A.はじまり
志渡渉・・・高校2年生。男子、中陽高校に通っている。
新渡戸蓮・・・同じく高校2年生で志渡渉の幼馴染。成績優秀で志渡渉のライバル。
俺は志渡渉高校2年。本能は「干渉」、聞こえは最強そうに聞こえるが、これがそうでもない。干渉できる範囲は5mくらいで、それも1つのことしか書き換えることしかできないし、具体的な想像ができないと使えない。そもそも本能が国を滅ぼすような強力なものでもないし。例えば、こういう感じに隣にいる俺の幼馴染で成績優秀な新渡戸蓮のテストと交換するのを鮮明に想像し干渉することで、回答をすり替えることができる(これで、今回も欠点回避だぜ!)。隣の蓮からの視線が気になるが、この程度しかできない、そこまで強くないのだ。
みんなが思っているような銀行強盗は距離が足り無くてできないし、物を消滅させることもどのように消滅するのかが、わからないからできない。(こんな犯罪のようなことを考えてもよいのだろうか…)
授業が終わり、俺は蓮に話しかける。
「今日も、ありがとなっ!!」
蓮「今回はどうかな」
そう意味深に嘲笑う。あまり気にせず続けて俺は言う。
「今日はテストで早く帰れるな!」
蓮「そうだね、君みたいなバカは学校なんてつまらないもんね」
俺「そうじゃねーよ。家となりなんだから一緒に帰るぞ!」
蓮「俺は今から生徒会へ行かなくちゃいけないんだ。今日は一人で帰れ。」
「チッ、釣れねーな。わかったよ。」
仕方なく一人で帰ることにした。家に帰る途中、おばさんがカバンを人にひったくられていた。
その泥棒は、カバンを手に引き付けてひったくっていた。おばさん自体も泥棒にひきつけられていた
から本能は手から何らかの引力を発生させるもののようだ。
泥棒は走って俺の方向に逃げて来たので、俺は効果範囲に入ってきた泥棒に干渉し、道の端にあった
排水溝の蓋を入れ替えカバンを奪い返した。泥棒は突然蓋という重いものを持った衝動で体勢を崩し、倒れた。強がって俺は余裕ぶったようにふるまいこう言う。
「大人しく、捕まりな」
腕を負傷し、何があったのかその泥棒は一瞬困惑していたが、次の瞬間その泥棒は俺をにらみつけ隠し持っていたナイフで俺を襲ってきた。俺は焦って襲ってくる泥棒に動きを止まるように干渉した。しかし、泥棒は止まらなかった。いや、実際には止まっていた、。不幸なことに、泥棒は相当な手慣れだったんだろう、自分を俺に引き付けて襲ってきた。
泥棒「残念だったな、小僧。相手が俺で。」
俺はその泥棒に腹部を刺された。腹部が燃えるように熱く耐えがたい痛みに、俺は跪いて倒れてしまった。(俺はこんなところで終わるのか?そんなの嫌だ!何かあるはずだこの状況を変える方法が…)
泥棒はカバンが排水溝にあるのに気づき取りに行っている。相手が油断している今がチャンスだ。
(何か干渉できるものはないのか。なんでもいい、なんでもいいから干渉するんだ…)
泥棒がカバンを取り戻してしまった。泥棒がその場を立ち去ろうとする瞬間、自分の腹部に刺さったナイフを見た。相手の腹部にナイフが刺さる想像が鮮明にできた。
すると突然泥棒の腹部にナイフの刺さった跡が形成された。泥棒はその場に倒れてしまった。
「何を…した!……お…前!」
相手はナイフの刺さった跡だけが残ったため出血が絶えない。
俺は何をしたのか理解ができなかった。
(何が起こったんだ、俺はまだ干渉していない。なんで俺と同じ場所に刺された跡がある。
おかしい、何かがおかしい。)
俺は何が起きたのか考えていたが、俺の怪我も相当なものだったのだろう。
俺の意識はだんだんと消えていった。
そのあとの話は、病院で聞かされた。俺が倒れた後、すぐに騒ぎを聞きつけた警察が泥棒を逮捕したそうだ。泥棒も私も一命を取り止め、結果的に俺の行動はおばさんの証言もあって正当防衛と見なされた。
病院では回復系の本能を持った人が多く、俺の怪我は全治3日となった。
俺はあの後のことを思い出し病院にあった果物でその日のことを同じように試してみたが何も起こらなかった。(あれは何だったんだろう)
初めてこのようなものを書かせていただいたので、楽しかったです。皆さんにも楽しんでいただけると幸いです。