王都にて
先程の戦いのあと、エリー達は伝書鳩を使い王都に救援を要請した。まもなくして王都から騎士達が来て、王女暗殺未遂で盗賊達は連行された。そんな中、直人たちは何やら王女達と話している。そして、王女が直人達に対して
『先程は、盗賊達から私達を救ってくださりありがとうございます。貴方達が居なかったら私達はどうなっていた事か。』
その感謝の言葉に対して直人は、
『いえいえ、そんな頭を上げて下さい王女様。結局俺なんか助太刀するって言ってたのに俺はあいつらの攻撃に阻まれ何も出来なかったし。
結局、妹の凛に助けられました。あ、申し遅れました私は坂柳直人、そこで気を失っているのが妹の凛です。』
『これはこれはご丁寧にありがとうございます。私の名前はエリー・クロスフォード。王都アグリアスの第1王女です。そして、こちらの男性が私の近衛兵エドワード、そしてこちらの女性は侍女のアリスです。』
近衛兵のエドワードと侍女のアリスは直人に軽く会釈をする。この後、少し会話して王女達も王都に帰るみたいなので護衛を兼ねて俺達の乗っていた馬車も並んで王都を目指す。
半日ほどして王都に着いた直人達はこの後どうするか考えて居た。MPを使い果たした凛は直人におんぶされてまだ目覚めていない。するとエリーが直人に問う
『直人様、もし宿屋がお決まりでないのでしたら、王城にお越しになって下さい。部屋を用意させて頂きます。あなた方は私達の命の恩人です。それに凛さんの怪我も治療しないとならないし、王城には凄腕の神官も居ます。』
『いや、治療して貰えるのは有り難いですが王女様、流石にそれはまずいのでは?得体の知れない我々庶民の兄妹を王城に招き入れるなど。』
『そうですぞ姫様。いくら我々をお救いくださった彼等でも王城に招き入れるなど。王様だってお許しになるかどうか・・・。』
『黙りなさい爺!これは決定事項です。2人は王城に来て治療うけ、今晩宿泊されるのです。
王女の私が許します。』
『はぁー、姫様どうなっても爺は知りませんぞ。私はお止めになりましたからねっ。』
そう言うとエドワードは渋々2人を王城に招き入れる事を許したのだった。
『アリスもそれで良いわねっ!』
『はっ!姫様の仰せのままに。』
『アリスは話しが早くて助かるわ!それに比べて爺と来たら。まったく!』
こうして俺達兄妹は今晩王城に泊まる事を許されるのであった。直人達は王城につくやいなや直ぐに王様との面会を果たすのであった。
『其方が坂柳直人だなっ。この度は我が娘のエリーを救ってもらった事を感謝する。』
『勿体なきお言葉誠、恐縮至極でございます。』
『ふむ。さて、お主達兄妹に何か褒美をやらんとな。何が良い、何でも申してみよ。出来る限りの物は用意するぞ!金か?名誉か?』
『滅相もございません。我々は只々当たり前の事をしたまでなので褒美を受け取るなど。』
『ふーむ。これは参ったのう。そうだ!お主妹がおったな?その妹が目を覚ましたら妹に聞いてみるったのはどうだ?』
中々お互いに引かないのでここは妹に全て丸投げしてしまおうと考えた直人であった。
『分かりました。では、妹が目を覚ましたら私が聞いておきます。』
『ふむ。わかったそうしてくれ。では本日はこれに解散とする。坂柳殿、王城に部屋を用意したのでそちらで休むと良い。』
『ありがとうございます。では、私はこれにて失礼させて頂きます。』
直人は王様とエリーに会釈して部屋を後にした。
(さて、明日からはどうするか。教会に凛のクラスを確認してしばらく滞在する為に宿屋を探すか。それと、図書館に行って呪いの事も少し調べてみか。)