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聖女の妹の呪いを解く為今日も兄妹は旅をする  作者: 雨のち晴れ
ガロードの家族編【ガロード シーレ編】

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謎の少女 其の3

ガロード達は場所を移動して、さらに奥へと進んでいた。第二形態で少し大きくなったガルは身を丸くさせ、その中にレイナとニコルを隠す。ガルの前にシーレが周りを警戒しながら座っている。ガロードは一度街へと戻り、レイナとニコルの服を調達しているところだ。


「はあ、助けたはいいがどーいった服がいいのだろう。シーレに頼んでもいつになるかわからんし、2人で来てもあの子たちが危ないし。って、完全に俺は今場違いの所に居るし。」


ガロードは今、女性の服専門店に来ている。2人の洋服が無ければ街に戻ることができないからである。普段、こんな所とは縁がないガロードはキョロキョロしていて、とても不審者に見える。そんな時1人の女性が声を掛けてくる。


「何かお困りでしょうか?」


急に話しかけられたことで、姿勢が良くなり変な声が出る。


「はひっ!」


「はひっ!?」


「あ、いえ別に・・・・・。」


「何かお探しですか?良ければお手伝いしますが。」


優しく声を掛けて来てくれた店員さんにガロードは甘えることにした。


「あ、いや、えっと、きょ、今日は・・か、彼女へのプレゼントで洋服を選びに来たのですが、何を買ったらいいかさっぱりでして・・・・・・。」


「あ、なるほど。そーいう事でしたか。でしたら、その彼女さんの特徴を教えてもらってもよろしいでしょうか?」


「は、はい。えっと1人は俺より全然背が低くて、これぐらいで、もう1人は俺と同じぐらいなんですが・・・。」


「ん?お2人彼女さんが居るんですか?」


「あ!」


普段から慣れないことをするとガロードは、とんでもないことをしでかす。


「あ!彼女と、妹にです!あはははははは。」


「なるほどそーいう事でしたら・・・・」


ガロードは、自分では何も出来ないため店員さんの言われるがままに買い物をした。おかげで、予定の倍はお金を使ってしまった。洋服を買い終えるころにはすっかり日が落ちてしまい、急いでシーレの所に戻る。そんな事が起きてるとは知らないシーレは、レイナが起きたことにより事の顛末を身振り素振りで伝えようとしたが、全然伝わらない。


「んー。んー。ん-。」


「んー?んー?んー?」


レイナもシーレの真似をしてみるが全く意味が分からない。

結局、泣きそうになるシーレを抱いてレイナはガロードの帰りを待つ。すると、ニコルも起きる。


「ここは・・・・・。って、何処ここ?って何この魔物!え?え?え・・・・?」


当然状況がつかめないニコルもパニックになる。


「ニコル。少し落ち着いて。」


「落ち着く?落ち着けるわけないでしょ、この状況!どうなってるのよ!確か私達は・・・・そうだ!あの連中は何処?私達捕まっちゃったの?で、この服は何?何でこんなの着てるの?」


状況が全く理解できてないニコルに、レイナは思い出せるだけの説明をする。


「えっとねニコル、どうやら私達は助かったみたいなの。とてもひどいことをされたんだけど、そのことは覚えてる?」


「そ、そうだ。私はあの男どもに性的な仕打ちを受けたんだ・・・・。」


目に涙をうかべるニコル。自分たちが強姦にあったことを思い出した。


「そう、私達は男達に乱暴されたの。でも、すぐに1人の男の子が来て助けてくれたの。でも、その男の子は今いなくて、この子の話しではおそらく王都に行ってるみたいなの。何のためかわからないけど・・・・。」


「だったら、その子に聞けばよくない?」


「そうなんだけど・・・・・・。」


レイナは、抱いているシーレをみる。するとシーレが反応してしゃべり始める。


「んー。んー。」


「何言ってるのこの子?しゃべれないの?」


「どうやらそうみたい。さっきからずっとこの調子。」


それでも必死に何かを伝えようとするシーレだがガロード以外にはうまく伝わらない。そんな様子を見たニコルが、


「それより、街に戻りましょう。ここに居たらいつ魔物が襲ってくるかもわからないし。また盗賊や人攫いも来たら危ないし。」


そう言うと、ニコルは立ち上がってこの場を離れようとするが、シーレがそれを必死に止める。


「んー。ん-。んー。」


ここに居ろと、シーレが必死にガルの方を指さす!そして、ニコルをガルのもとまで連れ戻す。


「ここに居ろって事?」


シーレは大きく頷く。なんとか伝わったみたいでニコルもガルの側に戻る。


「それにしても、この子何なの?背中に小さな羽が生えてるし。ちょっと触ってみようかな・・・・・・。」


そんなニコルがシーレの羽を触ろうとしたとき、シーレはいつも通り歯を剝き出しにして怒る。


「ひゃ!びっくりした!何なのこの子!すごく怖いんですけど。」


「そうなの、私も触ろうとしたらものすごく怒ったの。だから触らないほうがいいみたい。とてもデリケートな場所だと思う。」


「な、なるほどね・・・・・・・・。」


「ここは大人しく朝が来るのを待つしかないみたいだね。」


そう言って、2人は朝が来るのを待ったのであった。

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