43 アイラン救出準備
今日は、グバロの家に来ている。
グバロからカジノのゲームの説明を受けた。
グバロ「カジノで行われるゲームについて説明します。
ルーレット
サイコロのクラップス
カードのバカラ
カードのブラックジャック
の4種類です。
サイコロのクラップスと、カードのバカラでは、大きな勝負ができません。
景品を狙うには不適切です。
残るはルーレットとブラックジャックの2つ。
ルーレットの賭けの最高倍率は36倍で最も高い。
一方、ブラックジャックの最高倍率は2.5倍です」
グバロの家にはルーレット台もブラックジャックの台もあり、
台を使って、プレー方法を教わった。
グバロ「ゲームの進め方はお分かり頂けたと思います。
明日までに、どちらのゲームで勝負するか決めてください。
明日は、決めた方のゲームでの勝ち方をお教えいたします」
グバロの家から北第2広場に戻り、ピコル、パピ、マロの3人は作戦会議を行った。
ピコル「まっとうな勝負をしようと思わない。マロの友達に助けてもらいたい」
マロ「もちろんです。全面協力します」
ピコル「マロ、友達に協力してもらうとして、どっちが勝ちやすい?」
マロ「ルーレットですが、
皆、白い球の行方を目で追います。
少しでも、白い球に介入すると、皆に気づかれます。
残るは正攻法の予測ですが、
ホイールの特性、ホイールの回転速度、
ディーラーの投げ癖、台の特性等により、
球がどの数字に入るか決まります。
AIにより、予測するにしても、
試行回数が多い程、精度は上がります。
私達が1日に参加するゲーム数は多くても20回程度です。
このから実用レベルの予測を導き出すのはAIでは不可能です」
ピコル「そうなのね。ルーレットは難しいみたいだね。じゃあ、ブラックジャックは?」
マロ「ブラックジャックですが、
デッキのカードを透視できます。ですから、どのカードが配られるか、
事前に判ります。しかし、問題点があります。
ディーラーはプロですので、最適な戦略通りの行動でしょう。
しかし、プレーヤーは戦略を知らない者が混じるでしょう。
プレーヤーのとる行動が予測できない場合、
勝ち負けの予測の精度が落ちます」
ピコル「パピはどっちが良い?」
パピ「後の方だな。バカな奴は追い出せば良い」
マロ「右側のプレイヤー席を確保できれば、
そういう奴の影響を少しですが下げられます」
ピコル達はカジノランドでの勝負で、ブラックジャックを選択した。
次の日から、グバロにはブラックジャックの遊び方、
勝つための戦略を教わった。
デッキのカードを透視できる端末も連れて行った。
端末、マロ、ピコルとパピの連携を練習した。
端末がデッキのカードを透視し、数字の順をマロに知らせる。
マロは数字の順からベット額を計算し、ピコルとパピに通知する。
マロはヒットとステーについても指示を出す。
ピコル達は、グバロの指導で、1週間、ブラックジャックの練習をした。
端末、マロ、ピコル達の連携の精度が上がり、
プロ並みのプレーができるまでになった。
グバロ「カジノランドのブラックジャックの台には3種類あります。
1チップが金貨十枚の台、
1チップが金貨百枚の台、
1チップが金貨千枚の台です。
各台でプレーするには最低50チップが必要です。
景品を取る日には、
ビップルームの千枚台で、
プレーするだけの金貨が必要です。
必要な金貨は5万枚です。
手持ちの金貨は1万枚、
百枚台では、金貨4万枚を稼ぐ必要があります。
カジノランドに乗り込んだ1日目は、
十枚台でプレーしてください。
勝ち負けより、雰囲気に慣れてください。
2日目から8日目は百枚台でプレーします。
1日に金貨6千枚、60チップを稼ぎます。
9日目は休養のため、休みます。
10日目が本番です。
お二人に、必ず守っていただく注意点が、3つあります。
1つ目。1日に金貨1万枚以上、勝たないでください。
2つ目。通算で金貨5万枚以上、勝たないでください。
3つ目。景品が取れた後、稼いだ金貨の8割は、必ず負けてください。
