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彩の異世界転生  作者: 巴空王
1/44

  1 彩

私は太田彩おおたあや、16歳。JK。

地方都市の公立高校に通う1年生だ。


彩のプロフィール

身長 159cm(前は160cmだった、

         もう縮んだのか)

体重 秘密

体形 普通

お付き合い

   なし(彼氏いない歴16年)

趣味

   雲を眺める(夢は気象予報士)

   非開示(ネット小説の悪役令嬢モノ)

コンプレックス

   胸がチョイ控えめ

   髪の毛がちじれっ毛(油断すると爆発)

   産毛が多い(少し黒い)

   足が臭い

   (我が夫となる者よ。これは第一の試練だ)

   左右の胸の大きさがチョイ違う(極秘事項)

   女の子のイヤらしい所にホクロがある

   (超極秘事項)

   これ以上は非開示(ヤバくて開示不能)

あだ名

   あやっぺ(小学生時代からの友達のみ)


家族構成

   父(40歳)地方公務員

    (髪が薄くなったと嘆く

     お父様、ご安心ください

     誰もお父様の髪の毛に関心はございません)

   母(39歳)保健師

    (私が昔、好きだった〇〇ライダーの

     美男子俳優達に夢中、

     番組は録画し3回以上見る)

   私(16歳)普通の高校生

   弟(13歳)中学生

    (突然変異で生まれた子

     現在、将棋の奨励会一級

     違う次元で生きる宇宙人)


私は、ごくありふれた女子だ。

私は昔から、女子女子したことが苦手だった。

小さい時から、お人形とか、

ぬいぐるに興味が無かった。

5歳の誕生日に、〇ターウォーズの

ライト〇ーバーのオモチャをねだり、

父母を驚かせた。

女子女子した服装も苦手だ。

3歳の七五三で、着物を着るのを嫌がり、

盛大にグズる。

7歳の七五三で、パンツルックでお宮参りをした。

これには父母、ジジババ達を大いに嘆かせた。

今通う高校には、パンツルックの制服がある。

これが、この公立高校を選んだ理由である。


かといって自分が男だとかとは、思っていない。

当然、女と思っている。

女の子にエッチな興味もない。

BLは読んだことはあるが、別惑星の話に思えた。

男にはもちろん、興味がある。

彼氏いない歴16年を過ごしてきたせいか、

このごろ思うのだ。

私を夢中にさせる男など、この世に居るのだろうか。

私を夢中にさせる男は、どんな男だろう。

まったく想像できない。

早くめぐり合ってみたい。

燃えるような恋がしてみたい(はっはっはっ)


