表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
彩の異世界転生  作者: 巴空王
40/44

 40 マリオ一座

ピコル「ところで、マリベルとビアンカは幾つ?」

マリベル「私は11歳、ビアンカは8歳です」

ピコル「そうか。今度、人から年齢を聞かれたら、

マリベルは12歳、ビアンカは9歳と答えるようにね。

絶対だよ。12歳は成人と思われてる。

だから、悪い奴に捕まらない」

マリベル「分かりました」

ビアンカ「私も、分かりました」


ピコル「2人には、取りあえず、芸人になってもらおうと思う。

将来、他の職業についても良い。ステキな男性と結婚しても良い。

この町で、芸人をやっていれば、取りあえず食うことはできる。

どうだろう?」

マリベル「芸人?できるかしら」

ビアンカ「歌とか、歌うんですか」

ピコル「そうね。歌と踊りは出来た方が良いかな。

でもメインの芸はマリオにやってもらう。2人はマリオのアシスタントだよ」


パピによれば、マリオは人間の言葉、単語なら、かなり分かる。

驚いたことに、2桁の足し算はできるという。

マリオには、犬芸の才能があった。

ピコルはマリオの芸の構成を決めた。


 輪潜り1 掴みとして派手に

 物選び  客から指定された物を取って来る

 計算   2桁の計算。マリオにカードを選ばせる

 積み木  客の指定した物を積み木で組み立てる

 輪潜り2 フィナーレ。頭の上の輪をマリオが潜る


パピによれば、もっと高度なこともできるようだが、

これくらいでも十分、観客受けする。

早速、マリオ、マリベル、ビアンカに芸の練習を始めてもらった。

ピコルの感覚では1週間も練習すれば、客に披露できそうであった。


マリベルとビアンカにはタンバリンとカスタネットを買い与えた。

歌と踊りの練習もしてもらった。

2人共、音程、リズム感が良いので、すぐに、様になった。


今日はマリオ一座のお披露目である。

ピコル達が前座を務めた。

北第2広場でも、犬の芸は初めてで、珍しい。

マリオ、マリベル、ビアンカの連携もスムーズで、

違和感がない。上々の出来だった。

投げ銭も、初物のご祝儀で、大量であった。


ピコル「マリオは嬉しそうだな。動きのキレがすごいな」

パピ「マリベルとビアンカと遊べるから、

マリオは嬉しいって言ってる。

ピコルに感謝してるって。

今度、肉屋で骨を貰ったら、ピコルにプレゼントするそうだよ」


仲間の大道芸人達もマリオ一座を認めてくれた。

この調子なら、問題ない。

マリベルとビアンカは自分たちの力で、生きていけるだろう。


一方、「ユニヴの意思」である錬金術師ミランの捜索は難航していた。

捜索して1カ月が経過したがまだ見つかっていない。


ロイドの伝手で、情報屋を3人を追加で雇った。

情報屋の取りまとめは、ロイドにお願いした。

現在までに調べた地区は8地区。

4人で調べるので、調査は、あと、2カ月かかる勘定だ。


さらに2か月が経った。錬金術師ミランであるが、見つからなかった。

港町ケファには自称も含め、105人の錬金術師がいたが、

ミランを名乗る者はいなかった。

ピコルとパピの前には、ロイドが作成した、

錬金術師の一覧が置かれていた。


ロイド「済まない。見つけられなかった」

ピコル「居るのか、居ないのか、不明で、頼んだのだから、

この件は達成としたい。金貨10枚を渡す」

ロイド「いや、受け取れない。俺のプライドが許さない」

ピコル「しかし、困ったわね」


ユニヴの意思に間違いがあるとは思えない。

どうしてミランは見つからないのだろう。ピコルは考える。

現在、この町には錬金術師のミランは居なかった。

将来というか、少し先に、錬金術師に成る者で、ミランは居ないだろうか。


ピコル「ロイド、錬金術師に成るには、どうしたら良いか、知ってる?」

ロイド「錬金術師に成る方法は、1つは、錬金術師に弟子入りする方法。

もう1つの方法は、錬金術師の子が、親の後を継いで成る」


ピコル「ロイド、錬金術師の弟子で名がミランか、

錬金術師の子で名がミランの者を探してくれ」

ロイド「錬金術師の一覧がある。手間は掛らない」

ピコル「金貨10枚で足りるかな」

