あなたの事は決して忘れない
「カレン姉ちゃん、腹減った。」
「カレン姉ちゃん、見て見てすごいでしょ。」
「カレン姉ちゃん、これプレゼント。森に咲いてた花なんだ。カレン姉ちゃんにピッタリ。」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁん。カレン姉ちゃん。」
「カレン姉ちゃん、今日は俺も晩御飯つくるの手伝うよ。」
「カレン姉ちゃんは、何処にも行かないでね。」
【ドクン】
「おいおい、シーレお前何やってんだ?」
「シーレは、お子様ランチがいいのか?」
「シーレ、何だ?遊んで欲しいのか?しょうがないな。」
「シーレ、またおねしょか。ま、しょうがないか。よしよし。」
「おお!シーレは凄いな。」
「シーレ、これが欲しいのか?よし、わかった!買ってやるから大切に使えよ。」
【ドクン】
「この写真の女の人はな、俺の姉ちゃんなんだ。とても優しくてな、大好きな姉ちゃんなんだよ・・・・・。元気にしてるかな、姉ちゃん」
【ドクン】
「うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
カレンの時の記憶も、シーレの時の記憶も全てを思い出したカレン。
「カレン、今こそ解放しろ。お前の中に眠っている力を」
「父さん・・・・・・・・。」
「今のお前なら出来る。自分を信じろ。」
「でも、あたし怖い。」
「大丈夫だ。お前には俺やガロードがついている。何も恐れることは無い。」
「で、でも・・・・・・・・・・・・」
「大丈夫だよ、カレン姉ちゃん!」
「ガロード!」
「俺も手伝うからさ。やってみようよ。」
「うん。わかった!やってみる!」
「よし、いくよカレン姉ちゃん。」
(ガロード、あなたの事は決して忘れない)
【ゴロ・・ゴロゴロ・・ゴロゴロゴロ・・・】
「シーちゃん!?」
さっきまで晴れていた空が急に曇りだし雷が鳴り始める。
【ゴロ・・ゴロゴロ・・ゴロゴロゴロ・・・ゴロゴロゴロ】
【ブォン】
シーレの下に巨大な魔法陣が現れる。
【バチッ・バチッ・バチッ・バチッ・バチッ・バチッ】
そして、シーレは魔力が暴走した時みたく体の周りに紫色の電流が流れる。そして、
【バッァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン】
眩い光が辺り全体を覆う。
「おやおや、あれは何ですか?嫌な気配がすると思って来てみたら。いったい何が起きているんですか?」
「さーな、俺に言われても何が何だかさっぱりわからん」
「そうですか・・・。ん!?あそこで死んでるのはシーレの弟さんですか。丁度いい、ちょっと実験に使いたいのでラハブ、あの死体を回収しなさい。」
「あいつの死体を?ま、かまわないが相変わらず気味の悪いやつだぜ。まったくあんたはよ!」
ラハブは、ガロードの遺体を回収すべく遺体に近づく。
「させるか!」
直人達は、近づいてくるラハブへと攻撃を仕掛ける。
「雑魚は引っ込んでろ!」
剣で斬りかかった直人はガードされ弾き飛ばされる。凛もホーリーショットを放つがラハブは片手で弾く。アリスもインビジブルとスニークで奇襲するがカウンターの攻撃をうける。レイナも、ファイアーアロー×5で攻撃するがラハブの魔法で相殺される。エドワードもゴッドランスは使うが片手で止められる。ラファエルも攻撃魔法を使うが避けられてしまう。
そして、ラハブがガロードの首を掴もうとした時、
【ドゴッ】
顔に鈍い音がしてそのままアザゼルの所にまで吹き飛ぶ。
「ガロードに触るな。」
そこには、覚醒し堕天使化したシーレが立っていた。見た目は、アザゼルにより堕天使になる前の少女の姿。だが、背中には自分と同じぐらいの黒い羽が生えている。
「ラハブ。よくもガロードを殺したな。お前だけは許さない。」
冷めきった瞳でラハブを見つめ怒りを露にする。
「いいね!いいね!やっと覚醒したか!シーレ!」
「黙れ」
「面白いことになって来たじゃねーか!な、アザゼル!シーレをやっちまってもいいか?」
「しょうがありませんね。後々の計画に支障をきたしそうなので今のうちに始末しますか。いいですよ、思う存分やってきなさい。」
「よっしゃーーーーーーーーーーーー!行くぜ、シーレ!覚悟しろ。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
表情が冷たいままのシーレは何も言わない。ただ黙っている。ラハブは最高速でシーレに近づき殴りかかる。が、
「ゴンッ」
【ボキッ】
ラハブが攻撃するより先にシーレがラハブの腹を蹴り、何かが折れる鈍い音がした。再びラハブは吹き飛ばされる。
「ガハッ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「上等じゃねーか、シーレ!!!!!!!!」
ラハブは、右手魔力を込め衝撃波を放つ。
【ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ】
【ガキンッ】
シーレに直撃するかと思われたのだが、シーレの前には魔法陣が現れ攻撃を弾く。
「弱いな。」
「お、おのれ!!!!!!」
今度は、魔物達が一斉に攻撃をしようとする。だが、数えきれないほどの魔法陣がシーレの前に現れ、その一つ一つから魔法が放たれ、魔物達は一掃される。
「魔物達が邪魔か。なら・・・・・・・・」
シーレは魔法を唱え始め、シーレの横に大きな魔法陣が現れる。
「冥界の番犬。今、我の力となりその姿を見せよ。」
魔法陣が恐ろしい門へと変化して、その門が開く
【ジャリ・・・ジャリ・・・・・・ジャリ・・ジャリ・・】
「ガルルルルルルルルルルルルルルルルル」
門から出てきたのは三つの頭を持ち、蛇の尻尾を持つ大きな犬が現れる。
さらに、上空に魔法陣が現れそこから1羽の鳥が現れる
「永遠の時を生きる不死鳥フェニックス、今こそ我らが前に姿を現せ。」
「ピギャャャャャャャャャャャャャャャャャャ」
「おい、おい。どうなってんだ。何であいつらがシーレの言う事を聞くんだ。」
「ふふふふふっ、これは面白いですね。まさかあの二体がシーレにつくとは。くくくくくっ」
「おい、笑ってる場合じゃねーぞこれ!どうすんだよ、相当やばいだろ!」
「勘違いするな。お前の相手は私だ。こいつらには魔物達の相手をさせる。ケルベロスは、ここに残る魔物達を、フェニックスは城内の魔物達を消せ。」
「ガルルルルルルルルルルルルルルルル。」
「ピギャャャャャャャャャャャャャャャャャャ」
「さて、始めようかラハブ。そしてアザゼル。」




