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普通じゃない平穏  作者: なー


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2/2

異変

 その夜、私はふと、自分の手元に目を落とした。

 箸を持つ指の感覚が、いつもより鋭く研ぎ澄まされていることに気づく。

 おでんの熱さ、汁の温度、具の重さ……どれも微細に感じ取れて、自然に手が動いてしまう。

「……あれ、どうしたの?」

 母が首をかしげる。

「いや、なんでもない」

 言葉にした瞬間、自分でも少し笑ってしまった。

 これが普通じゃないことだと知っているから。

 この家の空気に馴染みすぎて、つい忘れてしまいそうになるけれど、私は――普通じゃない。

 父も、母も、そのことにはまだ気づいていない。

 けれど、私の体が無意識に反応してしまうのを、私は隠せない。

 箸先がわずかに早く動くのを見て、父が一瞬眉をひそめたような気がした。

 でもすぐに、いつもの穏やかな表情に戻る。

 この家庭は、表面上は完璧に普通。

 でも、私は知っている――ここには、ほんの少しだけ戦場の匂いが残っていることを。

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