敵か!?味方か!?謎に包まれた第三の勢力
天空から降り注いだ光はその数四。一つは直人の目の前、残る三つはすぐ近く。
「イテテテテテテテテ。人間界の重力ってのは久々に来ると面倒だな。」
「ラファエル様は相変わらず着地が下手ですね。私のように華麗に出来ないのですか?それでも四大天使なのですか?」
「別にいいじゃねーか!どうせ俺達はどうやっても死なないんだし。たとえ死んでも生き返るんだしよ。」
「そんなこと言うもんではありませんよ、ガブリエル。死ななくても人間界で着地の失敗で消滅なんてまるで美しくありません。何事も華麗に決めてこそ美なのです。それに復活するまでに時間がかかるんですから。それこそ、あのお方に怒られますよ。」
「ハミエル、テメーは何でもかんでもすぐ【美】ってうるせー奴だな。」
「あぁ。美が分からないあなたはまるで美しくありません。美こそ正義、美こそ力、そんな事も分からないのでは、一回消滅してみてはどうですか?私が華麗に消滅させてあげますよ?」
「お前さっき、消滅したらあの方に怒られると言ったばかりじゃねーか。俺を消滅させたらおまえも怒られるぞ?」
「そうでした。それは美しくありません。あなたなど消滅させたら、私の美が汚れる・・・・・・・・。」
「ダメだこりゃ。話しが全く通じん。」
「あの・・・・・・目の前に堕天使が居るんですけどほっておいていいんですか?」
「うるせーぞ、ウリエル!んなことは分かってんだよ!」
「ひぃぃぃぃぃ。ごめんなさい。ごめんなさい。」
「やめなよ二人とも。俺達は何しにここまで来たのかわかってんの?」
「元はといえば、テメーが着地をミスってるからこうなるんじゃねーか!」
「ひどいな!俺だって、失敗したくてしたわけじゃないんだよ!君たちみたいに何度も人間界に来てないんだから。」
「ケッ!」
天使たちのやり取りを目の前で見ていた直人は状況が未だに理解できていない。そんな直人は天使たちに問いかける。
「お前たちは何者だ?」
「あぁ!?人間ごときが俺達に気安く話しかけんじゃねーぞ!殺すぞ!?」
【ゾクっ】
「そうですとも人間!あなた達は、全く美しくありません。美しくないものが喋るものではありませんよ?この世界が汚れてしまいます。」
「あ・・・・、・あの・・・・・・・。何もそこまで言わなくても。この人、堕天使と戦っていたみたいですし、少しは手を貸しても・・・・・・。」
「さっきからゴチャゴチャうるせーな、ウリエル!てめーはあの糞な人間を助けるつもりか!?何考えてんだ!?このボケが!」
「ひぃぃぃぃぃ。ごめんなさい。」
「そうですよウリエル様。堕天使どもを皆殺しにしたら、次は人間を皆殺しにするんだから別に助けてやる義務はありません。それこそ、私の美に反することです!」
「ねぇねぇ!?さっきから何をゴチャゴチャ話してんの?折角そこの人間と遊んでいたのに。君たちもしかして僕の邪魔するの?だとしたら殺すよ?クソ天使!」
「あぁん!?うっせーぞ、天使の成れの果てのくそ堕天使が!テメーらみてーな三下が出しゃばってんじゃねーぞ!」
「ああ!!言ったな!もういい!あの人間より先にお前達天使どもを先に殺す。他の2人もいいよね?」
「そうですね。私も手伝いますよ!」
「しょうがない、あの人間より強そうだから俺も相手してやるか!」
「ラファエル、テメーは雑魚なんだから手を出すんじゃねーぞ!それに、ウリエル!テメーも手を出すなよ!テメーが手を出したら人間界が木っ端微塵になっちまうからな。」
「俺はその方がいいかな。どちらかというと俺は回復のが得意だし。」
「あ・・、あ・・・わ・・私も戦うのはちょっと・・・」
「よーし、じゃ俺はあのガキとイキってるあいつ等二体を殺る!ハミエル、おめーはあの真面目そうなやつを相手しろ!」
「わかりました。美しく可憐に殺してあげますよ!覚悟してくださいね?私が最高の美というものを教えて差し上げます。」
こうして、天使VS堕天使の戦いが始まる。その様子を見ていた直人だが、どこかで聞き覚えのある声がする。
(直人さん!直人さん、ここです!こっちに来てください)




