小さな祭りの夜に—— 〜サプライズと、地図が導く新たな旅〜
夕暮れが金色に街を染めるころ。
ぽんたたちの小さな祭りは、
やわらかい提灯の灯りに包まれて、さらに賑やかさを増していた。
クロは本屋の前で焚き火を囲みながら、即興の読み聞かせをしていた。
りとはお香を焚いて、甘く優しい匂いを街に広げる。
こっくりさんはお菓子屋の前で、
「どら焼き早食い大会」を強制的に開き、
ぽんたが3回も喉を詰まらせるハプニングを起こしていた。
そして、夜もすっかり更けたころ――
「さぁさぁ!サプライズよぉお!!!」
こっくりさんが、何やら用意していた布をバサッと引いた。
そこには、大きな『木』が一本。
でも普通の木じゃない。
幹にはたくさんのリボンや鈴、小さなガラス玉が飾られている。
「願いの木よ!」
こっくりさんが得意げに言う。
「ここに願いを書いたら、きっと、街に残るわ。未来に残るわ。いいでしょ?」
みんなは目を輝かせた。
ぽんたは「たぬみち兄ちゃんにも届きますように」と短冊に書き、
クロは「もっとたくさんの本と出会えますように」と真面目に記した。
悠真は、筆をとり、
「ここでみんな、笑って暮らせますように」と書き込んだ。
りとは静かに微笑みながら、
「失ったものが、また芽吹きますように」とそっと短冊を結んだ。
こうして夜の街に、ひときわ美しい光が灯った。
⸻
しかし――
そのとき、ソウタが慌てた様子でやってきた。
「みんな、これ……見てくれ!」
ソウタが抱えていた荷物の中から、
ボロボロになった【一枚の地図】を取り出す。
「瘴気に飲まれる前……俺の村で大事に保管されてたやつだ。
ずっと、見つけたら届けようと思ってた」
みんなが集まって地図をのぞき込む。
そこには、
この地からさらに南へ進んだ場所に、
『失われた大聖堂』と呼ばれる場所が描かれていた。
「大聖堂…」
悠真は小さくつぶやいた。
それは、かつてこの世界で一番色濃い祈りが捧げられた場所。
もしかすると、もっと大きな奇跡が起こせるかもしれない。
「……行こう!」
クロが声を上げた。
「ここを作ったばっかじゃん!」とぽんたはジタバタしていたが、
最終的には「みんなで帰ってくるならいいや」と笑った。
こっくりさんも、
「仕方ないわねぇ。でも準備はちゃんとするわよ!武器とおやつね!」
と、しっかり者の一面を見せた。
こうして、小さな街を背に、
また新しい旅が始まる。
願いを抱えて。
未来を抱えて。
今度はもっと遠くへ、
もっと大きな光を取り戻すために。




