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聖女の妹の呪いを解く為今日も兄妹は旅をする  作者: 雨のち晴れ
旅立ち編

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30/85

堕天使シーレ

街へと戻って来た4人は・・・・・・。


「おいおい、何かあの子背中に翼ないか?」


「あ!ほんとだ何か小さい翼あるね。仮装でもしてんのか。」


「でも何か可愛くない?ぬいぐるみを大事そうに抱きしめてる姿とかマジやばい!」


「萌える。」


街の人たちは堕天使など見たことないので、誰も警戒などしていない。宿まで戻って来た凛たちは、


「大丈夫かな。兄さんならシーちゃんが堕天使だって一目見ればわかるだどうし。」


「もしかしたら、即座に切りかかるかもね。」


「だよね・・・・・。なんてったって堕天使だもんね。」


頭を悩ませる凛とエリー。すると、


「シーレちょっとこっちに来い。」


「んー。ん-。んー。」


ガロードの言う事はすぐに聞くシーレ。


「よっとっ」


ガロードはシーレを肩車した。


「これならすぐには攻撃してこないだろ。」


「んー。んー。」


ガロードの頭を楽しそうにポカポカ叩くシーレ


「いててててて。こらシーレ頭を叩くな。」


「んー。んー。」


今度はガロードの髪の毛を掴んだり、両手で目を隠したりする。


「いてててて。髪の毛が抜ける。ってこら、前が見えねーぞシーレ!」


「んー。んー。んー。」


すごくご楽しそうなシーレ。


「私たちは何を見せられているの。」


「私たちにはあんなことしないのに。むしろ何かすると怒り出すし。」


実際、凛とエリーがシーレとスキンシップをとろうとしたが、シーレは2人に対して怒りをあらわにする。手をつなごうものなら、嫌がりガロードの胸に飛びつく始末。そうこうしてるうちに宿へと着いた4人は。


「兄さんただいま!」「ただいま帰りました。」「ちーす」


「お!おかえり!3人とも・・・・・・・?」


直人はガロードの頭の上に居るシーレを見て呆然とする。


「おい、ガロード。その頭の上に居るのは何だ?まさか堕天使じゃないよな!?」


「え!?あ!?あ、あ、あははははは。何でしょうね?」


直人が刀を抜刀する。


「ちょ、ちょっと待った!落ち着いて!」


慌てて、直人を止めるガロードそして頭からシーレを下ろす。


「落ち着いていられるものか!堕天使は俺たちの敵だ!今すぐ殺す。そいつを渡せガロード。」


「いや、だから話しを聞けって!」


ガロードの横に居たフェンリルが主の危機を察知してか牙をむき出しにして姿を具現化する。


「ガルルルルルルル。」


「ちょ!フェンリルまで落ち着け!シーレ、フェンリルを止めろ!」


「んー。んー。んー。」


主が止めろと言ったのか、フェンリルは大人しくなる。


「兄さん、話しを聞いてくれ。シーレは悪い堕天使じゃない。俺たちに危害を加えたりしない。むしろ助けてくれたんだ!他の堕天使から!」


「何だと!他にも堕天使が居たのか!何処に居た!」


「街の外だよ。俺たちは街の外を散策していたんだ。その時に、イポスっていう堕天使とシーレが現れた。今思えば、俺たちじゃイポスには勝てないとわかっていたシーレが戦わずに逃げろってことを伝えていたのかもしれない。現にシーレはイポスから俺達を殺せって命令されたけど、戦うことを拒否したんだ。なぜだか分からないけど。」


「それでそいつを信じろと?信じられるわけないだろ!」


「んー。んー。んー。」


直人に対してシーレは怒っている。


「お前は黙ってろ!」


直人は殺気を放ちシーレをみる。するとシーレは泣いてしまいガロードの胸に顔を伏せる。


「おー、よしよし。シーレ怖かったな。」


ガロードはシーレの頭を撫でてやると、シーレは泣き止む。


「おい、何でその堕天使はガロードに懐いている。それにもう1体の堕天使はどうした?」


「何で懐いてるかはしらねー。凛さんやエリーが何かするとすごく怒るし、いう事聞かねーけど、俺の言う事は聞くみたいだ。それと、もう1体の堕天使は、俺たちが倒した!」


「なっ!それは本当か!」


「ガロード君の言ってることは本当よ兄さん。」


「そ、そうか。だが、堕天使が居るとなると街がパニックになりそうだな。」


「その辺は平気じゃないかしら?現に私たちがこの街に戻って来た時もシーレが堕天使って気が付いた人間いなかったし。誰一人堕天使の存在自体知らないんじゃないかしら。」


「確かに俺も最初は堕天使の存在など知らなかったしな。」


「だろ!?だからいいだろ!?シーレが一緒に居ても!こいつは俺の言う事なら聞くし。何かあったら俺が責任取るし。」


「ま、この堕天使を野放しにしたらそれもそれで問題か・・じゃ、責任もってガロードが面倒を見るように。」


「よっしゃ!よかったシーレ!」


「んー。んー。んー。」


嬉しそうに喜ぶガロードとシーレであった。


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