2 情報と目標
異世界に生を受けて、3か月たったよ。 赤ちゃんだから、すぐ寝ちゃうよ~。 3か月間、生まれてからずっと、寝たり起きたりをたくさん繰り返しながら、前世やこの世界について、考え込んでたよ。 赤ちゃんだからか、時間の進みがはやい、はやい。
改めて、私から自己紹介をします。 私の名前は、マレナティーヌ・ポンフィ・ベヒシェタイン。 よろしく!
生まれた日は、体にできるだけ負担がかからないようにか、簡単な前世の情報しか思い出すことができなかったけど、寝て起きるごとに、あらびっくり。 頭の中に、前世の情報が、だんだんと増えていく。 熱は出なかったね。 運がいいのかな。 死因はあいかわらず、わからないけど。
赤ちゃんの姿、不思議な感覚。 産まれたばかりの赤ちゃんなのに、とんでもない速度で脳が成長しちゃった☆
生まれたては、周りがぼやけていたけど、世界の輪郭や色がはっきりわかるようになったね。視覚からの情報もゲット。
この世界、みんな前世の西欧人に似ていて、中世から近世のような文明度みたいだ。 便利なものを開発していきたいね。 調度品や服や部屋など、どこもかしこもキラキラしていて、きれいで、めずらしいものがたくさんあって、いろいろなものに目が向いちゃう。 異世界の服もやっぱり、現代のと違うなあ。 私が考えていた、THE 異世界 って感じ。
カレンダーは前世とだいたい同じだったよ。
曜日は、
日→光 月→無 火→火 水→水 木→土 金→風 土→闇 こんな感じかな。
この屋敷にいる、家族や執事、侍女、騎士、乳母など、いろいろな人たちからも、たくさんの情報が集まってきた。
疑問があっても質問できない。 赤ちゃんだし、なぜそんなことを聞くのかと怪訝な顔になると思うことも聞きたいからね。 限られた情報を分析して、組み立てていこう。
分かったこと。
ここは、国名はヴェルカー王国で、ここはベヒシェタイン伯爵領ってとこらしい。 王国は、1540年続いているんだって。 王様は、54代目。
そして、家族は、
領主の父 ティルマン・ジム・ベヒシェタイン 34歳
母 マリネット・アン・ベヒシェタイン 30歳
お姉さま エルティア・エレーナ・ベヒシェタイン 10歳
お兄さま ルーテリッヒ・マック・ベヒシェタイン 7歳
兄さま バガード・ジョン・ベヒシェタイン 5歳
こんなかんじで、6人家族なんだ。 兄弟たちは今、王都にいたり、友達の家にお邪魔したりしているんだって。
それと、これ大事! この世界、魔法があるようだよ。
空気中や体に流れている前世には感じたことのないものの正体は、魔力だった。
侍女さんが魔法でゴミを燃やしたり、庭師さんが植物に水をやったりしていたところを見たし、この世界に、魔法があることを確信したよ。
‟魔法が使える!? やったー!!" って、知ったとき、とても興奮したね。
力の差はあるけど、魔力は全員持って生まれるものらしいよ。 持っていないから差別というのは、ないみたい。
この世界の魔法ってどう使うのだろう。 魔法陣から魔法をかならず発生させるものではないだろうし。 特定の属性しか使えないのか、それとも、どんな魔法もイメージさえあれば使えるのか… 思いつくだけでも、使い方が何通りかある。 最後のがいいな。
とにかく、魔法を使いたい!! 前世なかったし。 憧れていたし! 剣も頑張りたいなあ。 めざせ、世界最強!
筋トレや秘密基地づくり、農業、部下をつくること、魔法使うこと、剣の習得、前世の知識を使った商売、冒険などを大きくなったしたい。 夢、いっぱい。
"みんなから、特に際立ったことがなくめだつことないため、凡人と思われているが、実は最強で、陰でこの世界を救っている!" ってのを目指すんだ! 中二病ww
赤ちゃんのうちから、今立て中の人生の壮大な計画を、実行するぞ!!
楽しい異世界生活のため、しっかり考え、行動する。
あせりは禁物だね。
ふわー… 赤ちゃんの体すぐ眠くなるんだよ。
でも、うぅ... おなかがすいた~
泣きたくないのに、涙が出てくるぅ~
いやぁ、赤ちゃんの時からの転生って、考える時間がたくさんで、うれしいんだけど...
恥ずかしいこともいっぱいある。
人呼びたいとき、あたりまえだけど、上手く発音ができないし。 まあ、急に大人のようにしゃべれたら怖いよね。 今回も、必要だから、気合を入れて泣かせてもらったおう。
「うぅ、うんぎゃー! おんぎゃー! おんぎゃーーー!」
うん、話すことができないこと、はずかしい。
うん、食事も恥ずかしいね。 もちろん固形物は、食べられないからね。 恥ずかしかったけど、本性にあらがえず、知らないうちに.....食事をしていた。 恥ずかしいけど、おなかいっぱいになれるから、ほしい。
今、ほしいよぉ~。 おなかすいたよぉ~
トイレとかもね。初めての時に、魔法を使って、解決してくれたから、魔法のわくわくのほうが勝ったけど。
ほんと、気にしないように頑張ってるんだよ。 ほめてくれ。
遅いなぁ、用事があるのかな。
あっ、私の泣くき声に気づいて、母がかけつけてくれた。 ほっ。 よかった。 食事して、寝ようかな。