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死神ちゃん、笑って!!  作者: カラスヤマ
11/17

⑪日常

立ち入り禁止になっている学校の屋上。普段は不良達のたまり場になっているが、今の季節は寒くて誰も来ない。


フェンスに寄りかかり、灰色の世界をぼんやりと見ていた。


「黄昏過ぎじゃない?」


「ここから見る景色が好きなんだ」


「私も好き。はぁ~~。今日は、バイト休みだから自由だぁあーーー。シャーーーー!!」


背伸びして、拳を天高く突き上げる少女。足が、プルプル震えていた。


「………いやいや、バイト中も好き勝手やってるじゃん。ところで……あ、あのさぁ。えっ……と、ん~~んん~~。そろそろ一緒に住まない? ナタリもアパートの家賃払うの大変だろ。僕、一人だからさ………。空いた部屋使えばいいし」


「…………エッチぃことしない?」


「それは、約束出来ない。ごめん。ただ、今よりももっとナタリと一緒にいたい。それだけなんだ。いつも僕のそばにいてほしい」


「うん……。分かった。あっ! 頭にゴミがついてるよ。取ってあげるね」


ゴミを取ったついでに、神様は母親のような優しさで、僕の頭を撫でてくれた。誰にも見られたくない姿。


「今だけは私のこと、ママって呼んでもいいよ? 帰ったら、いっぱいいっぱい膝枕して甘えさせてあげるね」


「やめ…ろ、それ……」


「ハクシは、こういうの好きだと思ったんだけどなぁ?」


意地悪く笑う。


「…………」


カリっ!


「そんなとこ……噛んじゃ…ダ…メ」


甘噛し、照れ隠し。こういう行動が、いかにもガキっぽい。

夕陽よりも頬を染め。新たな癖が発動しそうな自分を必死に抑え込んでいた。


今のナタリとの生活が、僕の全てだった。

今までは、小説を書いては捨て、書いては捨てを繰り返してきたが、最近は書いた物を捨てずにとっておくようになった。小説は、自分を写す鏡だと思い始めていた。どんなに駄作でもそれが『僕』自身。まぁ……いつかは、過去の自分が何かのヒント、きっかけを与えてくれるかもしれないし。


ナタリは、そんな不完全で未熟な過去の作品群を楽しそうに読んでいた。


寝る前の静かな時間。


「天国って、どんな所? みんな、笑ってるイメージだけど」


「こことあまり変わらないよ。神様を頂点にしたピラミッド構造なだけ。普通」


「ふ~ん」


「でもハクシは、地獄行きだから全く関係ないけどね」


「あぁ…………うん。よく、そんな笑顔で言えるな」


「??」


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