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彩の異世界転生  作者: 巴空王
26/44

 26 村の秘密1

港町ルフを旅立って、3カ月が経った。

ピコル達はシウナの国、タジタンの国はもう、通過した。

今はチランの国を進んでいる。

旅は順調であった。

昼前には、チランの国の3番目の村に入ることができた。


村は遠めに見ても大きく、豊かに見えた。

村の中央広場は、今まで通過して来たの村の中で、一番広かった。

商人や荷を引いた馬車が行きかう。

広場に面した商店も30軒以上あり、買い物をする人が集まっていた。


今日は、久しぶりに、大勢の観客の前で、公演が出来そうだ。

既に広場には大道芸人が1組、公演の準備をしていた。

ピコルはその大道芸人と交渉し、今日、

ここで、一緒に公演させてもらうことを決めた。


大道芸人が村が豊かな理由を教えてくれた。

この村の北西に金鉱山があるという。

その金鉱山に食料や雑貨を卸す商会が、この村には多数あり、

そのお陰で、村は潤っているという。


この村での公演は大いに盛り上がり、大盛況であった。

聴衆は200人を超えていた。

久々に、ピコルとパピは気分よく芸を披露できた。


公演が終わると、ピコル達、大道芸人に、かっぷくの良い男が声をかけて来た。

男はこの村の村長であった。

大道芸人に食事を振舞ってくれるという。

こういう御呼ばれは、断ってはいけない。大道芸人の常識だ。


振舞われた食事は豪勢だった。

肉、ベーコン、チーズ、野菜、果物、デザートと、美味しいものばかりだった。

食事の後、歓談の最後に、

村長は真顔になり、あるお願いを切り出してきた。


村長「2組の大道芸人一座の方、お願いがあります。

このお願いの内容は、他言無用でお願いします。よろしいですか」


ピコル達も、大道芸人一座も村長のお願いを聞くことにした。


村長「お二人方に、それぞれ、1名、

この村の子をもらって頂きたいのです。

子供は3歳、頬にガウイ族の奴隷紋はありません。

皆様で自由民として育てて下さい。

お願いできないでしょうか」


子を大道芸人に預ける?

