見つけた!
むにゃむにゃとぽんたが寝言を言う
「たぬみち兄ちゃん!あんな?どら焼きってお菓子が美味いねん!
あとな悠真が色を見せてくれたり自分の色も見つけてん」
夢の中でたぬき村に帰ってるのかもしれない
クロがここら辺で少し休憩しよう
みな同意だった
小さな湖の傍で久しぶりの澄んだ空気にほっとする
ぽんたをクロがそっと下ろし、みんなで湖のほとりに腰を下ろす。
湖面はまるで鏡のように空を映し、どこか懐かしい匂いがした。
りとはぽんたの寝顔をじっと見つめながら、優しく耳を撫でる。
こっくりさんは水面に向かって石を投げ、パチャリと小さな波紋を作ると、ふうっと息を吐いた。
「……こういう場所、もっと増えたらいいのにねぇ」
悠真は黙って、筆を取り出した。
湖畔に小さな花を描き、ぽんたの枕元にそっと咲かせる。
クロがにやりと笑って、「なぁ、今だけは戦いとか忘れようぜ」と言った。
誰も否定しなかった。
今だけは、ほんの少し、みんなで静かな時間を過ごしたかった。
ぽんたの叫び声でみんな我に返る
どうしたの!?こっくりさんが慌てて走りよる
震えるぽんたをぎゅっと抱き締めてあやす
りとも悠真も警戒態勢を崩さない
クロが偵察に出向こうとしてぽんたに止められる
見たんや…祈りの都!あったんよ!本当に!
興奮気味に喋るぽんたにみんなついていけない
ぽんたは涙目のまま、必死に言葉を繋げる。
「キラキラしててな、でっかい鐘の音も聞こえたんや!すごかったんやで!」
ぽんたの小さな身体は興奮と恐怖で震えている。
クロはそんなぽんたをじっと見て、そっと頭を撫でた。
「……たぶん、ぽんたが“呼ばれた”んだ。」
クロの言葉に、こっくりさんもりとも頷く。
悠真は静かに筆を握りしめた。
ぽんたの見た光景が、もし本当に祈りの都なら——そこに行かなきゃならない。
こっくりさんがぽんたを抱いたまま言う。
「行くしかないわねぇ。だって、せっかく扉が開いたんだもの。」
覚悟を決めた一同は、ぽんたの見た光景を頼りに、再び歩き出すのだった。
ぽんたちゃん?貴方ほんとに言ってるの?
こっくりさんが嫌そうに指を指す
そこは土と石で出来た1人やっと通れるくらいの狭さのけもの道
不思議そうに見つめ返すぽんたにこっくりさんはため息をつく
わかったわよお!行くわよ!もうこれ高かったのに…
こっくりさんは綺麗な服の裾をつまんで、ぶつぶつと文句を言いながらもけもの道へと足を踏み入れる。
後ろから悠真たちも、順番に続いた。
「しゃーないなぁ〜」とクロが小声でぼやきながら、ぽんたの背を押してあげる。
りとは静かに警戒を怠らず、周囲に目を配る。
――ゴツゴツとした岩、地面に這うような細い木の根。
どこまでも心細いけもの道を、彼らは慎重に進んでいった。
ぽんたは不安そうに振り返りながらも、一番最初に歩いていた。
彼だけが、あの“光”を見たのだから。




