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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

訳あり男子の些細な日常 ー親友と彼女ショタのお話ー

作者: デューク





今、俺は一人暮らしだ。訳あって故郷を離れて父方の爺ちゃん家からそこそこの所、大体、徒歩で15分くらいのアパートだ。



本当は完全に孤立した所に行くつもりが、親父から初めてゲンコツくらい、お互い譲歩して妥協した。まぁ、半年も住めば慣れるものだ。



「はぁー、やる事ねぇーな。レポートは……うん、終わってるし……ゲームも気分じゃねぇな」


そんな独り言をポツンと呟くと、携帯が震えた。


「あー、あいつからかー。うん、まぁ暇だから行くか」


そう言って、面倒くさそうに、そして本人は気付いていない少し口角の上がった顔には誰もツッコめる人はいなかった。












「さむ……やっぱり、さむ!……なんか早く帰りたくなってきた」


そんな若干恨みの困った小言を言いながら待ち合わせ場所に着くと金髪のいかにもチャラチャラした男の背中に向かってビンタをする。


「いって!おい、親友に随分な挨拶だな!」


そのチャラ男は、うん、まぁ、こっちの大学に来て、初日に仲良くなった中谷雄介と見た目とは裏腹の普通の名前の奴だ。


「おい、聞こえてるからな?悪かったな、普通の名前で」


そんな下らないやり取りをしつつも俺はこのチャラ男には結構お世話になった。仲良くなったのはありきたりな話。名前が似てたから。中谷伸介、それが俺の名前。講義で隣同士になり、自己紹介してこいつが吹き出したから何かと思ったら、俺も名前を聞いて吹き出した。


それから他愛もない話をして、街を案内してくれたり、お礼に奢ったりとなんのかんのしてる内に仲良くなった。まぁ、親友と呼ばれる様になったのは色々あったのだが。


「つか、オマエ、日曜日の真昼間から引き籠るなよ。……まぁ、気持ちはわかんでもないが」


「いや、マジな。炬燵の導入しようと決意したからな」


「相変わらずネコみたいなやつだなー。まぁ、いっか、そろそろアイツの誕生日でさ、手伝って欲しくて……ほら、こないだの奴、結構喜んでたから」


うむ、アイツと言うのはこいつの義妹こと、中谷彩葉(彩葉)の事だ。しかも、彼女だ。コイツの父親と彩葉の母親が結婚して。元々コイツは妹が、彩葉は兄が欲しくてお互い、好きになったらしい。お前はどこの主人公だ。ちなみに、彩葉は一つ下だ。



「とりあえず、一回死んでくれる?」


「いや、気持ちはわかるけど一応親友だよね!」


こんな軽口が言えるくらいには仲がいいわけだ。








「オマエ、ほんとセンスやばいよな」


「そうか?こんなもんだろ?」


ふぅ、まったく。大袈裟だよなー。まぁ、そんな事言われて少し鼻高な気持ちがないわけではない。褒められれば嬉しいものだ。


「いやいや、俺の誕生日も貰ったけど、あのブックカバーはヤバイかったわ。好みドストライクとかビビったから」


つい、一月前にコイツの誕生日だったから、このチャラ男にブックカバーを選んだらテンションがおかしくなってた。しっかし、ほんとにコイツは似非チャラ男だよな。言葉丁寧だし、愛読家で、ロックよりバラード派と言う。


「だから、聞こえてるから!誰が似非チャラ男だ!」


「あー、すまんな。でもさ、オマエその見た目で愛読家でロックよりバラードとか言われたらさ、そう思っても仕方ないだろ」


「これは地毛だっつってんだろ!」


仕方ないじゃん。俺が住んでとかの金髪、半分は不良だったからさ。


こうして、こんなクソ寒い中呼び出されたプレゼント購入も無事終了し解散しようとしたら止められた。


「あー、腹減ったから、飯食ってから解散しようぜ」


そう言って俺の返事も聞かずに歩き出した。って、返事してないのに参加は確定らしい。帰って飯食うか、一緒に食うかの違いしかないし、まぁいいか。黙って背中を叩いたのは言うまでもない。







「その……ありがとな、色々と」


「はぁ、いきなりどうした?」


「いや、ほら、知り合ってまだ三ヶ月だけどさ。色々、助けて貰ったし、そういや、礼を言ってなかったなーって」


ふむ、このチャラ男はやはり似非チャラ男だわ。まぁ、わからんでもない。無駄に濃い時間過ごしたから、長い付き合いな気がするのは俺もだからな。


「いや、ほんと、あの件がなくてもさ、仲のいい友達になれそうって感じだけど」










「なぁ、伸、実はさ、相談があって」


まだ、会って三ヶ月くらいの事。なんかここ2、3日ボーっとしてんなと思ったら急にそんな切り出ししてきて「正直、はぁ?」と思った。けど、いつもの軽い感じではなく、真剣な目つきだから俺も身構えた。


