SランクパーティーVS堕天使
突然のデモンズウォーリアーズの参戦で驚いている直人。直人の所には、戦士のタクト。凛の所には魔道士のフレデリカと忍者のムラサメ。アリスの所には機工士のガイルと神官のミントが合流する。
「お前達、スカイセイントの手助けをしてやれ!こんなクズどもじゃ倒せるものも倒せねーからな!」
「ほーい」「はい」「承知」「チッ!了解」
デモンズウォーリアーズの参戦で、流れは一気に変わる。流石はSランクパーティー。タクトは、剣と盾を使いながら確実に魔物を倒していく。直人も、タクトが現れたことで敵が分散しMPを使わずに敵を倒している。凛の方も、前衛をムラサメが引き受けたことで本来の力を発揮できている。フレデリカも、ムラサメが敵を引き付けているおかげで、奴らの隙をついて魔法を撃っている。
「ムラサメどいて!範囲魔法で一気にかたをつける!」
「承知」
ムラサメが、忍術で敵の足止めをした後フレデリカが魔法を放つ。
「アイスニードル(氷の針)」
すると、フレデリカの周りにいくつもの氷の針が現れて一斉に魔物目掛けて飛んでいく。それに合わせて、凛もホーリーレインを放つ。凛の放った魔法を見てフレデリカとムラサメが驚く。
「なんと!」
「えっ!?攻撃型の聖魔法!?そんなの見たことないわ!本にも確か聖女様しか使えないはず。あなたまさか・・・・」
「話しは後です!今は目の前の敵に攻撃を!」
「わ、わかっているわよ!後でちゃんと説明しなさいよね!」
こうして、凛達の周りの敵は一掃された。時同じくアリスの方は。
「パラライズダガー」
「バーストショット(破裂の弾丸)」
アリスが、パラライズダガーで敵の動きを止めてその敵をガイルがバーストショットで頭を狙い破裂させる。こちらも即興での前衛後衛組だが、お互い息の合った連携をとっている。
(このメイド服のアリスとかいう女、うまく敵を散らしながら足止めして俺が狙いやすいようにしている。中々やるじゃねーか)
(流石はデーモンウォーリアーズの1人。あたしの動きに合わせて的確に頭を打ち抜いている。正確な射撃とその破壊力。実力は申し分ないわね。)
「おい、女!中々やるじゃねーか!気に入ったぞ!どうだ!?そんなパーティーに居ないでうちに来ないか?お前とならうまくやれそうだ!」
「それはありがとうございます。ですが、私は直人様に命を救われた身。この命が尽きるまで直人様の側にいるつもりなので、せっかくの誘いお断りさせて頂きます。」
「チッ!つれねーな!まあいい!そっちのパーティーに嫌気がさしたらいつでも来いよ!こっちはいつでも歓迎だ!」
「覚えておきます。」
アリスたちの方も、これで一段落ついた。いっぽう、直人&タクトの2人も順調に敵を倒していく。
「おい侍!俺が魔物のヘイトをとるからお前がとどめをさせ!いいな!」
「侍じゃなく、直人って名前があるんだけどな・・・・・。了解!無防備になった魔物を叩くよ!」
「スキル!挑発」
タクトのスキル挑発は一定範囲内の魔物の注意を一遍に引き受けるスキル。そのスキルを受けた魔物は一斉にタクトへと攻撃を仕掛ける。その敵を、直人が後ろから切る。こうして、直人達も粗方魔物の討伐を済ませる。
「さあ、どうするよ!堕天使さんよ!ご自慢の魔物達がドンドン死んでいくぜ?もう終わりか?これじゃ、あっという間におめーも死ぬな。」
「はあ、何てバカな人間なのでしょう。たかが数十体倒しただけで粋がるとはよっぽどのバカなのでしょうね?それなら、お望み通りあと500体ほど補充してあげますよ。」
「はん、上等!出せるもんなら出してみろや!」
タクトはアザゼルがこれ以上魔物が出せないととみており挑発を繰り返した。だが、
「アザゼル、兵を無駄にするな。この後の事も考えろ。あと2つ国を落とすのだぞ。兵力は温存しておけ。そいつは俺が殺してやる。」
どこからか声がして直人が空を見た瞬間、そこには見たことない堕天使がもう1体いた。次の瞬間無数の光が空から降る。すかさず直人が、
「みんな、避けろ」
直人は、全力で横に飛び攻撃を避けるが、タクトは盾を前にして構え防ごうとする。だが、堕天使の攻撃はタクトの盾をも貫通して胴体に穴が開く。同様に凛とフレデリカにも攻撃がいくのだが、凛とフレデリカはホーリーシールドで守られており、攻撃を弾く。アリスとムラサメは持ち前のスピードを活かし攻撃を間一髪のところで避ける。ガイルとミントは反応できずガイルは頭が吹っ飛び、ミントは下半身が無くなる。
「いややややややややあああああああ」
フレデリカの悲鳴が街に響き渡る。ムラサメも攻撃を避けた後すぐに、空に居る堕天使に向けて飛び掛かり攻撃するのだが、
「遅いな人間。まるで赤子のようだぞ?」
そういうと堕天使は、ムラサメの攻撃をかわして手刀でムラサメの胴体を真っ二つにする。
「な、なんだ・・・・・・と・・・・・。」
「ムラサメ!!!!」
気が動転して、堕天使に攻撃を仕掛けようとするフレデリカを凛が力ずくで制御する。
「放して!放してよ!あいつはあたしが殺す!」
「落ち着いてください!あなたまで死にたいのですか?ホーリーシールドも次は持つかわかりません。ホーリーシールドが破られたら、確実に死にますよ!」
「で、でも・・・・。みんなが・・・・。」
「それでもです!あれは次元が違います。今はここから逃げる事を優先してください。」
「俺が逃がすとでも思うか聖女さんよ!?お前たちはここで死ぬんだよ。」
そういって、堕天使が魔法を唱えようとしたとき、直人が空の堕天使に向けて高速で飛び掛かる。
【坂柳流零の剣 疾風迅雷】
「ふん、さっきの赤子よりは早いなだがこの程度で俺に勝てると思うなよ。虫けら風情が」
「凛、アリス!今のうちにその子を連れて門まで引け!あそこには馬がいるはずだ!その馬で、アグリアスまで戻れ!こいつらは俺が引き受ける!今直ぐにだ!行け!」
「で、でも!兄さんだけじゃ・・!」
「アリス!早く凛とその子を連れていけ!俺もすぐに追いつく!」
「・・・・・・・・・。わかった!アグリアスで待ってるわよ!死なないでね!絶対よ!」
「おう!任せろ」
「さ、凛さん行きますよ!魔道士のあなたも死にたくなければついてきなさい!」
「クッ・・・・。に、兄さん!アグリアスでお待ちしております!」
こうして凛とアリス、それからフレデリカ達はエリーの居るフィーレ王国の王都アグリアスに向かうのであった。
「3人共死ぬなよ・・・・・。」
第3章 ガロードの家族編へ続く。




