王都イザーク防衛戦 其の1
子供たちを王都イザークに連れてきた直人達。3人は、アレクにお願いして村の子供たちの面倒を見てもらおうとタニアを通してアレクに面談を持ち掛けていた。
「アレク様、急な申し立て本当に申し訳ございません。事態は一刻を争うので。」
「全然構わないよ。それよりどうしたんだい?何かあったのかい?」
「はい、私達はギルドですぐ近くのトーリ村の魔物討伐の依頼を受けました。しかし、その村はすでに魔物の侵攻にあい村人は地下に隠されていた子供たちしか居ませんでした。子供たちの話しによると、大人たちは魔物に連れていかれてしまったみたいです。私達はすぐに連れていかれてしまった村人を探しに向かい1つの洞窟を見つけました。しかし、そこから出てきた魔物の襲撃にあいました。奴らはまるで人間の様に知性をもっており、撤退を余儀なくされました。」
「なるほど。それで王都から討伐隊を出して欲しいと?」
「それもありますが、生き残った子供たちを王都で面倒見ていただきたいのです。」
「村の生き残りの子供たちか・・・。うん。構わないよ!子供たちはこちらで引き受けよう!問題は、その魔物達だね。Sランクパーティーのスカイセイントでも手に負えないか。」
「はい、知性を持った魔物など戦ったことなかったので。討伐隊には、我々の他にもSランクパーティーのデーモンウォーリアーズにもお願いできないでしょうか?それとAランクパーティーをいくつか・・・。魔物の戦力がいまいち把握できていないので、それくらいは必要かと。」
「そうだね。最近、近くの村が次々と魔物に襲われているみたいだから何かが起こるかもしれないからね。父さんに掛け合ってみるよ。」
「ありがとうございます。私達も一度冒険者ギルドに行って討伐隊を募ってみます。」
「わかった。最悪王都からギルドに依頼を出すようお願いしてみる。」
こうして直人達とアレクは、対魔物戦にむけて動き出すのであった。
【???】
「さて、これで全ても魔物が集まったな。いよいよ王都イザークを陥落させる。使えそうな冒険者や兵士は私の所に連れてこい。魔物に改造して戦力にしてやる。」
「はは、仰せのままに。」
「クククッ。さぁ皆の者!王都イザークに向けて進軍だ。人間どもを駆逐しろ!1匹たりとも逃すな!」
魔物達は、王都イザークに向けて進軍を開始する。その数は1000体を超える。村人や冒険者を捕まえて、魔物に改造して知性を与え武器の扱いや陣形などを教え込んだ。
今、直人達は冒険者ギルドに来ている。どうにかトーリ村付近で見つけた魔物達の討伐に他の冒険者に手を貸してもらえないかお願いしているのだった。そこには、待機していたパーティーが何組かいた。その中にSランクパーティーのデーモンウォーリアーズもいた。直人達はまずタニアに事の顛末を話して、デーモンウォーリアーズも参加できないか声を掛けてもらおうとしていた。
「わかりました。私から彼らにお願いしてみます。少しお待ちください。」
そう言ってタニアはデーモンウォーリアーズに話しを持ち掛けた。
「はっ!Sランクパーティーのスカイセイント様御一行もお手上げってか?まったくだらしねーな。そんなでSランクパーティー名乗ってんじゃねーよ、雑魚どもが。」
「本当にダサいわね。同じSランクパーティー名乗るんじゃないわよ。おめおめ帰ってきて、手に負えないから私達に手を貸してくれって?まったく本当にムカつく。」
リーダーらしき男と魔道士らしき女がその様な事を言ってる横で、バツの悪そうな顔をした神官の女性が直人達に近寄ってくる。
「すみません。気にしないでください、いつもの事なので。何かあればいつもあんな感じで罵声あびせるんです。昔はそんなことしなかったのに、いつからかあーなってしまって。ごめんなさい。」
「いや、いいんですよ。俺達の力不足が招いたことなので。そんなに謝らないでください。」
「おい!エリス、何やってんだ!そんな雑魚と話してるとお前まで雑魚になるぞ!こっちに来い!行くぞ!」
「そうよ!そんな雑魚ほっておいて行くわよ!雑魚パーティーがつかえないから、私達が代わりに討伐に行くわよ!」
「え!?でも、一緒に行った方が。知性がある魔物だって言うし。人数は多い方が。」
「エリス、そんな雑魚が居ても足手まといよ!私達だけのが動きやすいでしょ!そいつらを守りながら戦ってたら、私達も死ぬわよ。」
「で、でも・・・・・」
「うるせー!早くしろエリス!俺達の力を思い知らせてやる」
【ドオオオオオオオオオオオン。】
音とともに地面が揺れる。まるで地震のように。
「おわっ。な、何だ!?地震か?」
そういっていると、冒険者ギルドの扉が勢いよく開かれ1人の男が青白い顔をして入ってきて
【バンッ】
「た、大変だ!!」
「チッ!今度は何だよ!この忙しいときに!」
「ま、魔物の大群がここに攻めてきた。」
男の一言を聞いて真っ先に反応したのは直人だった。直人は最悪の事態を想定していた。知識のある魔物が王都まで攻めてきたら、甚大な被害にあうかもしれないと。
「な、何だと!数はどれぐらいだ!?」
「か、確認できるだけでも1000体は居る。」
「1000体?そんなの魔道兵器で楽勝だろ。それに王都イザークにはシールドがあるだろ。そう簡単には魔物は入ってこれはしない。」
「そ、それが・・・・・・・・。」




