エリーのお願い
凛、エリー、ガロードの3人は街の露店を見て回っていた。
「凛ちゃん、おいしそうな匂いがする!!」
「エリーちゃん、さっき食べたばかりでしょ!」
「いいじゃない!こんな時ぐらいしか羽を伸ばせないんだから!今日はいっぱい楽しむわよ!2人もいいわね!」
「まったく、しょうがないな。」「へーい」
「ガロード君、どうしたの?元気ないね!?」
「いや、あんまりこういう事慣れてないし。修行してた方が気が楽なんだよね。」
「何よ!つまらないって言うの?」
「いや、誰もそんなこと言ってねーぞ!ただな、いつも1人で旅をしていたから人と関わるってことをあまりしてこなかったんだよ。」
「ふーん。そうなの!?ところで、ガロードは何で旅をしてるの?」
「ん?あ!そういえば話したことなかったな。俺は親父を探しているんだ。ガキの頃何も言わずに家を出て行っちまったんだ。」
「なにも言わずに?。お母さんどうしてるの?」
「母さんは、家に居るぞ!俺はこの国の人間じゃなく隣国のバルテス王国の出身なんだ。そこに母さんが今も親父の帰りを待ってるんだ!」
「よく、お母さんが旅をするの許してくれたね?」
「いや、反対してたぞ!無理やり出てきた!もう少し大人になってからにしなさいっていつも言われてたな・・・・」
「は?勝手に出てきたの?あなた馬鹿なの?お母さん心配してるんじゃないの?」
「いや、たまに手紙を書いてるから平気だよ!」
「そういう問題じゃなくて・・・・。夫は居なくなるは、息子は勝手に旅に出るはで、お母さん可哀想と思わないの?」
「そりゃ、確かに申し訳ないとは思うけど、あの糞親父を連れ戻して、謝らせる!それが俺の旅の理由。」
「今まで旅をしてきて、お父さんの情報とか何かわかったことあるの?」
「いや、全くない。何処に居るのかも生きているのかさえ分からん。」
「あんたね・・・・・・・。」
「じゃ、ガロード君!私達と一緒に行かない?私達も、呪いの情報とか、アリスさんの妹さんを探す旅に出てるし、これからも色々な村や街に行く予定だし!仲間は多い方がいいと思わない?」
「ま、1人だと限界あるしな・・・・・・考えとく。」
こうして、3人は自分たちの旅の目的を話すのであった。
「ね、凛ちゃんガロード!街の外に行ってみない?私も少し冒険したくなった!」
「ダメだよエリーちゃん。兄さんにも危ないからって止められてるの忘れたの?」
「もちろん覚えてるわよ!でも、少しだけ!少しで良いから!お願い!ねっ!ねっ!ねっ!」
「ま、いいんじゃねーの!?少しくらいなら。」
「ガロード君までなんてこと言うの!?兄さんとアリスさんに怒られちゃうよ!」
「平気よ!何かあったらあたしが責任取るわ!」
目をキラキラさせてエリーがお願いすると、
「しょうがないな。少しだけだよ!何かあったらエリーちゃんは私の後ろに隠れてね!」
「はーい!わかりました!では、いざ冒険の旅に出発!」
「あんまはしゃぐなよ!外には魔物もいるんだし。」
「わかってるって!ほら、早く行こうよ」
こうして3人は街の外に出ることとなる。