況になった時、この宇宙の価値とは何処にあるのだろうか。

 この世界には、二番手が居る。100m走や、金銀銅メダルの銀獲得者、何でもいい。そして受精にもそれは居る。受精の二番手、可能性としては一番手として産まれられたかも知れない極限の敗北者は、この世界では少数例が二番手として異世界を生きている。何をしているのかと言うと一番手の生殺与奪を握っていて、その特性上一番手の心の天界に居る天使なのか地獄に居る悪魔なのかは人それぞれだ。その特殊例としての一番手は、自殺他殺含めあと一歩の所で生き死にが分かれる状況を経験する言わば人命の岐路に立つ事が人生の中で運命付けられている。二番手は、その瞬間に生きるか死ぬかのスイッチを押す事が出来る立ち位置を獲得する。だが問題は、二番手も死を選ぶと自死になると言う点、一番手の人生を俯瞰し、自死になると言う覚悟をも超える「この一番手は生きるに値しない」と言う決断が有った場合のみ、一番手二番手は共に亡き者となる。故に二番手とてほぼ自分の命が可愛い場合が多いので基本その宿命のタイミングを乗り越えて生き続けるのだが、しかし一番手の境遇があんまりにもあんまりだと感じた場合やセルフネグレクトが酷過ぎて見て居られないと言う実感が有った場合などは、二番手は自身諸共消失の道を選ぶ場合もある。100m走の例に戻るなら、受精の時と違いゴールテープを寸分違わず二人で切って人生をゴールするのだ。

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