ピコルは疑問に思う。

理由を聞こうとした時、パピが先に答えていた。


パピ「断る」


ピコルはハッとした。

自分はなぜ、理由など聞こうとしたのだろう。

自分は目的のある身、この申し出は受けられない。

パピはいつも私を助けてくれる。

ありがとう。パピ。


ピコル「村長、お受けできません。

お受けできない理由もお話できません」

村長「残念です。この話は忘れてください。お約束願えますか」


村長はもう1組の大道芸人と話をしていたが、

もう一方の大道芸人も断ったようだ。


村長は快く引きさがってくれた。

ピコル達、大道芸人も、誰にも話さないと誓った。


最後に葡萄酒が振舞われ、食事はお開きとなった。


帰ろうと席を立とうとした時に、異変に気付く。立てない。

それに、猛烈に眠い。気を失いそうになる。

パピはと見ると、無理に立とうとして、椅子から転げ落ちた。


2人の異変は心話虫からマロに伝えられた。

緊急事態だった。

ピコルもパピも意識喪失寸前であった。


マロは即、行動に移る。

マイクロマシン薬のカプセルを2個作る。

ピコルの顔に近づき、口にカプセルを1個押し込む。

次に、パピの顔目掛け、ジャンプ。

口にカプセルを押し込む。


直ぐに、マイクロマシン薬から検査結果が届きだす。

血中に変な物質がある。


マロ「毒か、違うな。睡眠薬か」


ピコルもパピも睡眠薬を飲まされたようだ。

マロはマイクロマシン薬に指令をだす。


マロ『睡眠薬を中和せよ』

マイクロマシン薬『了承。睡眠薬の対抗薬を放出中。中和完了まで、5分』


マイクロマシン薬は命令を実行する。

マイクロマシン薬から5分で中和は完了するとの報告が上がる。


村長は大道芸人を1人づつ眠っているか確認していく。

全員が眠りについたことを確認し、部屋を出ていった。


村長が部屋を出た直後、マイクロマシン薬から中和が完了したとの報告が上がる。


マロは心話虫で、話す。

マロ「ピコル、パピ、起きて! 」

ピコル「うーん。起きた。どうなったの?」

パピ「もう起きてる」


マロ「葡萄酒に睡眠薬が入れてありました」


パピ「村長か。ぶっ飛ばしてやる! 」

ピコル「パピ、それは無し。ここから逃げよう」

パピ「分かった」


ピコルとパピは立ち上がる。

パピが大道芸人一座を見ながら。


パピ「ピコル、こいつ等どうする」

ピコル「ここに置いていくと、たぶん、殺される。

一緒に連れていくしかない。

マロ、この人たちを起こしてくれない」

マロ「分かりました」


マロは大道芸人達にマイクロマシン薬のカプセルを与えていく。

暫くすると大道芸人達も正気を取り戻した。

ピコルは大道芸人達に事情を説明した。

そして、逃げようと提案した。


その時、ドアの外から大勢が近づいてくる音が聞こえた。

ドアが開き、村長と男8人が部屋に入ってきた。


男「村長、寝てないぞ。薬は盛ったのか?」

村長「盛った。寝ていることも確認した。起きやがったか。

まあ、抵抗するようなら、少し痛い…」


パピは村長が話終わるのを待たず、高速動作モードに入る。

そして村長と男8人の顎を手でヒネって行く。

皆、脳が揺さぶられ、脳震とうになった。

村長と男たちはその場で、崩れ落ち、床に転がった。

起き上がろうとしてはヨロケ、倒れる。

それに喋ることもできないようだ。


パピ「動けなくした。1時間は立てない」


ピコルと大道芸人達は大急ぎで、村を逃げ出した。

ピコル達は西に行きたいので、街道を西に逃げる。

助けた4人もピコル達に付いてきた。


1時間半ほど小走りに走った。

ピコル達についてきた大道芸人達は疲れてしまった様だ。

ピコル達にペースを合わせられず、遅れだした。


ピコルは頼る大道芸人達を見捨てるのは可哀そうに思った。

それに村からは10kmは離れたろう。

村長たちもここまでは追わないだろう。


ピコル「パピ。付いてきた子たちは、これ以上、走れない。

休めないかしら」

パピ「分かった」


街道を外れ、野営をし、休むことにした。

野営の中、大道芸人4人は礼を言い、改めて自己紹介してきた。


男「俺はケルガ。この一座のリーダーだ。

年は16歳。楽器は笛。歌も歌う」

女「私はキャロライン。17歳よ。

踊りと歌、楽器はタンバリン、カスタネット」

少年「俺はエド。12歳。キャロラインの弟。歌とダンス」

少女「私はリリー。13歳。ケルガの妹。歌とダンス」


ピコル達も自己紹介した。


ケルガ一座はタジタンの国から

金鉱山都市ゴンゴへの興行旅の途中であった。


翌朝、野営を終え、ピコル達が西に行く準備をしていると、

ケルガ達はもう出発するという。


ケルガ「ゴンゴに夕方までに着きたい。

俺達は少し、早めに出発する。

パピ、ピコル。本当に助かった。

改めて礼を言う。ありがとう。

これでお別れだ。

良い旅を」

ピコル、パピ「良い旅を」


ケルガ達が出発し、小1時間程経ったとき、マロが緊急を告げた。


マロ「ケルガ一座が襲われています。街道。西500mの地点。

相手は8人。人間です。馬と馬車に乗っています」


ここから500mか。

この距離であれば、パピなら助けられるかもしれない。

ピコルはそう判断する。


ピコル「パピ。助けてあげて。

お願い」


パピ「分かった」

パピはそう言うと、風のように走って行った。

ピコルは自分たちの荷を草陰に隠し、パピの後を追った。


パピが現場に到着するとケルガとエドが木の枝で戦っていた。

しかし、相手は鉄の刀を持っていた。

ケルガもエドも体を切り付けられ、服は血で染まっていた。

キャロラインとリリーの姿は見えなかった。

そこにパピが参戦した。

ここら一帯は粘土質で、石は転がっていなかった。

パピは粘土を握り、丸め、泥玉を作り、それを投げた。

パピの投げた泥玉は1人の頭に当り、気絶させた。

次にパピは泥玉を暴漢の乗った馬に当てる。

馬が暴れ、襲っていた者たちは思うように戦えなくなった。

パピの参戦を受け、これ以上の戦いを終わらせ、襲撃者は逃げていった。


ピコルが襲撃場所に着いたのは、襲撃者が逃げ出した後だった。

ピコルは血で染まるケルガとエドを見つける。

急いで体の状態をマロに確認してもらう。

2名とも傷が深い。

ケルガは喋れる状態では無かった。

ピコルの呼びかけに応答するのがせいぜいだった。

エドはパニックで泣いていた。

泣きながら、リリーを守れなかったことを謝っている。


ピコルはパピと一緒に、2人を街道の横の木陰に運ぶ。

マロに繭を出してもらい。シェルターを作った。

マロはマイクロマシン薬を2名に投与した。

ケルガが動けるようになるには4日、エドは3日掛る。

ケルガとエドは薬に任せることにした。


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