⑤独り言
彼は、他の人間とは何かが違う。ナニが? って聞かれても上手く答えられないけど……。だから私は、彼に惹かれ、その生き方を何よりも尊重する。これからも、彼と一緒にいたい。
でも…本当は………。一番、彼の近くにいちゃいけない存在。
だって私は、この手で彼の大切な『両親を殺した』から。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
私の仕事は、人間の魂を狩ることだった。
『僕には、大事な妻と娘がいるんです。だから、た、助けて下さい。金なら払います。いくらですか? 何でも言ってください!』
私の前で両膝をつく男。
事務所の中は、先ほど首をはねた屈強な刺青男達のせいで、むせるような血の臭いに満ちていた。私は指をパチンッと鳴らし、その邪魔な燃えるゴミを地球上から消した。
『そうですか』
『まだ死ぬわけにはいかないっ!!』
『そうですか……はぁ…』
男は、机から出した拳銃で私の顔と腹に6個の黒い穴を開けた。
『……………わたし…に……は』
『大事な家族がいるんですよね? さっき、聞きましたよ』
私は、働くのが嫌い。
『さぁ、行きましょう』
『私…に……』
バビゅ、ジュルルルル!!
男の魂を丸飲みし、地獄の底へ強制連行。
『しつこいってば……。あ~、臭い臭い。なんて、不味い魂なんだろう』
私は【死神】。
働くのが、大嫌い。でも愚かな人間は、そんな私を少しも休ませてくれない。




