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彩の異世界転生  作者: 巴空王
32/44

 32 幽霊を救え1

カール達と臨時の旅芸人一座を組んで1カ月。

ピコル達は、今、ラオの国にいる。

今いる村を西に進めば、港町リュウだ。

一座として演目の調整が進み、新造の旅芸人一座と見えない。


ピコル「明日は、港町リュウ。着いたら、カール達はどうするつもり?」

カール「まだ決めていない。暫く、港町リュウで過ごそうと思ってる。

その間に、どうするか決めるつもり。

ピコルとパピはどうするの?」


ピコル「私達も、暫く、港町リュウに留まる予定。

何時までとは言えないけど」

カール「港町リュウについては事情が分からない。

色々不安がある。

旅芸人一座を継続してくれないか。

そうしてもらえると安心なんだけど。

お願いできないかな」

ピコル「それはこちらからもお願いするつもりだった。

あと、ケルガ達も港町リュウにいるはず。

ケルガ達次第だけど、彼らも含め、臨時の旅芸人一座を組みたいと思うの。

その方が、自由が利くから」

カール「そうか。その話、僕らも乗っけてくれないか?」

ピコル「良いわよ」


ユニヴの意思は、簡単に達成できるとは思えない。

臨時一座の継続はお互い、都合が良い。


午後2時を過ぎたころ、街道を進むピコル一行に港町リュウが見えてきた。

リュウは港町ルフより、規模が大きいようだ。

遠目に見ても、町の大きさが分かる。

ピコル達は東門の外にある駐車場で、荷馬車を預け、町に入った。


港町リュウの東門を抜けると、大きな広場があった。

広場の中央には噴水。広場の周りは商店が並ぶ。

広場の東、壁際には露店が密集し、賑やかであった。


広場のあちこちで、大道芸人が練習をしていた。

ピコル達は、手分けして、ケルガ一座の情報を集めた。

ケルガ一座の消息は直ぐ分かった。

彼らは南広場を拠点としているらしい。

南広場は東や西、北広場より、狭く、

新参の一座は南広場から公演を始めるのが習いだそうだ。


ピコル一行は東広場から、南広場に向かった。

南広場は東広場の半分ほど広さと聞いたが、

巡ってきた村の広場の3倍は優にある大きさだった。

広場のあちこちで大道芸人が練習をしていた。

その中に、ケルガ一座を見つけた。


ピコル「久しぶり。ケルガ」

ケルガ「ピコルにパピ。待ってた。

昨日も皆で、もう来る頃じゃないかって、話してたところだ。

公演が終わったら、ゴンゴでのお礼も兼ね歓迎会だ。ご馳走するよ」


ピコル「ケルガ。カールを覚えている?」

ケルガ「あ、お前は情報屋のカールか?」

カール「そう。今は旅芸人。ピコル達と一座を組んでもらい、旅してきた」

ピコル「ケルガ。私たちと臨時の一座を組んで欲しい」

ケルガ「大歓迎だよ。細かいことは歓迎会で決めよう」


ケルガはピコル一行を歓迎してくれた。

8人は臨時の大道芸人一座を組むことになった。

無理を言うことになるが使徒の務めを優先するため、ピコルとパピは非常勤としてもらった。


宴会の終わりごろ、ケルガ達にそれとなく幽霊について聞いてみた。


ケルガ「幽霊について知りたいって? ははは。

この町で幽霊は有名だからな。

幽霊好きはリリーだけかと思っていたが、ピコルもか。

リリーが詳しいから。

リリー! 幽霊についてピコルが知りたいって」


エミリーと話していたリリーが奥の席から、ピコルの隣に移動して来た。

リリーはこの手の話が大好きで、大道芸人仲間に聞きまくったそうだ。

リリーから興味深い話しが聞けた。


ここ1年ほど、この町には幽霊が出るという。場所は港の西。

時刻は午後11時から午前4時までの間。

月に5回ほどのペースで出没するという。

ただ、何時の日に出るかは決まっていないという。


ピコル「どんな幽霊なの」

リリー「お空の高い所を飛ぶみたい。

矢が届かないくらい高い所。

今は下の方には降りてこないそうよ」

ピコル「昔は下に降りてきてたの?」

リリー「そう、昔はね。

矢で撃っで、落とそうとした奴がいたそうなの。

でも、届かなかったて。

それ以来、下には降りてこないのよね」

ピコル「リリーは見たことあるの?」

リリー「ない、ない。

幽霊なんて怖くて見れない。

幽霊はとっても怖いの。

矢を撃った奴だけど、その人呪い殺されたって」

パピ「幽霊は夜なのに見えるのか?」

リリー「幽霊は黄や、紫、緑に光ってるんだって。

だから見えるって」

ピコル「色がついてるの?」

リリー「そう、不思議でしょ」


リリーの知識はここまでだった。


ピコルはもっと詳しく知りたかった。

そこでカールに情報屋を探したいと話す。


カール「僕はこの町に詳しくない。

ここは大きな町だから、情報屋の紹介所があると思う。

雑貨屋が情報屋の紹介所を兼ねている。

情報屋を紹介する雑貨屋の店名には特徴があるんだ。

店名が『サ』で始まり、『ン』で終わる。

これはサマルクランの神、別名、秘密の暴露神の名前にあやかっている。

その店で『ランガンの種』があるか聞くんだ。

奥にあるから、一緒に来いと言われれば、そこは情報屋の紹介所だ」

パピ「本当に『ランガンの種』を売ってくれた場合はどうなんだ」

カール「ランガンの木に実はならない。だから種もない。

