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新しい場所

瘴気がすぅっと消えていく。

まるで誰かが、優しく手で撫でてくれたみたいに。


悠真は、胸の奥から溢れるものを抱きしめるように目を閉じた。

ここに、街を作ろう。

たぬき村のみんなも、こっくりさんも、

ぽんたも、クロも、りとも、みんなで暮らせる場所を。


ぽんたが好きなお菓子屋さん。

クロがふらりと入り浸れる本屋。

りとが微笑みながら選べるお香のお店。

こっくりさんの、賑やかでちょっと怪しい雑貨屋さん。


「ここが、帰る場所になるといいな……」


悠真の声に、ふわりと風が応える。

まだ土ばかりの地面に、最初の一歩を踏み出した。


それは、確かに確かに、未来への扉を開く音だった。


空は高く、広がっていた。

祈りの社を中心に、みんなで地面に座り込んで作戦会議が始まった。

ぽんたは大きな葉っぱを引っ張ってきて、紙の代わりに使う。

悠真が筆でそこに街の地図を描き出す。


「まずは、みんなが寝られる場所が必要だよな」悠真が言うと、クロが手を挙げた。


「本屋の隣に寝床を作ろうよ。そしたら夜遅くまで本が読める」


「本屋優先かい!」とこっくりさんが笑う。


ぽんたは、はしゃぎながらお菓子屋さんの場所を指差した。

「ここや! 広いお菓子屋さん!でっかいどら焼きも売る!」


りとは静かに、お香のお店を社の近くに描いた。

「ここなら、瘴気も寄せつけない香りを焚ける……」


こっくりさんは、自分のお店を大通りの真ん中にドンと置いた。

「いーい?アタシの店はメインストリートよ!はずせないの!」


みんなが好き勝手に意見を出し合う中、悠真は笑いながら一つ一つまとめていく。


「じゃあ、まず大通りを通して、両側に店を作ろう。

社を中心にして円形に道を広げて、住む場所はその外側に作ろう」


ぽんたは住居エリアに丸を描いて、「たぬき村のみんなの家もここに並べるんや!」と張り切っている。


クロはちょっと恥ずかしそうに、ぽつりと付け加えた。

「動物たちのための広場もほしいな……夜に集まれる場所」


「いいじゃないの! そこにお祭り広場も作っちゃいなさいよ!」こっくりさんが背中を押す。


りとは少し考えてから、広場のそばに小さな泉を描いた。

「休める場所も必要だからね」


こうして、祈りの都のはじまりは、賑やかで、あたたかい地図から生まれた。

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