8 書斎
1歳のマレナティーヌです。
散歩って、楽しいよね。 以前はずっと侍女に抱えられたり、ベビーカーに入れられたりして散歩していたけど、最近ではところどころ自分の足で歩いてます。 たくさんは歩けないから、侍女にところどころ抱えてもらいながら、毎日、屋敷や庭などを散歩している。 歩ける距離が増えているぜっ。 うれしい…
乳母に抱えられながら、外の庭を散歩をしていると、景色がよくて落ち着くところを見つけたんだ。 今日もなんだけど、最近毎回その場所で、敷物を敷いてもらって、寝転んでお昼寝しているんだ。 庭に寝転ばさせてくれるなんて、この世界ではあまりありえないことじゃないかな。
今日も庭で寝ていたはずなんだけどなぁ。 寝て起きたら、あらびっくり。 毎回、自分のベットの上にいるんだ。 乳母が私を運んでくれているんだね。 ありがたや、ありがたや。
そして今日から、屋敷にある書斎に行ってみようかな。 今までは、本を持ってきてもらっていたけど、今日からは自分で借りに行くんだ。 詳しくこの世界の基本情報が書かれてある本や魔法の本など、持ってきてもらったことがない本を借りたいなぁ。
ゆっくりゆっくり歩いたり、抱えられたりして…
やっと、図書館に到着だ~! 疲れた…
本棚に向かって、
トテトテ、ヨロヨロ。
あっ、あの本を読みたいなぁ。
「う、う!」 指をさしながら、本を取ってほしいアピール、アピール。
「この本ですか?」
「うん」
「その本は、今のマレナティーヌ様には、難しいと思いますけど…」
「う、う!」
「これですね。本を読みましょうか?」
ぶんぶんとまた、首を振る。 読んでもらうと、時間が長くかかるしね。 たまには読んでもらおうかな。
簡単な本から、だんだん難しい本を選んで読んでいきたい。 難しい本を読みたいけど、幼児が文字を読めることおかしいよね。 絵ばっかり見ているという設定にしようかな。 貴族って刺繍とか絵画とか音楽とかの嗜みとか必要なんじゃないかな? するなら、絵画したいいな。 踊りも捨てがたいけど。 絵をたくさん見て、絵が好きな子として認知されるようにしよう。 前世で小中高の時に風景画で賞を取ったので、絵を描けるはず。 一週間に一回は簡単にアニメのキャラを描いていたし。 アニメのイラストは関係ないか。 前世絵のパクリをして、教科書に出てくるような絵を描いて、私の絵が人気に… 元が上手くないといけないか。 この体では、絵を描く才能がない可能性あるね。 戦闘が強いのに絵が上手いっていいっ!
この本を読み終わったら、この世界の絵画について調べてみようか。
もっと本が読みたいよぉ。 こっそり本を見に行けるように透明化できるようになればいいんじゃない? でも、透明化になっただけでは、周りの目はごまかせないかも。 足音がたつだろうし。 その前に、成長途中だから、ゆっくりしか動けず、途中でくたばるだろうし… かといって、魔法で浮かぶと、魔法に誰かが反応するだろうし…
まあとにかく、透明になれる魔法習得、頑張るぞ。 実践するのは、足がよく動くようになってからだ。
魔法の練習をしたり、遊んだり、運動したりして…
毎日、有意義に過ごしてます!
定期考査、真っ最中。