聖女の誘拐計画その1
【???】
『そうか、それはご苦労。一刻も早くその聖女を連れてこい。ただし、殺すなよ!生きたまま私の前に連れてこい。いいな!』
『はっ!お任せ下さい。必ず連れて参ります。』
『わかっておるだろうな、失敗したらお前の家族の命はないと思え!』
そうして何者かと通信を終えた人物はその場を後にする。
教会に行った次の日、俺は凛の事をエリー達に任せて1人王都の図書館に居る。目的はもちろん凛の呪いの事だ。ここに来れば何かわかるかも知れないと想い来ている。
『うーん、中々お目当ての書物がないな・・・・・。ん!?この本は何だ?』
そこには1冊の他よりも年季のはいった本があった。何故かその本に惹かれて俺は目を通す。すると、気になる事が記載されていた。
【聖女には魔王を復活させる事が出来る
聖女にはこの世を滅ぼす事が出来る
聖女には死者を蘇させる事が出来る】
その他にも幾つか書いてあったけど、ボロボロになっていたのでうまく読めない。物凄くやばい事が記載されていた事には間違いない。
『これは確かに悪事に手を染める者に凛が捕まってしまったら大変な事になるな。用心しておかないと。さて、この事は皆には黙っておくべきだな。』
その後もいくつ見て見たがこれといった物は無かったので王城に戻る事にした。
王城に戻ると凛とエリーが楽しく話しをしているのが見えた。その後、俺達は夕飯を済ませて部屋に戻ってきた。凛にだけは話しておこうと想い、先程図書館で見つけた1冊の本の事を伝えた。もちろん凛にも口止めはした。話しが話しだけに厄介だからだ。そして、凛が寝たのを確認した後俺も寝ようとベットに横たわった時、俺は天井からの殺気を感じて剣を取った。その瞬間上から攻撃がくる。それと同時に窓からそいつの仲間達が現れ俺に攻撃を仕掛けてきた!
『チッ!』
相手の攻撃を受け流しつつ俺は凛の方を見ると、確かにさっきまでベットで寝ていたはずの凛の姿が何処にもない。すると
『動くな!動けばこの女の命はない』
といい、リーダーらしき人物が凛の首元に刃物突きつけている。
『この女はいただいて行く!妙な真似をしてみろこの女を即座に殺す。こいつは魔王様の復活に必要だからな』
そう言って、リーダーらしき人物とその仲間は窓から逃げていった。




