王都イザーク防衛戦 其の4
再び話しは直人達に戻る。
「そ、それが・・・・・・・・。」
その男は歯切れが悪く皆に今起きてる事を伝える。
「じ、実は、街の中央にある魔石が破壊されました。それによりシールドおよび魔道兵器が作動せずに、街の中まで魔物が押し寄せてきています。リーダー格の魔物は背中に黒い羽が生えており人間の言語をしゃべるようです。」
「なっ!」
「兄さん、そのリーダー格の魔物ってまさか・・・。」
「ああ、間違いなく堕天使だ。凛、アリス行くぞ!タニアさんと君とデーモンウォーリアーズの皆さんは街の住民を避難させるんだ!大惨事になるぞ」
3人は、街の中央にある魔石の場所へと向かう。なおも冒険者ギルドの中は混乱している。そんな中Sランクパーティーのデーモンウォーリアーズの面々は、
「何だか面白そうなことになって来たな。せっかくだしその堕天使と言われている奴の面でも拝みに行くか!」
「そうね!私達なら負けないわよ!なんてったってSランクパーティーのデーモンウォーリアーズなんだからね!」
「で、でも直人さん達は街の住民の避難が先だと・・・。」
「そんなの、そこいら辺の兵士にやらせればいいだろ!俺達は、その堕天使とやらを倒して武勲を上げるんだ!そうすれば、この国の王も俺らに従うだろうよ!けっけっけっ、楽しみで仕方ねー!よし、覚悟はいいな行くぞ!」
「オーケー!」「いっちょ暴れてきますか」「承知」「・・・・わかりました。」
こうしてデーモンウォーリアーズも直人達の後に続くのだ・・・・・・・・が。
「おい、おい、おい、いったいどうなってやがる。街中あちらこちらに魔物が溢れているじゃねーか。本当に魔石が破壊されたのか。」
「それよりタクト、まずは目の前の敵をどうにかしないと。」
「わかってる!俺が正面から突っ込むから、討ちそびれた奴をフレデリカとムラサメで倒してくれ!ミントのMPは回復用で温存しろ。殿はガイルお前に任せる。」
「任せてちょうだい」「承知」「わかりました」「任せろ」
「では、行くぞ!突っ走れ!」
デーモンウォーリアーズも魔物達を倒しながら直人達の後を追う。しかし、話しで聞いていた通り知識がある魔物も居るので思うように倒せなく中々前には進めない。いっぽう直人達はというと、
「凛、アリス!俺の後ろに居ろ!近くに寄ってきた魔物だけを倒せばいい!一刻も早く堕天使の所に行くぞ。」
「うん」「わかった」
直人もスキルを使い目の前に立ち塞がる魔物だけを倒していく。凛はホーリーショットで、アリスはスリープダガーで敵を無力化させていく。やっとのことで街の中心まで来た直人達が観た光景はひどいものだった。街の住民が一か所に集められており、堕天使自ら魔法を使い生きている人々を魔物の姿へと変えていっていた。
「こ、これは・・・・・・・・」
「おや!?これはこれはどこかで見たことある顔ですね?確か貴方達は・・・」
「アザゼル。」
そこに居た堕天使というのは、以前凛が攫われたときに居た堕天使アザゼルであった。




