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聖女の妹の呪いを解く為今日も兄妹は旅をする  作者: 雨のち晴れ
分断されたSky Saint編

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現れた災悪

時は直人が王都イザークから凛達を逃したところまで遡る。


「おや、良いんですか?あなた1人だけ残って?別に見逃してあげてもいいですよ?私は優しいので。」


「バカ言え!誰がそんな事信用するか!お前はここで俺が倒す。」


「威勢だけは良いのですね。分かりました、そんなに死にたければお望み通りに殺して差し上げます。さあ、行きなさい!我が眷属たち」


アザゼルが魔法を唱え始めると、さらに魔物と冒険者の眷属が現れる。


「次から次へと・・・・。まるで笑えねーな。」


「心配しないでください。あなたを殺しはしません。そこで横たわっている戦士と同じで、あなたも我が眷属にしてあげますから。」


直人は、まだ息のあるタクトを見る。タクトはアザゼルの眷属により捕縛され、アザゼルの側で横たわっている。


「さぁ、お話しの時間は終わりです。覚悟してくださいね。」


アザゼルが召喚した魔物と眷属達が直人に襲い掛かる。圧倒的不利な状況にもかかわらず、直人は奮闘する。しかし、直人のMPも無限ではない。徐々に直人の呼吸が荒くなり、顔に疲れが見え始める。


「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ、ハァ、ハァ、ハァ。」


そんな様子を見てか、アザゼルは不敵な笑みをうかべ直人に問いかける。


「どうしました?もう終わりですか?人間ていうのは不憫(ふびん)ですね。見ていて気の毒です。」


(さて、どうしたものか。Mpも残りわずかしかないな。何か手を考えないと。)


直人がこの状況をどうするか考えていると、さらなる災難が直人に降りかかる。突然、上空に3つの魔法陣が現れ、その魔法陣から新たな堕天使3体が出てきた。


「おいおい、マジかよ。冗談じゃないぞ。」


直人は苦笑いをして現れた3体の堕天使をみる。


「あれ?アザゼル。まだここ落としてないの?もしかして手こずってる?手伝ってあげようか?」


「こらこら、ベリアル君誰に向かって口を聞いてるのか分かっているのか?殺されるぞ?」


「そうですよ。アザゼル様に向かってなんて口の利き方を。」


突然現れた3体の堕天使をみたアザゼルは、


「これはこれは皆さんお揃いで。例の物は集まりましたか?」


「はい。言われた通り持ってきました。こちらです。」


1体の堕天使がアザゼルに頼まれたものを渡している。直人には距離がありすぎてそれが何なのかは分からない。


「ご苦労様です。それではわたしはこれで失礼するので、こちらの占拠は皆様にお任せします。占拠が出来次第、次の目的地アレンシア王国に向かってください。わたしも、準備が出来次第向かいます。あ!そうそう、そこに立ってる人間は出来れば捕獲してください。是非とも私の眷属にしたいので。それでは。」


そう言って、アザゼルは姿を消した。アザゼルが居なくなった瞬間に、ものすごい3つの殺気が直人を襲う。すると、突然1体の堕天使が他の2体の堕天使に向けて言葉を放つ。


「ねぇ、サマエル。」


「ん?なんでしょうか?」


「サマエルはさっきの街で戦って来たんだから、あいつは僕に殺らせてよ!!」


「私は構いませんが、マスティマはそれでいいですか?」


「好きにしろ。俺は強者しか好まん。たかがあんな人間1人に私が戦う意味はなかろう。」


「やったー!2人ありがとう!よーし、派手に殺っちゃうよ!」


「こらこら、ベリアル君。アザゼル様は生きたまま捕まえろと言ったのですよ?くれぐれも殺さないようにお願い致します。」


「ちぇ、わかったよ!死なない程度にしてあげる。」


ベリアルは直人の方に向き凄まじい程の殺気を飛ばす。ヒリヒリと伝わる殺気に直人は唾を飲む。


「じゃ、行くよ!簡単に殺られでね?20%ぐらいの力で相手してあげるから!」


すると、ベリアルはすぐさま直人と距離を詰めてくる。ベリアルの右手が剣の形変わり直人を斬りつけようとする。負けじと直人もすぐさま反応して攻撃を止める。


【ガキンッ】


「おお!今のを受け止めるんだ!お兄さんなかなかやるね!じゃ、もう少し力を出してみるか!」


さらにベリアルは速度を上げて直人に斬りかかる。あまりの速さに、直人は苦戦する。


【ガキンッ】【ガキンッ】【ガキンッ】【ガキンッ】


両者一歩も譲らず攻撃を繰り出す。そしてここで直人も出し惜しみしてたら負けると思いスキルを使う。


「坂柳流漆の剣 心眼」


「そんなの使っても無駄だよ!僕の攻撃からは誰も逃れられない。」


先程と同じ速さでベリアルは直人に向けて攻撃を仕掛ける。だが、


「なぜだ!?なぜ急に僕の攻撃が当たらない。そんなはずはない」


急にベリアル攻撃は直人に当たらなくなる。それどころか、直人は受けもせずただ単に避け始めている。直人の使った漆の剣心眼は、数秒先の未来が見えるのであった。まだ完全に心眼をものに出来ていない為、直人は2秒先までしか見えない。しかし、それでも今の直人には十分すぎた。


「クソッ」


【ヒュッ】【ヒュッ】【ヒュッ】【ヒュッ】


いくらやっても当たらない。徐々にイラつき始めるベリアル。すると、右手の剣だけの攻撃だけではなく魔法も使い始める。ベリアルは炎魔法を放ち、それを直人は剣で斬る。そして直人の目の前で爆発して、辺りに煙が立ち込める。


「!?」


すると、煙の中からベリアルの剣が伸びてきて避けようとしたが、直人の右肩を貫通する。


「クッ」


直人の右肩から血が流れる。


「よーし!これでもう剣は振れないね!もうちょい痛めつけたいけど、もう飽きちゃった。このまま拘束して連れ帰るね。」


ベリアルはゆっくり直人に近づく。


【ジャリッ】【ジャリッ】【ジャリッ】


直人まで5メートルといったところまでベリアルが近づいた時。


【ドゴーーーーーーーーーーーーーーーーーン】


突如、直人とベリアルの間に何かが降ってきた。

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