「俺さ、この前チラッと言ったけど彼女いてさ。あー、すまん、お前がこの話題嫌いなのは知ってるけど、どうしてもお前に相談したいんだわ。でー、ホイ、彩葉、俺の彼女な」


あからさまに俺の不機嫌を感じたみたいだが、よほど困ってるみたいだ。内心溜息をついたが、こんな事で喧嘩するほどの仲ではないから仕方ない。んで、初めて見た彩葉は可愛らしいポニーテールの……うーん、弓道の服が似合いそう?な感じだった。うん、後で聞いた話、弓道部だったらしい。


「んでな?最近、溜息ついてて、しかも、おにぃには関係ないから。って、言われて凹んでたんだわ」


うへ、その話はあかん。絶対ロクでもないわ。


「うん、まぁな?性格はわかってるから絶対面倒な事なのに迷惑かけたくない。でもさ、無理に聞けなくてさ」


「ばっか、オメエ!好きならちゃんとしろ!いいか?彩葉……ちゃんでいいか。目をしっかり見たか?オマエも不安なのはわかるが目を逸らすな、絶対な!」


「おっ、おう。……あー、うん、あんがとな。やっぱ、相談するべきだったな」


そう、呟いた雄介はどこか吹っ切れた様に笑っていた。




そこから、問い詰めると義兄と付き合ってる事が何と彩葉の同級生の男にバレていて、脅されていたらしく、次に会うのがその問い詰めた次の日だったらしく、わりかし温厚な雄介がブチギレていたのは今でも思い出す。


んで、そいつも反省すればいいのに、何かOB呼んでの喧嘩になりそうなところを俺が偶々目撃したので加勢してボコった。あー、ちなみに、こっちに来る前に親父(ちなみに黒帯らしい)から空手を習ってたのでそこそこ出来るんだわ。


何はともあれそれ以来コイツは親友だわ、ズッ友だわ、煩く、彩葉ちゃんとにはペコペコと頭を下げられ二人の親からはいつでも歓迎するとことある毎に呼ばれて最近落ち着いたのだ。ちなみにこのタイミングで付き合ってる事を報告したらしい。赤飯は当分食いたくない。






「まぁ、わかったけど、唐突だな?」


「いやー、選んでもらってさ?唐突に感謝したくなってさ?」


「ぶっは!」


やっ、あかんて。そのチャラそうな見た目で感謝とか言われるとあかん。しかも、真剣だから余計に!


「おいおい」


「ぶっ、ふふっ、……いやー、すまんっ、ふふっ、わかったけどさ……ぶふっ!」


「はぁ、まぁ、彩葉にも、綾香さんにも似たような反応されたことあるからいいけど」


「ふぅ、ふぅ、……うん、悪いな。気持ちは伝わったわ。で、他には」


まぁ、おそらくは聞きたい事、だろうな。こんだけふざけてもいい仲なら気にはなるわな。


「あーうん、話しづらいやろうけどさ、おまえ、昔なんかあっただろ?聞いてもいいか?」


「まぁ、あんまし聞いても愉快じゃないが、それでも聞くんだろ?」


ゆっくりと頷く雄介は真剣な目で見てきた。


「そうだな、あれは……」









元々付き合っていた彼女がいた。幼馴染で気の置かない二人は付き合う事になる。俺は遠距離恋愛じゃない。つまりは創作でよくあるあれだ。


マジで寝取られビデオレターが送られてきた。そんな事がある顔は一切なかった。いや、予兆はあった。そう、あらは、


「伸くんには……関係ない事だから気にしないで」


それから一週間何も聞けず、しかし、元気になったので大丈夫かと聞くと大丈夫と言われて、俺は愚かにも信じた。そして、ビデオレターが送られてからも彼女は普段通りだったのだ。


俺は気持ち悪さと怖さと……情けなさに囚われて、何も言えなかった。お互い笑ってるのにその目から交わる事がない。


親には突然一人暮らしがしたくなったと言った。そして、親父に空手を習いたいとも。会う時間を減らす為の口実と一緒にいたくない一心でのめり込んだ。


そして、俺は、


「ごめんな、俺、別の大学行くことになったから」


そう、一方的に告げて、今いるここに……逃げてきたのだ。












「はぁ、まぁこんな感じ?」


「………」


まぁ、そう言う反応になるのは知ってた。俺も聞く側だったらそんなどう反応していいか分からないと言う感じになったと思うし。


「……その」


「あー、別になぐさm「違う!……その、ありがとな」」


俺もどんな顔したらいいかわからない。顔に熱い何かが流れている。自分がどんな顔をしているのかも分からない。


「うん、やっぱ、そうか。あの時、明らかに変だったからさ。うん、あんな事相談されたら。伸介、ありがとう。俺もそうなるかもしれなかったんだな」


俺は無言でトイレへと逃げていた。









ある会話


「もしもし、彩葉?いまいいか?」


『うん、いいけど、どうしたの?おにぃ』


「うん、伸介の事さ、前に話したろ?予想通りだった」


『えっ、本当に聞いたの?!伸介さん、その……大丈夫』


「あー、うん、最悪、殴り合いの喧嘩でもしてみようかと」


『え"っ、マジで言ってるの?伸介さんって確か』


「おう、めっちゃ強い。本人、自覚ないみたいでボチボチだからとか言ってるけど」


『だよねー。確かー、6人いて5人やったんだっけ?』


「そうそう、不意打ちで1人、振り向く前に1人、振り向いてから1人、俺が不意打ちかまして1人押さえつけて、こちらに気を逸らした奴を1人、そこから殴りかかってきた1人をカウンターで終わり。速すぎてビビったから。しかも、警察に連絡済みでアイツらが痛みで悶えてるところで警察がきた」