売ってくる奴は奴は詐欺師だよ」


次の日から情報屋を探した。まづ、南広場付近から、

雑貨屋を探した。

たが、町が広いのと、不案内で、3日程かけても、

殆ど調べられなかった。

これでは雑貨屋を探す情報屋が必要になってしまう。


困っていると、パピが広場で遊ぶある年長の男の子に目を付けた。

10歳ほどであろうか。この界隈のガキ大将のようだった。


パピ「ピコル、彼奴(あいつ)に聞こう。彼奴、子分が沢山いる。

例の雑貨屋を知ってる子分がいるかもしれない」

ピコル「パピ。ナイスアイデア! 」


パピはそのガキ大将の元に走り、ガキ大将を確保した。

ピコルも小走りでガキ大将の元に向かった。


ピコル「そこの子。話がある」

ガキ大将「俺か?」

ピコル「この広場付近で、サで始まり、ンで終わる名の雑貨屋を探してるの。

知らないか?」

ガキ大将「うーん。知らない」

ピコル「友達に聞いてくれないか。お駄賃は出す」

ガキ大将「本当か? ちょっと待ってて」


ガキ大将はそう言って走り去った。1時間後、

子分だろうか。ガキ大将は子供5人を連れて戻ってきた。


ガキ大将「姉ちゃん。分かったぜ。こいつが知ってる」

子分の女の子「家の近くにサザン雑貨店がある。

でも、お客が入るのを見たことがない。

母さんは潰れているって言ってる。

でも入り口はいつでも開いてるの」


パピはガキ大将に銅貨5枚、子分には銅貨2枚ずつ渡して、場所を聞いた。

広場から、細い路地に入り、400m程、北東に行った所だった。

自分達だけでは探せない場所だった。

看板には「サザン雑貨店」とある。

ピコルとパピは店に入る。

5分程待ったが、誰も応対に出てこない。

ピコルはしびれを切らし、大声で、

「ごめんください。お客です。お客が来ました」


奥から、老人が現れた。


老人「元気の良いお嬢さんだ。して、ご用は?」

ピコル「ランガンの種はありますか?」

老人「あ~。奥にありますので付いて来てください」


奥にはテーブルがあり、ピコルとパピに椅子を勧めてくれた。

座ると、奥から青年が現れ、甘い香りのするお茶を出してくれた。


老人「どのような依頼で?」

ピコル「幽霊について調べてほしい。この町に出る幽霊についてです」

老人「して、ご予算は?」

ピコル「優秀な人でお願いします。予算の上限は切りません」

それを聞いて、老人は思案する。

試案すること5分。(長い!)


老人「適当な者が3名います。その中から予定の合うものを選び、向かわせます。

どこに居られますか?」

ピコル「南の広場のケルガ一座、大道芸人ピコルかパピを尋ねて。

芸人達に聞けば、分かるようにしておきます」

老人「では今日の夜までには、行かせます」


夜、11時、大道芸の公演は盛り上がり、もうじきフィナーレとなる。

背の高い青年がピコルを尋ねてきた。


青年「大道芸人のピコルさん、パピさんですか?」

ピコル「そうだけど」

青年「サザンの老翁の紹介で来ました。ミルズと言います。

幽霊の件と聞いていますが、詳しく聞かせてください」

ピコル「幽霊について、今、知ってること全部。

後、知りたいことの調査。場所の案内。あと専属でお願いしたい」

ミルズ「専属だとお値段が張りますが」

ピコル「いくら?」

ミルズ「私のランクですと、週金貨70枚です。

先払いで金貨30枚。必要経費は先渡しで」

パピ「払う。期間は2週間。1つだけ注意点。

もし、危険な連中が関わていたら、即、撤退しろ。

後はこっちで対応する」

ミルズ「お優しいお方だ。ありがとうございます」


ミルズの知っていることはリリーと大差なかった。

ただ、呪い殺されたのは本当だった。2名が呪い殺されていた。

最初の1名は石を当てようとした、若者たちのリーダー。

幽霊に石を投げた4日後、酒場を出た後、行き倒れて死んだ。

もう1名は弓の名手。こちらも、弓を射かけて3日後、

血を吐いて死んでいる。

それ以来、幽霊を見学しようという(やから)はいなくなった。


ミルズには目撃者を探して、聞き込みをお願いした。

聞きこむ内容は見た場所と、見た時間、幽霊の色、幽霊が進んだ方向である。

それを一覧表にまとめてもらった。

ミルズは優秀であった。

2週間で200人程、目撃者を尋ね、情報を収集してきた。


その情報を元にピコルはパピとマロで会議を開く。

マロには町の地図とミルズの集めて情報を整理統合してもらった。

マロはミルズの集めた幽霊の情報を元に、3Ⅾの航跡情報を作成し、地図上にプロットする。

そのイメージを心話虫を通して3人で共有した。

3人の目の前には港町リュウの地図と幽霊の航跡が立体的に浮かび上がる。


ピコル「幽霊の進むコースは皆、南から北。

場所もリュウの港の西端を通て海に進んでる」

パピ「幽霊は、西門の外、街道の南から飛んでくるぞ」

ピコル「そうね。幽霊も飛び立つ場所が決まってるみたいだね」

マロ「本当に幽霊でしょうか?

私には風船か気球のように、思えるんですが」

パピ「風船?、気球? 何のこと?」

ピコル「空に浮かぶオモチャのこと。作り物」

パピ「幽霊は作り物なのか?」

マロ「実物を見て判断しては、いかがでしょう」


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