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『凛様・・・・・どうしてここに。』


そう泣きながら凛の顔を見て言うアリス。


『兄さんを1人しておけない。ただそれだけ。今まで守ってきてもらったから、これからは私が兄さんを守る。』


『調子に乗るなよ小娘が。俺に勝てると思っているのか!』


『あら?じゃ、私も聞きますけどたかが盗賊風情が聖女の私に勝てるとでも?』


『舐めやがって!タダで済むとは思うなよ!』


『ホーリーシールド』


凛が絶対防御の魔法放つ。盗賊のリーダーの攻撃は凛には届かない。


『クソっ!どうなってやがる』


『あなたの攻撃は残念ですが私には当たりません。』


周りの盗賊達も一斉に凛に攻撃を仕掛けるが全く当たらない。


『兄さんとアリスさんの手当てもしなくちゃならないのでもうこの辺で終わらせます。』


そう言うと凛は魔力を溜め始める。徐々に具現化したオーラが凛の身体を覆う。これまでにない程のオーラだ。

そして、凛はとっておきの魔法を放つ。


『ホーリーレイン』


上空にとてつもなく大きい魔法陣が現れ、凛を覆っていた魔力のオーラが一気に上空の魔法陣に吸い込まれていく。やがて、魔法陣から地上に向けてオーラの雨が降る。


『ぐあああああああああああああ!』


『な、何なんだこれは・・・うわあああああ。』


凛の放ったオーラの雨が盗賊たちを襲う。凛は日々鍛錬を行っており、MPも威力も上がっている。以前は、ホーリーレインを使ったら、その場で気絶したが今回はまだ余裕がある。


『殺しはしませんよ。あなたたちはこれから先ずっと後悔しながら生き続けなさい。』


こうして、凛奪還作戦は幕を閉じる。


【数日後】【王城の病室にて】


エリーが凛に、


『中々目を覚ましませんね。あれから3日経つのに。』


『MPも全て使い切ったうえにあの怪我じゃしょうがないと思います。』


凛は冷静にエリーの問いに応える。


アザゼルとの戦闘から3日たった今、直人とアリスは目覚めていない。あの後すぐにエドワード達が合流して神官たちが直人とアリスの手当てをした。2人とも致命傷は避けていたが、かなりのダメージを受けており、一刻の猶予も許されなかった。


その後、すぐに王都に運び本格的な治療が施された。


凛は後悔していた。あの時、なぜ直人だけを行かせてしまったのか。なぜ自分も行くと言えなかったのか。自分も行っていれば2人はここまでの怪我をしなかったのではないか。そう考えると自分に腹が立つ凛であった。


『凛さん、あんまり気に病まないでください。直人様が目覚めた時凛さんがそんな顔してたら悲しみますよ。』


エリーは悲しみに暮れる凛に対して言った。


『まったくをもって王女様の言う通りだぞ凛。お前にそんな顔は似合わない』


『!!!!!!!』


『兄さま』 『直人様』


『心配かけたな2人とも。俺はもう大丈夫だ!』


そう言って身体を起こす直人に


『兄さま、兄さま、ああ本当に良かった・・・本当に・・・うぐッ』


凛が泣きながら直人に抱き着く。さんな凛に対して直人は凛の頭を撫でながら、


『本当にすまない。いつも凛を泣かせてばかりだな俺は。』


『本当ですよ、いつもいつも心配させるんですから。』


そんな2人を見てエリーは、


『直人様、もう、本当に身体の大丈夫なのですか?』


『ああ、多少痛むところがあるけどこれぐらい平気さ!ところであの後どうなった?殺されかけるところまでは覚えているのだが。』


『その話はわしがしよう。』


ちょうど直人の様子を見に来たエドワードが言った。エドワードは事の顛末を直人に話した。


『そっか、結局また凛に助けられたのか。情けないな俺は。』


直人が顔を暗くすると、凛が勢いよく


『そんなことはございません!私はいつだって兄さんに頼ってばかりです。あの時も兄さんに頼りっきりで、なぜ自分も行かなかったのか、自分が行けば兄さんもアリスさんもこんな大怪我負わずに済んだかもしれないのに。だから、助けられてるのは凛の方なんです。』


凛は相変わらず泣いたままだ。


『わかった、わかった。そういうことにしておくから泣き止め凛。』


泣きじゃぐる凛にお手上げの直人。するとエリーが小声で


『ほんと、羨ましいな』


『ん?王女様何か言ったか?』


『いえ何も。それと、その王女様っていうの止めませんか?何か、私だけ蚊帳の外って感じなので。これからはエリーと呼んでください!いいですね!』


『いや、流石に王女様を名前で呼んだらいかんだろ。庶民だぞ俺は・・・』


『いいんです!私が許します!文句を言う人は死罪にします。凛ちゃんもいいですね?』


すると凛が驚いて


『凛ちゃん?・・・・ええええ凛ちゃん??』


『はい!私たちは同じ歳ということなので、凛ちゃんと呼ぶことにしました!だから2人ともエリーって呼んでください。王女命令です。』


すると2人は、


『『わかりました』』


渋々2人はエリーの言う通りにしたのであった。

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