『いやー、それ格闘漫画のキャラにしか聞こえないから』


「わかる。思わず、『人間……だよね』って聞いて苦笑いされた」


『あー、それ以来、私は危険だーとか、ヤーさんの知り合いがーとか、言われんだからさ』


「なー、普段の人畜無害感とのギャップがすごい」


『うん、どんなゴリラかと思ったけど私と同じくらいの身長で細くて三度見くらい、おにぃと交互に見たよね……あー!やば、そろそろ休憩終わりだ、ごめん切るね』


「おう、じゃあな、……ふぅ、どうしよ」













そして、その後やっぱり喧嘩になり、ボコボコの雄介とすっきりして他人に優しさを別れるようになった伸介。勿論、ショタ気味の強い男の子。元々、人気があったのに大学のOBの女性を助けたらお礼に大学に来たらさぁ、大変。


彼はそんな未来も知るはずもなく、優しく朗らかに笑っていた。












あまり長くないですが終わりです。続きは未定。唐突に書きたい衝動のままに書きました。

後、伸介は写真嫌いの為に撮らせてもらえず、いつか、彩葉にこんな奇跡みたいなショタいるんだぜってしたいが為に雄介は容姿を言ってませんでした。と言う裏設定。

後書きに幼馴染視点を書きました。わりかし酷い内容なので、覚悟がある人はどうぞ。












これは、1人の少女の慟哭を描いた話。


ある所にそれはそれは可愛いらしい女の子とこれまた可愛いらしい男の子のカップルがいました。初々しい2人の仲睦まじい姿は周りにカップルっていいなと思われて一時期カップルが増えました。そして、その幼馴染カップルに人は集まる。そう、それは、よからぬ事を企む輩も。







どこで私は間違えたのかな。大好きだった彼とその両親はもう、交流がない。それから家の親ともギクシャクしている。


それはそうだろう。両親は彼の両親に事情を聞きに行っても教えてもらえず……と言うか、向こうの親も詳しく知らないみたい。ただ、並々にならない事があることは察しているらしく、彼が何処に住んでるかも教えてもらえなかったらしい。


あれはいつだったかな?確か高校卒業する一年くらい前。急に体を鍛えたくなったと言い出して彼の父親から空手を習い出した。その少し前に急に体調崩す日々が増えた彼を心配してたのは今でも覚えている。


急にどうしたの?と聞くと強くなりたいんだと笑っていた。いや、今思い出すと目が全然笑っていなかったかも知れない。その時凄く不安になったのを覚えている。優しくて喧嘩してもボロボロに泣く彼を思い出す。


でも、私も顔を会わせづらい事を隠しながら向き合おうとした。しかし、それとなく関係を深めようしてもそれとなく断られる。いや、嘘だ。彼は私と愛し合っていた。


そこで私は吐き気を催す。ははっ、そんな純情な私ではとうにない。でも、変なのだ。彼の隣いる資格なんてない。そんな事はわかりきっている。でも、いざ、彼がいなくなった時、私はどう生きたいのか分からなくなった。


そう、それでも優しい彼は側にいてくれると思っていた。




そして、彼のいなくなった私は、クズ野郎からも捨てられた。いきなり、もう別にいっか。と、その一言でバッサリ切られた。残ったのは何もない。


そして、クズ野郎から最悪のモノを送られて理解する。彼が変わった理由。そこにはクズに媚び諂う醜い豚がいた。


それから私は壊れた。日々の感覚はない。あるのは彼との思い出だけ。人の顔を覚えられなくなった。あるのは彼の優しく微笑んでくれる顔だけ。


でも、違うものが見えるようになった。男は狼に、女は豚に。善意は白く、悪意は黒だと気付く。彼の少ない写真からやはり彼以外人に見えない。写真でさえ。


でも、私と彼は交わる事はない。だって、鏡に映るのは真っ黒なシルエットしかない豚だから。



















やばい。やり過ぎました。幼馴染を純情にしたらめっちゃ壊れてもうた。もっと、ライトな予定だったのに。ちなみに彼女はずっと笑顔です。そして、クズ野郎と再会した事もありましたがクズ野郎はオシッコチビって逃げ出したと言う。彼女は誰と会っているかもわからないのです。





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[良い点] 精神壊れた幼馴染ざまぁwwww生涯苦しめばいいと思う
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