ロイド「ああ、足りる」


ロイドは1週間後には、この町の錬金術師、全員を調べた。

そして錬金術師の子で、ミランを1名見つけてきた。

ミランは錬金術師ダミラ師の息子で、

キエネ王国の大学に通っていたが、1月ほど前、帰って来たという。


ロイドの案内で、そのミランに会いに行くことにした。

ピコル達が公演を行う北第2広場から、

南東4Km程離れた工業地区。ここに錬金術師ダミラ師の工房がある。

ミランはその工房に住んでいるという。

ピコル達は錬金術師ダミラ師の工房を尋ねた。


ピコル「ミランさんに会いたいのですが。大道芸人のピコルと言います。

お取次ぎをお願いします」

女中さん「ピコル様、お待ちください。確認してまいります」


暫く待つと、女中さんが「ミラン様は外出中で、居ませんでした。

ただ、旦那様がピコル様に、ぜひ、会いたいと申しております。

会って頂けないでしょうか?」


ピコル達は錬金術師ダミラ師と面会した。


ダミラ「ピコルさんは息子、ミランの友達でしょうか」

ピコル「いいえ。面識はありません。

さるお方から、ミランさんが困っているから、助けろと命じられました」

ダミラ「さるお方とは」

ピコル「神様です」

ダミラ「… どうご返事してよいか」

ピコル「別に、信じて頂かなくても、構いません。

ミランさんは困っておられる。

ミランさんを助けるのが私の役目です」

ダミラ「そうですか」


ダミラは暫く考えていた。そして


ダミラ「ピコルさんの話で、腑に落ちました。

間違いなく、ミランは困っています。

私や友人では、助けられない事を、ミランは知っている。

多分、事情を話すと、不味い事になるのでしょう。

ミランは、私や友人を巻き込みたくないのでしょう。

だから1人で悩んでいる。

ミランは、そういう子です。

ピコルさん。どうかミランを助けてやってください」


ダミラは、ミランについて話してくれた。

ミランはこの工房での主産品である花火を極めようと、

キエネ王国王立大学で勉強していた。

今は3年生、卒業まで1年半あるが、

突然、大学を休学し、帰って来た。

ダミラはミランに事情を聞いたが、何も話さない。

幼馴染の友人になら、話すのではないかと思い、

友人を呼んだが、ミランは会わなかった。

帰って来てから、誰とも話をしない。

ダミラは、心配であるが、どうすることもできないでいた。


ピコル達は、女中さんから、ミランの居場所の心当たりを教えてもらった。

3か所、教えられた。

その内の1か所、運河の土手でミランを見つけた。

教えてもらった容貌、服装で、ミランと分かった。


ピコル「ミランさんですか。話がしたいのですが」

ミラン「今、忙しい。話はできない。1人にしてくれ」


ミランは話に乗ってこない。

話のキッカケすら、与えてくれなかった。


ピコル「困ったな。どうしよう」

パピ「ああいう手合いは、マリオだな。マリオに頼もう」

ピコル「マリオに?」

パピ「ああ、マリオなら、何とかしてくれる」


ピコルは半信半疑であったが、自分には手が無い。

それに、パピは正しいのだ。理由は分からないが。


その日は、北第2広場に帰った。

次の日、マリオ一座を連れて、ミランに会いに来た。

ミランは、昨日同様、運河の土手に座って、物思いにふけっていた。


パピとマリオが顔を突き合わせ、話している。

ピコルには、2人が何を話しているか、理解できない。

たぶん犬語で話し合っている。


マリオが、すたすたと歩いて行き、ミランの隣に行って、座る。

両者の間隔は1m。

ミランがマリオを見る。直ぐ、ミランは正面を見る。

マリオがミランを見る。直ぐ、マリオは正面を見る。

それを、何回となく、繰り返す。

ミランがマリオを見たとき、マリオが優しく「ワン」と吠える。

ミランとマリオは互いの顔を見ている。


パピ「マリベル、ビアンカ。マリオが二人を呼んでいる。マリオのそばに行って」


マリベルとビアンカはミランと挨拶をし話し出した。

暫くすると、3人の会話や笑い声が聞こえてきた。


パピ「マリオが俺達を呼んでいる。来いって。ピコル。行こう」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