カジノランドは遊び場です。
金貨を稼ぐ場ではありません。
以上を守れば、カジノランドは、
気持ちよく、景品を渡してくれます。
お二人のプレーは完璧です。
景品は取れます」
カジノランドに乗り込む前日、ミランと北第2広場で会った。
ピコル「明日、ポプカ島のカジノランドに行く。帰るのは10日後だ。
その時はアイランを連れてくる」
ミラン「頼む。それまで僕は何をしてたらいいだろう。
いてもたってもいられない」
ピコル「うーん。勉強でもしてたら。
気持ちを落ち着かせるには、何かに集中するのが1番」
ミラン「わかった」
パピ「ミラン、アイランが戻っても、襲っちゃだめだからな。
まづ、匂いを確かめろ」
ミラン「襲う?匂い?分からない」
パピ「お前、そんなことも知らないのか。
帰ったら教えてやる」
ミラン「ありがとう」
ポプカ島のカジノランドへは、専用の船が出ていた。
ホテルの部屋に入ると、服や靴は全て整えられていた。
グバロが全て整えてくれていた。
部屋で食事を取り、時間を待つ。
夜7時にメイドが来て、ピコルとパピに服を着せてくれた。
ピコルにはスーツが用意されていた。
曲線で立体裁断されていて、ピコルの体にフィットする。
腰の辺りは良く絞られていて、
ピコルのスマートな体形を官能的に見せる。
エリやポケットなどはラウンドカットされ、
女らしい、柔らかな印象であった。
スーツの色は赤に近いベージュで、落ち着いた色合い。
ピコルは一目で気に入った。
しかも、着ていて心地よかった。
一方、パピのスーツは直線的で、スタイリッシュ。
まあ、パピは裸の方が断然美しい。
衣装など邪魔なのだが。
暫くすると、グバロが迎えに来た。さあ、カジノへ出陣だ。
夜8時、カジノが開いた。
グバロが、金貨十枚のブラックジャック台を予約していた。
金貨10枚チップを、為替で、50枚買う。
グバロは案内人として、ピコルとパピの後ろに控えている。
この日は2時間ほど、20回ほどプレーした。
グバロの指示で、今日は上がることにした。
パピが1枚のチップをディーラーに投げ渡す。
ディーラーはチップをベストのポケットに納め、ウインクした。
ピコルとパピは、それを合図に席を立った。
チップは130枚になっていた。
グバロ「上出来です。素晴らしい。
容姿、態度、ゲーム運び、どれをとっても完璧でした。
お二人なら、王侯のお相手も勤まります。
明日からが、楽しみです」
マロの分析では、チップは180枚になる予定であったが、
プレイヤーの2人が、数回、戦略にないヒットやステーを繰り出し、
カード順が狂う。
しかし、それを除けば、端末、マロ、ピコルとパピの連携は完璧であった。
プレイヤーの熟練度や、能力の見極めも、重要な課題だ。
明日からは、この課題に対応できるよう、頑張ろう。
次の日は、金貨百枚のブラックジャック台で勝負する。
ピコル達は預けた金貨と為替で、50枚のチップを買った。
3時間ほどプレーしてチップは118枚にたっていた。
もっと、勝とうと思えば勝てるが、自然なプレーに徹した。
さすがに、金貨百枚台では、熟練したプレーヤーばかりだった。
殆ど、マロの読み通りに、カードが回った。
カジノランドで遊ぶ客は、昼間は買い物とショーを見て楽しむ。
カジノランドの広場では、一流の大道芸人による公演が、行われていた。
ピコルとパピは大道芸を見て過ごした。
曲芸師も公演を行っていたが、
パピの本気の曲芸を見ているピコルには、ショボく見える。
もしパピが公演すれば、パピはここでもスターだろう。
金貨百枚台でプレーするようになり、7日目で、
金貨は4万9千枚溜まった。
手持ちの為替は59枚。
これで、十分、金貨千枚チップを50枚買える。
明後日は決戦の日、金貨千枚台のあるビップルームの予約は完了している。
ピコル達がカジノランドに乗り込んだ日に、グバロが予約を入れてくれている。
おかげで、右は端のプレーヤー席を確保できていた。
最高のお膳立てである。
全ての準備が整った。