     *     *


今日は水曜日、部活休止日である。

5限が終わり、一斉下校が始まっている。

私は友達のグリ子を、一緒に帰ろうと誘う。

2人で、1学年指定の自転車置き場に向かった。


グリ子は本名ではない。もちろんアダ名だ。

もし、本名がグリ子だったら、

その子の両親の常識を疑う。


余談だが、グリ子のアダ名の由来を紹介しよう。

ある事件が起こった。

小学5年生の時、大胆にも、

グリ子は朝の2時限目に早弁ならぬ、

お菓子のつまみ食いを、敢行した。

国語の時間だったが、教科書を盾にお菓子を隠し、

つまみ食いする。

グリ子の席は教室の最後尾で、後ろには誰もいない。

グリ子はバレないと、思ったのだろうか。

だが、担任にはバレバレであった。

教室全体が爆笑の渦に包まれた。

担任も笑いが静まらず、その日の国語の授業は以降、

中止となった。

つまみ食いしたのは、某メーカーのお菓子であった。

アダ名の「グリ子」はそのメーカー名に由来する。


グリ子はクラスでは「おしとやか」グループの子で、

このような大胆な行動とは、無縁と思われていた。

グリ子に事情を聞く。

グリ子は朝食をしっかり食べて、登校してくるのだが、

朝の2限ごろになると、お腹が鳴るという。

彩もグリ子のおなかが、可愛くキュルと鳴くのを、

聞いていた。


小学5年生、女の子は男の子を意識する、年頃である。

グリ子にとって、恥ずかしく、

何とかしたかったのだろう。


大胆なグリ子の行動は、私のハートをぶち抜いた。

以来、大親友として現在に至る。


彩とグリ子は、自転車置き場から、

自転車を取り出していた。

彩が校舎の方を見上げると、校舎の屋上に人が見えた。

遠いから小さく見えたが、彩は誰か判った。

小学生からの友人の青菜あおなであった。


彩「今、第二校舎の屋上に青菜が見えた。

第二校舎の屋上は立ち入り禁止だったよね」

グリ子「青菜ちゃんが居たの?」

彩「今は見えなくなった。確かに青菜だった」

グリ子「青菜ちゃん、

2週間くらい前から学校休んでた。

隣のクラスだから絶対じゃないけど」

彩「ちょっと気になる。行って見てくる」

グリ子「あやっぺ。あたし今日、

じいちゃん家の手伝い。

先に帰るよ。いい?」

彩「ああ、勝手かって言ってゴメン。先に帰って」


彩は第二校舎の屋上に向かう。

一斉下校のため、(ほとん)ど生徒とは行き会わなかった。

彩が屋上に通じる階段を上ると、

屋上のドアは鍵が刺さったままであった。

ノブを回し、彩は屋上に出る。

彩は屋上を見回し、青菜を探した。

青菜は北側のフェンス前に立っていた。

彩は青菜を驚かさないよう、ゆっくり近づいていく。


彩に緊張が走る!

青菜は靴を脱いで、フェンスの前に立っている。

靴の上には封筒が見える。


10mまで近づき、優しく声を掛ける。


彩「青菜ちゃん、久しぶり。元気してる?」

よく見ると青菜は泣いていた。

彩「近くに行くよ。いい?」

そういって、5mまで近づく。

そして優しく声を掛ける。

彩「こっち、見てくれる。青菜ちゃん」


青菜が振り向き話す。

青菜「あやっぺ。お願い。それ以上近くに来ないで」


彩「分かった。近づかない。話できる?」

青菜「うん。少しだけなら」


彩「事情、話せることある。聞かせて。お願い」

青菜「うん。

私ね。お腹に子供がいるの。

マー君との子供。


マー君に話した。子供ができたって。

そしたら、マー君の父さん、母さんがうちに来て、

私の父さん、母さんと話した。

母さんが言うの、子供はまだ早い。堕胎だたいしなさいって。

私、いやだと言った。

だって堕胎って、殺すことでしょ。


そしたら、マー君が来て、

マー君とマー君の父さんが土下座して頼むの。

マー君の母さんは手お合わせて(おが)むの。

お腹の子を殺せって。


私、今日、学校を退学した。

明日、病院に連れていかれる。

そしたら、この子を殺される。

何も悪いことしてないのに。

生まれる前に殺されて、一人で天国に行く。

そんなの(さみ)しいでしょ。

一人で天国に行くなんて。

私、この子の母さんなの。

この子を一人で天国に行かせない。

私も一緒に行ってあげようと決めたの。


最後にあやっぺに会えて良かった。

手紙は書いたけど、

私、文章下手だから、マー君や父さん、母さんに

上手く伝えられるか心配だった。

あやっぺは頭いいから、うまく伝えてくれるよね。

安心して天国に行ける。


後はよろしくね。あやっぺ」


青菜は振り向きざま、フェンスに手を掛け、

軽々と体を持ち上げ、フェンスを越えていく。


彩は「青菜! 」と叫び、

青菜の体を(つか)もうと、飛びかかる。

青菜の足に、かろうじて彩の手が届くが、

掴めなかった。

青菜は地面に落ちていく。

彩の体はフェンスに突き当たる。

その衝撃でフェンスが外れた。

彩もフェンス毎、地面に向けて落ちていく。

彩は今でも、落下の瞬間から、

地面に衝突して死ぬまでを記憶している。

地面に衝突した瞬間に、彩の意識は途絶えた。


気が付くと、彩は何もない白い空間で寝ていた。


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