第47話 VS悪魔3
「今だ! 【ライジングスティング】!」
「【アースカッティング】!」
パラドキサの背後から雷と土系統の魔法剣による攻撃が降り掛かった。それらはシシラの魔法によって姿が見えなくなっていたガミオとギューキによる攻撃だった。
だが、パラドキサに届くことはなかった。
「キヒヒヒヒ! 残念!」
「「何っ!?」」
パラドキサの背中から二本の腕が出てきて、その腕で剣を掴むことでガミオとギューキの攻撃を防いでしまったのだ。しかも、その間にもシシラへの攻撃を緩めないで続けている。
「私は聖女の魔法に敏感なので~、お前たちがシシラの魔法で見えなくなってるのにも気づいてました~、残念~」
「……確かに残念だな。だが、直接触れる事はできた。【パラライズ】!」
「【アースバインド】!」
「え!? なっ、なぁっ!?」
ガミオとギューキは剣を掴まれていることをいいことに、状態異常魔法と拘束魔法をかけた。二人の奇襲の狙いは、最初から攻撃ではなくパラドキサの動きを一瞬でも止めることだった。
「よ、よく、も、舐めた、まね、を……!」
「シシラ、今だ!」
動けなくなったパラドキサに向かって、シシラは強力な魔法を放った。
「【フォトンライト】!」
「げっ!?」
シシラの体が光りだして光の粒子が形成される。その光の粒子はあっという間にパラドキサに移動して、その身を包んでしまった。
「う、うぎゃああああああああああああ!」
光の粒子に包まれたパラドキサが絶叫した。苦しそうな叫びを始めたのだ。何が起こっているのか分からない護衛騎士の一人がシシラに聞いてみた。
「シシラ様、これは一体……?」
「こ、この光の粒子は……私の光属性の魔力を圧縮して形成したもの……。粒子の全てから極小規模の光魔法を放つことができます……。この粒子が悪魔を包み……内部まで入り込んで、光魔法を放っているのです。極小規模ですが……」
「……!」
つまり、パラドキサの体に外側と内側で極小規模の攻撃を放ち続けているというのだ。形成された光の粒子は肉眼で見る限り何百か何千かあるかも分からないほど多い。シシラの説明を聞いた騎士たちは驚いて息を呑んだ。
「ただ……相当な魔力を使いますが……」
よほど魔力を消費するのかシシラは辛そうな様子だった。無理もない。仲間を守る光の障壁まで形成しているのだ。その間に光の粒子による攻撃まで。シシラの負担は相当なものなのは考えなくても分かる。
「あ……あ……」
「見ろ! 悪魔が弱っていくぞ!」
パラドキサの絶叫が止まった。更には粒子に包まれたまま倒れていった。誰もが聖女シシラが勝利したと思った。
その直後だった。




