おてんばシーレ
シーレの事はガロードに任せることで話しがまとまった日の夜の事、
「じゃ、俺達は風呂入ってくる!」
そう言って皆が集まる部屋からガロードとエドワードが居なくなる。
「んー。んー。」
シーレが手をバタバタさせて何か言っているが、誰もわからない。
「しーちゃん、ガロード君達はお風呂に行ったから私達はここで待っていましょうね!」
「んー。」
納得のいかないシーレは頬を膨らませる。
「これ、ガロードが居ないとどうにもならないな。何でこんなにもガロードに執着するんだ?」
「さあ?私にもわからないわ。」
頭を悩ませる直人とエリー。
「間違いなくガロードと何か関係があるんだろうな。ま、ガロードに何か心当たりがあるか今度聞いてみるか。」
「じゃ、しーちゃん私達の部屋に行きましょう。」
「じゃ、私もそろそろ宿に戻ることにしますね。」
「了解。じゃ、送っていく。凛、シーレを頼んだ。」
部屋は、直人とガロード、凛とアリス、エリーとエドワードは別の宿をとってある。皆が寝るまではエリーと達は直人の泊まる宿屋に来ている。凛はシーレの手を取り部屋へと向かうのだが。
「ん-。」
ガロード居ないことで機嫌が悪い。そっぽ向いて歩いて行ってしまう。
「はあ、私には無理だ・・・・・」
心が折れかけている凛。するとアリスが、
「凛様はまだいい方ですよ。私なんかあきらかに敵視丸出しで噛みついてきますからね。」
部屋に向かう途中に、ガロード達の部屋があるのだがその前でシーレがドアを開けようとする。
「こらこら、しーちゃん。そこは兄さん達の部屋で私達の部屋はその奥よ」
凛は強引にシーレを抱き自分たちの部屋に行こうとするが、シーレは凛から離れようとする。
「こら!言う事聞きなさい!」
何とか部屋の中まで来たのだが、シーレはすごく怒っていた。
「んー。んー。んー。」
【ドン、ドン、ドン、ドン、ドン】
凛とアリスにそっぽを向き足で床を叩いて何か言っている。
「あー、早くガロード君戻ってこないかな。しーちゃんのお風呂とかこれどうしよう。」
「確かにそうですね。私達じゃ手に負えなさそうですね。」
さらなる問題に2人は頭を抱えて1時間がたった。すると
「ただいま。」
ガロードが帰ってきた。シーレはガロードの声を聴くと一目散に部屋から出ていきガロードのもとに向かう。
「んー。んー。んー。」
手を伸ばし何かを求めているシーレにガロードは、
「ん?どうしたシーレ?抱っこか?」
うんうんと頷くように手を広げるシーレ。
「ったく。しょうがねーな。そらよっと」
シーレはガロードの胸の中に納まる。
「ガロード君おかえり。もうガロード君が居ないときしーちゃんが暴れちゃって大変だったんだから。」
「そりゃ、なんかすまん」
シーレはガロードに抱かれながら凛達を見た後プイッとそっぽを向いてしまう。
「「・・・・・・・・・・・・」」
「へ、部屋にもどるわ。じゃ、じゃあな!」
ガロードは慌てて部屋へと戻る。部屋には直人が居て何やら本を読んでいる。シーレをベットの上に座らせガロードが
「な、シーレ。もう少し凛さんや姉さんに優しくできないか?」
するとシーレはそっぽ向いてしまう。
「あははははは。ダメだこりゃ。何でそこまであの2人を嫌うんだ?」
「ガロードに何か心当たりはないのか?」
「さっぱり。思い当たる事なんて何ひとつない。」
「そうか。謎は深まるばかりだな。」
こうして夜は更けていくのであった。そして、翌日事件は起きた。




