王都イザークの現状
王様との面会の次の日直人達は冒険者ギルドに来ていた。なぜかというと、ここを拠点とするSランクパーティーのデーモンウォーリアーズが今日、遠征を終えて帰ってくるからである。直人達が王都イザークに到着したときはすでにデーモンウォーリアーズは遠征に出ていた。なので、一目見ようと冒険者ギルドにやってきたわけである。
すると、時刻は正午過ぎ冒険者ギルドにの扉が開く。
「おう!帰ったぞ!」
腰には剣、背中には盾を背負ったガタイのいい男が言うと、その後ろから、神官であろう女性と、大きめの魔導師が被る帽子を被った華奢な女性、腰に銃を携える男、黒装束を纏う男の5人のパーティーが冒険者ギルドに入ってきた。彼らこそがこの王都を代表するSランクパーティーのデーモンウォーリアーズである。
直人達3人は入ってきたデーモンウォーリアーズを見る。すると、リーダーらしきガタイのいい男が直人達に気が付き、近寄ってくる。
「お前らが、今噂になっているスカイセイントか?」
「ああ、そうだ。俺がリーダーの坂柳直人、そして俺の隣に居るのが坂柳凛、そして後ろに居るのがアリスだ。」
「なんだ、お前達3人しかいないのか?」
「ああ、今のところ3人だ。俺達は凛の呪いを解くために旅をしている。冒険者か本職ではなくてな。旅の資金稼ぎや、高ランク冒険者しか見ることの出来ない文献を見るために登録したってだけだ。あんた達の邪魔をするつもりはないからSランクのクエストだけをやっているって事はない。」
「ああそうか、だったらくれぐれも俺達の邪魔だけはするんじゃねーぞ。」
「もとよりそのつもりだ。」
「ならいいんだがなっ!おい、お前達行くぞ」
「フンッ。私達の邪魔をしたらただじゃおかないからね!覚えておきなさい!」
そんな捨て台詞を吐いて魔導師風な女は冒険者ギルドから出て行った。
「し、失礼します」
神官の女性がが頭を下げる。
「何だか一癖も二癖もあるパーティーですね。」
「そうだな。あいつらには関わらない様にしよう。後々面倒だ。」
そう言って直人達は何かクエストがないものかと掲示板を見る。掲示板には魔物討伐や村の手伝い、護衛任務などが貼られている。その中で、直人達はBランクの魔物討伐依頼を手に取る。どうやら最近、村の作物が魔物達によって食い荒らされているらしいとのこと。
受付に行き、クエストを受注するとタニアさんが直人達に
「いつもありがとうございます。冒険者の数が少なすぎてクエストが溜まっていってしまうんですよね。これでは近くの村も魔物に占拠されてしまいます。このままだと・・・・」
「このままだと食料不足で内乱がおきると・・・・・。」
「そうです。王都の食糧は近隣の村からの仕入れで、その仕入れ先が無くなってしまったらたちまち混乱になり、王都の権力あるものが食料を独り占めして王都への食糧供給がストップしてしまう恐れがあります。」
「まったく。王都の住民は何をやっているんだ。自分たちの食糧を賄ってる村々をなえがしろにして、食料が尽きそうになったら権力にものを言わせて独り占めか・・・・・・バカげてる。」
「直人、とりあえず今はクエストにある村に行きましょ。現状を見てみないと何とも言えなさそうですし。」
「そうだな、とりあえずはこの村の問題を解決してからだ。」
こうして、直人達は魔物達から被害をうけているという村を目指すのであった。




